10話
10話
友人の佐藤が入院、田中が戦死してから1週間くらいは経ったのだろうか。
あれからメネシスとの大規模な攻防戦もなく小競り合いが続いている。
俺も段々機体制御などといった戦術が身に付き訓練学校時代とは違う気がする。
昼休みに俺は先輩パイロットの星川少尉、渡辺少尉、山本少尉の3人に連れられ野戦基地の外れにある小さな丘の上にと来ていた。
「あら少尉さん達も来ていたのね。」
なんか聞き覚えのあるテンションの高い声。
その人物は俺も良く知っている。
「おう!ここは落ち着くからな加夜。」
「そうね。沙夜は疲れてるわ。」
加夜は苦笑して姉とは対称的な妹の沙夜はあまり活発(運動面で)ではない為、姉の野生的な体力はないのだ。
「お姉ちゃん…は、早いわよ…」
「最近運動不足なんじゃない?」
「そ、そんな事ないわよ…」
「ふ〜ん…」
姉の加夜が俺に向かって突如こう言った。
「ねぇ、黒澤君。あなたよくこの少尉3人に連れ回されてるけど泣きたくなったらいつでもいらっしゃい?」
「え…?」
加夜中尉が何を言ってるのか全くわからなかった。
すると星川少尉が反論する。
「俺らがいじめてるみたいな言い方やめろ!誰かに誤解されたらどうする…」
「誤解されたらドンマイって事で!てへっ☆」
「てへっ☆じゃねぇ!」
「まぁまぁ冗談だから熱くならないの。」
加夜中尉が苦笑し「さっさと昼飯にしましょ!」と仕切り始めたがいつものことなのでなれてしまった。
すると頭上を2機の大型輸送機が着陸体制をとりながら通過していく。
「輸送機なんて珍しい…」
「渡辺少尉そうなんですか?」
「あぁ、こんなちっぽけな野戦基地に来るのはそんなにないな…」
「普段の物資輸送などどうしてるので?」
「輸送ヘリ。」
国家の台所事情は厳しいようで…わかりますよ、お金が主要なところにしか回らない現実を(苦笑)
大型輸送機って事は機動歩兵関係の物資でも積んでいるのだろうか…
それより沙夜自作のアップルパイはとても美味しい…まさに家庭的な女の子。
「あんたの作ったアップルパイ美味しいってよ黒澤が」
「えぇ!?俺そんな事言ってないですよ!吉山中尉!?」
「今の幸せそうな顔が物語ってんだよ。デレデレ君」
「山本少尉それは酷いッスよ」
俺はあわてて何かに対して否定をしたが遅かった。
くそ…謀ったな!?作者め!
「確かに美味しかったですけど…。」
な、なんで皆して笑顔で見るの!?何かしたのかな???
恐る恐る聞いてみたのだが「特にないけど」とハモられ返されてしまった。
そういえば今日は出撃要請が珍しく入って来ない久々に平和な1日と言うのを感じた。
次回からは新キャラが数人登場の予定(苦笑)
しばらくはこの小説の進行速度を早くしていこうと思っているので駄作ではありますが今後もよろしくお願いします。