13話
13話
中島中隊長が戦死してみな無言のまま野戦基地に帰還した第32機動歩兵中隊。
ホバートラックに積まれた手作りの木製の棺桶が出され丘の頂上に小さな墓を作り、石碑には「第32機動歩兵中隊」と書かれた。
「俺が悪いんだ…あそこであんなふになっていなければ…」
黒澤はうつ向いた状態でひたすら泣いて、それを見かねた星川は黒澤を励ます。
「お前が全部悪いわけじゃない。戦場ではよくあることだ…」
「で、でも…っ!」
「1人で責任を追うな。中隊全員の責任だ」
中隊員一同はお墓に花束を添えて兵舎の方に歩き出す。
集団の先頭を歩いていた渡辺が星川に話題を作り雰囲気を直そうとする。
「なぁ…星川、次の中隊長は誰になるんだ?」
「さぁ…多分中尉の加夜さんだろ」
「そうだよな。まぁ我らがアイドルの加夜ちゃんが中隊長になるなら…」
「誰がアイドルよ!クビ切るわよ?」
星川と渡辺の会話を聞いていた加夜中尉がツッコンだ。
「マジかよ…この基地のお偉いさん方じゃねぇか…」
渡辺が丘の道を上ってくるここの野戦基地司令と護衛の人達が向かって来るのに気が付いた。
司令は加夜中尉と星川、渡辺、山本少尉三名の計4人を指名し連れていった。
残りのメンバーは中隊のブリーフィングルームへと向かうように指示を受けた。