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蠱毒の虫  作者: tomato
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インディアンの少年たち

主人公をいじめるのは楽しなぁ


食事を取り終わった後、たった一言寝ろとだけ伝えられた。

動かなくなった子供はいつの間にか消えていた、どこに行ったんだろうか。


私と、あのうるさい金髪の子、それと幾人かには毛布が配られていた、毛布を持っているのは顔が整っている子が多い気がする。

どうやら荷台の上ではなく地面の上で寝るらしい、荷台の上に乗った子供がまた一人居なくなった。


後ろに物があるように荷台と焚き火の間を陣取る、背中に荷台の車輪が当たっている。


「なぁ・・・」


小さく声をかけられる、目を開けて横を見るといつの間にか横に寝ていた金髪の男の子がいた、近くには同じく毛布を渡された女の子ふたりがいてこちらを見ている。


「なに?」


「一緒に逃げないか?」


「・・・なんで?」


「こんなところにいたら死んじゃうからに決まってるじゃないっ、あんたバカなの?」


紫色の髪の女の子がつり目でこちらを馬鹿にしながら発言する。


「まぁまぁ」


そう言って紫色の女の子をなだめるのは水色の髪の毛の女の子、子供たちの中では一番年が上なのか他の女の子達より胸が出ているし、お尻も出ている、背も高い。


「で、どうなんだ?」


「ごめん、私足遅いから無理だよ」


それに眠いし、面倒なことも痛いのも嫌いだし・・・。


「そう、まぁ私も足でまといはいらないし?」


「うん、私は大丈夫だから・・・お休み・・・頑張ってね」


そう言って私はもう一度まぶたを閉じた、視界は暗くなりどこか遠くの方で枝が燃え尽きる音と崩れ落ちていく音がする、時折人が動く物音と何かの動物の鳴く声を聞きながら私は眠りに落ちていった。















「ごめなさい!ごめんなさい!もう逃げません!だから許してください!」


悲鳴と打撃音、浅い夢の中から覚醒する、うっすらと目を開けると未だ空は暗いままだった。


なんの夢を見たのか思い出せない。


嘲笑と悲鳴が入り混じる、焚き火の近くで5人の男が水色の髪の女の子を囲んでいた。


「うるせぇ!てめえのせいで商品が逃げちまったじゃねえか!」


「あがっ」


顔を殴られて鈍い音がした、右目を抑えて蹲っている。


「あんまり初っ端から手荒くするなよ、今夜いっぱいは使わせてもらうんだからな」


そう言いながら女の子を足蹴にする茶髪の男の人。


「へぇへぇ、じゃあ最初に一発やっときます?」


ヘラヘラと笑いながら赤髪の男がおじさんに聞く。


「変な病気が移るのはごめんだ、お前らだけでやっとけ」


やる気のなさそうなおじさんが口を開く。


「萎えること言わんでくださいよ」


「事実だろ」


赤髪の男とおじさんが話していると、大柄な男が声を上げた。


「あっ!」


「あん?どうした?」


「こいつ処女じゃないっすよ」


悲痛そうな叫び声と共にあたりに沈黙が降りる、しばしの沈黙のあと赤毛の男が肩を落としながら言った。


「マジかよ激萎えだわぁ、マジ萎えだわぁ」


「ヤったら病気に銀貨二枚」


「おいこらやめろ」


「で、どうすんの?やんの?やらないの?」


赤髪の男が問いかける。


「私は遠慮しようかな」


御者のおじさんがまず一声。


「俺非処女はちょっと」


大柄な男が次に。


「俺も何か萎えたわ、明日に備えて早く寝てぇ」


赤髪の男。


「俺もビッチはちょっと」


「やっぱり奴隷に当たりはないんですかね・・・はぁ」


ほかの二人も遠慮する。


水色の髪の少女は震えている、そういえば他の二人の姿が見えない、ちゃんと逃げれたのだろうか?


「た、助けて!助けてくだz」


そう言いながら水色の髪の女の子は赤い髪の男に近づいていった、赤い髪の男は笑ってその頭に手を当てる。


「あ」


思わず声が出てしまった。

赤髪の男に近づいた水色の女の子の頭が変な方向に曲がった。


首から上が奇妙に曲がった女の子の顔が地面に伏した私の顔を見ている、唖然とした・・・まだ自分に何があったのか分かっていないような顔でこちらを見てる。


ゆっくりと少女の体が後ろ向きに倒れていき、私を見ていた顔は地面に叩きつけられ綺麗な髪が地面に広がった。


「おう、これ捨てとけよ」


「ちょ、俺っすか?」


急に恐ろしくなって目を閉じる、遠くから男たちの談笑する声が聞こえる。


瞼の裏には先ほどの光景が焼きついて離れない、見開いた目がこちらをずっと見ているその首の肉は、強引に捻られて集まり重なった肉が斜めの線を作っている。


体を丸めて毛布を握り締める、先程から頭の中をぐるぐると駆け回る女の子の顔が早く消えるようにまぶたを固く閉じる。


しばらく目を閉じていると意識が薄れはじめ、気味の悪い開放感と共に私の意識は闇の中に拡散していった。



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