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「ただいまぁ…」
誰もいない家のなかに声をかける。
子供がいない親戚の叔父さんが学校に上がるときに買ってくれたマンションの最上階の部屋なのだが、魔梨亜の日々のだらしなさがでて、散らかしたままになっている。
最近は従兄弟も受験勉強で忙しくて全然遊びに来てくれない。
「はあ…疲れた」
制服のままソファーに横になり、つい夕方の行為を思い考えてしまう。
私の初めてのキスははかなくいとも簡単に失われてしまった。
だが、痺れるようなあの感覚を思い出すと、再び唇が…舌が疼く。
ふと、自分のに手を当てる。
「やっば…。なんでこんなに…」
いろいろと想像して罪悪感と恥ずかしさが込み上げるが、1度動かし始めた指は止まらない。びしょびしょに濡れたそこを指は掻き回し続ける。
「ん…あっ。はぁ…ぁんっ。駄目…だよぉ…くうん…こんなことしちゃ…駄目なのに…」
指が止まらない。
やがてスパートに向かって息が荒くなる。
「んぅ…!……っぷはあ…はあ…はあ〜…」
最後まて昇りつめ、いまだに身体の震えが止まらない。
汗でべたべただ。
まだ怠い身体を起こしバスルームへと向かう。
シャワーの流れる音だけが聞こえる。
ふと鏡を覗くと気怠そうに壁に寄り掛かる私。だが、鏡の私は違った。
果物ナイフを手にして、自分の指を斬る。
やがて自分の血を美味しそうに啜る自分が映し出された。気が付いたら右手にはナイフが握られていた。
そして鏡の中の私の様に…
《アハハ。みぃーちゃった》
突如響いた声に我に返る。「だ、誰?」
反射的に身体をかばいながら周りを見渡すが、なにも異常はない。
やがて鏡のなかの自分がこちらを見て嘲笑っているのに気が付いた。
《私?…私はマリア。貴方こそ誰なの?》
「私こそ魔梨亜だよ。なんなの?」
《べっつに〜。ただそろそろ私の日だからさ。順番は守ってよ?魔・梨・亜♪》鏡の少女が指を振りながら言う。
刹那、、、私の目の前に暗闇が広がった。
The tale has just started、、、