面倒な・・・。躾が必要なようだ
調子に乗って二日連続投稿!
「此処が魔導具屋か・・・意外と小さいな。」
魔導具屋はその名の通り魔導具を扱っている商店の事だ。
魔導具っていうのは魔法媒体や、魔法薬、魔法創作具などの魔法関係品のこと。これらは総じて価格が非常に高く、最低でも銀貨数十枚もかかる。
「やはりどれも値が張るな・・・。」
魔法媒体は非常に高い。特に『宝玉』入りの物は手が届かない
「う〜ん。・・・自分で創るか。」
魔法媒体は職業によって違うが、魔法使いは杖か手袋がおおい。
ギルドの職業は剣士、銃士、槍使い、砲撃手、僧侶、魔法使い等がある。それぞれの職業で魔法媒体を使う人もいるので、独自の魔法媒体を製作する。剣士なら『魔剣』、銃士なら『魔銃』、槍使いなら『魔槍』といった風に。
俺は魔法使いを選択したが変更は可能だ。
「しかし、自分で創るとなると『魔玉』か『宝玉』が必要か・・・・。」
『魔玉』は比較的簡単に手に入る。魔力が多い中級程度の敵を狩れば高確率で採取できるからだ。
だが『宝玉』は滅多に手に入らない。宝玉の生産地はたいがい強力な魔物の住処が多い、普通にいったらまず死んでしまう。
「・・・とりあえず道具を買うか。」
俺は魔法媒体をあきらめ、魔法製作に必要な道具を買うことにした
「これでいいか。おい、これをくれ。」
「・・・銀貨30枚だ。」
俺は無愛想な店主に銀貨を渡し、商品である『魔獣の魔牙』を購入する。これは『ルーン』を刻むための道具だが一番ランクが低いので、基礎的なルーンしか刻めない。
「試してみるか・・・。」
俺はあることを思いつき宿屋に帰った
「ディス!こっちだ!!」
宿屋に着くとレイエルが自分の場所を叫んで教えてくれた
「すまない、待たせたな。」
「いや、気にするな。少し面倒な相手がさっきまでいたから。」
「面倒な相手?」
「私をしつこくパーティーに誘ってくるんだ・・・。何度も断ってるんだがな。」
レイエルはよっぽど嫌な相手なのか眉を顰めている
「なぜ断る?ものすごく弱いのか?」
「ランクは私と同じなんだがな・・・。強くはない。」
「?ランクAは強くないとなれないんじゃないのか?」
「そうか、ディスは知らないんだな。なら教えてやろう。」
レイエルはランクAについて語りだした。
ランクAになる早道は個人より国の依頼をこなす事らしい。国の依頼は優先的にポイントが譲渡される上に比較的簡単なものが多いからだ。
ならなぜ皆が国の依頼を受けないのかというと、選択権があるのは国の方らしい。国が特定の冒険者を指定するので、必然的に国とパイプがある奴の昇進は早い。
つまりランクAには実力がある奴と名ばかりの奴に別れるそうだ。レイエルは前者。
「なるほど・・・ランクAといっても色々とあるんだな。」
「そうだ。私を誘ってくる奴は実力があまり無いやつな上にスケベな爺だ。」
「その言い方はあんまりだな。俺はまだ四十だ!」
いきなり会話に割り込んでくる中年のおっさん
「・・・人の会話に割り込んでくるのは無礼ではないですか、ラムス?」
「悪いな。聞き捨てられない言葉を聞いたもんだかな。誰が実力が無いって言うんだ?」
おっさん―ラムスは額に青筋を浮かべ、機嫌が悪そうだ
「それは失礼しました。・・・しかしこの前、ランクCにも満たない低級ランクの任務を失敗してらしたのでてっきり実力が無いのかと思いましたが?」
「あ、あれはいきなり魔物の群れが襲撃してきたせいだ!俺に落ち度はない!!」
「そうですか・・・。」
レイエルは呆れた顔になっている。たぶん俺も呆れた顔だ。
「おい、おっさん頭大丈夫か?魔物の奇襲や強襲には備えるのは冒険者にとって必須事項だぞ?」
俺はレイエルが言いたそうなことを言う
「貴様!!俺を侮辱するのか!?」
「俺は常識を言っただけだ。」
「表へ出ろ!決闘だ!!」
ラムスは店外へ出て行く
「やれやれ。堪忍袋の緒が短い奴だな・・・。クイラ、騒がせて悪かったな」
「ディスちゃん!早くあの人に謝ったほうがいいよ!!」
「なぜ俺が謝る?」
「そうだ。ディスの言ったことは真実だ。」
「レイエルさん!?」
「じゃあいってくる。」
俺も店外へ出た
「逃げなかったことは褒めてやる。」
「逃げる?冗談言わないでくれ。あんたなんか右腕一本で十分だ。」
「っ!何処までもむかつく餓鬼だ!!」
「・・・決闘スタートだな。」
俺とおっさんの決闘が始まった
side レイエル
「レイエルさん止めなくていいんですか!?」
クイラが抗議をしてくる
「ディスなら大丈夫だ。」
「何の確証があって言ってるんですか!ディスちゃんは私と同い年なんですよ!?」
「ならっ!!」
「・・・だが、私はディスの力の一端を見ている。あの程度の男など相手にもならないさ。」
「・・・ラムスさんは確かに弱いです。でも、一応冒険者ですよ?」
「問題ないさ。ディスを信じろ。」
(さぁ、見せてくれ!私が気に入ったその興味深い力を!!)
二人は向かい合い、何かを言った後決闘の火蓋が下ろされた
『魔法説明』
{エアーブラスト}
風系統の初級魔法。
刻まれているルーンは『凝固』『拡散』の二つ。限度数は四つ。
風を集め相手に衝撃を与える魔法。
基本的に目潰しまたは攪乱専門で戦闘には不向き。