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偽物... 第二話

視点が一度変わります。

真夜中...

鈍い音ともに渉の腹に拳がめり込む。


「ぐっ…。やるじゃねえか」

予想していた以上の威力に思わず呻くが直ぐに相手の拳を力で抑えこみ、腕をねじる。


「な、抜けねえ。なんて力だ」


「ああ、お前程度が俺に喧嘩売るなんて10年早かったみたいだな」


―――5月14日16時25分――


今年に入ってから毎日してきたように、参考書を手にとり必死に勉強する。


二年の後期期末からの成績が悪いと現在いる特別進学クラスから落ちると担任の池内から警告されたからだ。


最後の最後で普通クラスに落ちるわけにもいかないので渋々ながら始めた勉強だがくせになったがために毎日毎日続けてしまう。


「おい、お前。磯田渉だな?」

突然後ろから声をかけてきたのは、B組の不良を気取った成金クズだった。

なにかと金を絡めて解決しようとする嫌みな奴。


「ああ、なんかようか?」「ちょっと顔貸してくんない?」


そのまま裏路地へと連れていかれる。

「なあ…お前今朝さ、俺の魔梨亜ちゃんと楽しそうに話してなかったか?」

成金が不気味な笑みを浮かべながら呟く。

「はあ?なんで神月がお前みたいなクズと付き合「いまは!」

成金が指を指しながら俺の言葉を遮る。


「付き合ってないね。だけどこれから僕のものになるんだよ!お金があればなんだってできる。」

ケンカ売ってんのかこいつ…。憎悪にも似た悪寒に襲われる。


「だからさ…目障りな君を殺しても事故死にすることくらい簡単なんだ!!」

そう言い終えると、ナイフを取り出し、襲い掛かってきた。



―――現在。――


最初の一発目は急だったので避けられなかったが、こんなスローな動きじゃ俺は殺せない。


力の限りねじりあげ、伸びきった腕。こちらはそれを前に肘を曲げたおったまま振りかぶる。


「て、てめぇなにする気だっ……!?」

次の瞬間、成金の肘から先があらぬ方向に曲がる。


「っひぁ!?ぎゃああああああああ!!」

この世のものとは思えない悲鳴が上がった。


「なにって。間接ごと腕へし折っただけだよ。」

丁寧に説明していると、成金があまりの痛みに気絶してしまった。

「っち。仕方ねえ野郎だ」成金の懐からケータイを取り出し、そのままボタンを押す。

――119―――――


やがて救急車の音が響くのが聞こえるときには、渉はすでにいなかった。

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