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蠱毒の虫  作者: tomato
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ドナドナから始まる物語

二年ぶりにリハビリがてら、これを書きます、久しぶりに見たらいろんな人から感想が来てて、本当にごめんなさい(´;ω;`)


( ^ω^)<幸せとは言ったなあれは嘘だ

「子供なら銀貨二枚しか出せないよ」


「いや、五枚くれ」


「いやいや、あんた相場をわかっちゃいないね」


私の上で会話が交わされる、お父さんと知らない人がお金の話をしている、お母さんが私の手を掴んで離さない。


なんの話をしているのかは分からない、そういえば昨日のご飯は美味しかった。


「そもそもそこまでの容姿でもない女の子をわざわざ買い取ってあげてるんだ、銀貨二枚でも多い方だ」


「あんたはきっと五枚出すぞ」


「ほう、そこまで言うなら何かあるのか、珍しい加護付きかな?」


「いいや、違う」


「・・・?」


「何も持っていないんだ」


「・・・・・・ほぉ」


知らない人が私のことをじっと見ている、暗くて飲み込まれそうな瞳だ。


「なるほど、確かに何も持っていないな・・・」


「そうだろ?だから」


「わかった、四枚までならだそう」


「おおっ、それでお願いします」


お父さんは嬉しそうだ、お母さんも笑っている、私も釣られて笑った。


「『   』、この人の言うことをよく聞くのよ?」


お母さんが私に言い聞かせる、とりあえず頷いたが、お母さんはそれで満足したようだった。


「それではこれが代金だ」


お父さんの手に銀色の平たい石が四つ渡された。


「おいで『   』」


知らない人が私の手を掴む、お母さんが私の手を離した、知らない人が私を家の外に連れて行く、後ろを見たが家の扉は閉じてお父さんとお母さんは出てこない。


知らない人に連れられて村の外に行くと馬車が二つ、片方は幌馬車で、片方は大型の荷台に馬が繋がっている。


どちらも御者が眠そうな顔をしている。


荷台の上には私と同じくらいか、少し上くらいの子供が数人乗っていた。


「乗れ」


知らないおじさんが私を急かす、私は頷き、荷台の上に乗る、端が長椅子になっていたので空いている席に座った。


男の人は満足したのかもう片方の馬車に歩いていく、しばらくすると幌馬車が動き出して、それを追うように私が乗っている荷台も動き出す。


だんだん離れて小さくなる村はいつもと変わらず誰も出てこない、やがて木の間に消えて見えなくなった。















ゴトゴトと馬車が揺れる、振動のせいでお尻が痛い、気を紛らわすために周りを見る、暗い顔で俯いていたり頬が青く膨れ上ている子や片方の目が潰れている子もいる。


「なぁ」


「・・・?」


私の前にいた男の子が話しかけてくる、金髪の快活そうな男の子で、ここの雰囲気とは全く合わなかった。


「お前いくらだったんだ?」


「・・・いくら?」


海の幸のことだろうか?村に来た商人から聞いた話では貴族御用達の食材らしいが、赤くてプチプチとした魚の卵でとても美味しいらしい。


「何枚だったかってことだよ!」


うるさい人…。


枚数の数え方、一枚二枚三枚四枚・・・そういえばお父さんは四枚って言ってた。


「・・・?四枚だった」


「へぇ、俺は五枚だったぜ!俺の方が多いな!」


そう言って、へへっ、と鼻をこする少年。


「・・・そう」


「お前は何の加護持ちなんだ?」


「知らない」


「えー、そんなわけねえだろ、ついでに俺には剣の加護があるんだぜ!」


そういうことはよく分からない、金髪の男の子は自分のことを話したくてたまらないといった様子で口を開こうとしたとき。


「今日はここで野宿だ、一時間後に食事を配るので並ぶように!」


何も言えない私とペラペラと喋る男の子の間を遮るように荷台に乗っていた知らないおじさんが言葉を発する。


おじさんは荷台から降りて前の幌馬車まで歩いていき中に入ると、少ししてから大きな鍋と幾人かの男の人たちえを率いて幌馬車から出てきた。


少しするとおじさんは石を集めて円上にしてその上に鍋が置けるようにして、他の男の人たちは紐のようなものを持って森の中に出かけた。


幾分かすると男の人たちは戻ってきて、拾ってきた木の枝を円状に並べられた石の真ん中に屋根を作るように並べていった。


そういえば森の中に入っていった時に持っていた紐を今は持っていない。








しばらく待っていると水の沸く音と共に野菜や肉が煮込まれるいい匂いがしてくる、お腹が僅かに鳴る、昨日美味しいご飯を食べたからかお腹が欲張りを言う。


あたりを見回すと私と同じく荷台に座っていた子供たちが皆鍋の近くに集まってきている。


出遅れた私は後でいいやと思いつつ、立つのが面倒になったので、荷台の横に座り込む。


少し西の空が赤く成っている、もう数時間もすれば太陽が沈んでしまうだろう。

美しい光景だった、世界が少しずつ赤くなっていく、今この世界で最も美しい光景に思えた。






空を眺めていると突然悲鳴が上がった、そちらを緩やかに見ると鍋の前で子供が一人顔を覆いながら蹲っている。


他の子供たちは蛇の前にいる蛙のように、微動だにしていなかった、いやわずかに震えている。


「クソガキが!ちゃんと並べっつっただろうがよぉ!」


そう言って腰に細長い棒をぶら下げていた赤髪の男は木のお玉でスープを掬い蹲っていた子供の頭に掛ける。


「ぁああああ!?」


今度は後頭部を抑えながらのたうち回る子供、よほど耐え難いのか手足が石で傷つくことも忘れて転がっている。


「ちっ、てめえのせいで唾が入っちまったじゃねえか、マジきたねえなクソッ!」


男は立ち上がり少しばかりの助走とともに右足で子供を蹴り飛ばした、硬いものが肉に当たる音と一緒に子供が弧を描き空に飛ぶ。


幾秒かの滞空の後地面に投げ出されそれきり動かなくなった。


「あ、やっべついぶっ殺しちまったわぁ、まじやっべ、怒られちまうよ」


ヘラヘラと笑いながらつま先を地面にこすりつける男、後ろから鍋の管理をしていたおじさんが話しかける。


「あれの分の給料は引くからな」


「ちょっ、まじで?いくらぐらいすか」


「二枚」


「なんだその程度か・・・じゃぁ後二、三人余裕っすね」


ほかの子供たちが引きつったような声を上げる、でもそれ以上の声は上げない。

きっとこれ以上あの男の人を刺激すればさっきの子供のように・・・と思ったのだろう。





その後木のお椀を配られスープを飲んだ、美味しかった。


彼女の見た目及び特徴:肌が黒い!黒髪ストレート幼女!うはょぅι゛ょっょィ!

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