ストーカーって怖いな・・・
今回はディスが大変?な目に合いますよ~。
side ディス
「ここだな。ケルベロスは・・・いた。」
ケルベロスは三匹ともぐっすりお休みのようだ
「さっさとやるか。」
{初級・ウォーターアロー}
水の矢を複数放ち、それらは全てケルベロスに向かう
〔〔ギャオオ!!〕〕
〔ギャオ!・・・グルルル!〕
「一匹しとめそこなったか・・・。」
「君はすごいな・・・。」
「・・・・なぜいる?」
いつの間にか背後にさっきの女がいた。どうやら魔法に集中しすぎたせいで気配を探るのをを忘れていたようだ
「追いかけてきたからだ。」
「貴様ストーカーというやつか?」
「あんな陰湿陰険腐れ変態常時気味悪いオーラを出しているような者と一緒にするな。」
「そこまで言うか?」
「・・・嫌な記憶を思い出してつい。」
以前にストーカーの被害にでもあったのだろうか?
〔ガルァァァ!!〕
馬鹿な話をしている間にケルベロスは飛び掛ってきた
「面倒な・・・」
「ここは私がやろう。この不快感をこいつで晴らしてやるっ・・・!!」
そういって四種類の宝玉がついている銃を構える女
(こいつ銃士か・・・。それも魔銃士。)
銃士っていうのはギルドの職業の一つで銃を主に使う人だ。銃士には分け方があり、短銃や長銃を使う人は銃騎士といい、『魔銃』とよばれる魔法媒体を搭載したものを使う人は魔銃士と分けられている
見分け方は簡単。魔銃士の銃には魔法媒体によく使われる『宝玉』や『魔玉』が埋め込まれているからだ。『宝玉』は現代の宝石見たいなもので、その種類によって効果が違ったりする。『魔玉』は魔物や魔族の体内で生成される魔力の結晶の事をいう。
{中級・エレメンタルバースト!}
〔ギャォォォォン!!〕
銃から四色の光を纏った弾丸が発射され、ケルベロスに着弾した。
ケルベロスは塵一つ残さず消滅する
「ふぅ。あっけないな・・・。」
「貴様・・・何者だ?」
俺はこいつの魔法をみて只者じゃないことを確信する
「私か?・・・私の名前はレイエル・マリウス。ギルドランクAの魔銃士だ。」
「ランク・・・Aだと?」
「そうだ。ランクAの意味はわかるだろう?」
「わからない。」
ドッシャァァ
女は何も無いのにずっこけている
「な、なぜ知らないんだ!普通はみんな知ってる常識だぞ!?」
「なぜと言われても、俺は今日冒険者になったばかりなんだ。知るわけ無いだろう。」
「冒険者じゃ無くても子供でも知ってる常識だ!!」
「生憎俺は田舎の育ちだから知らん。」
「・・・どんな田舎に住んでたんだ。」
なぜかショックを受けているレイエル
「そんなことはどうでもいい。先に帰っていいか?」
「ん?君は討伐依頼を受けたんじゃ無いのか?」
「それがどうした?」
「どうしたも何も討伐依頼は証明部位を持っていかないと依頼達成にはならないぞ?」
「・・・そうなのか。」
俺はケルベロスの死体の方に向かい部位を採集しようとするが・・・
「一体はお前が塵にしてしまって回収不可なんだがどうすればいいんだ?」
「・・・・私が狩ったことを証明すればいいはずだ。」
「そうか・・・。ところで何処を回収すればいいんだ?」
「普通は牙か爪だな。」
「わかった。」
俺は爪をもぎ取る。牙は毒がついていて危ないからだ
「さて、帰るか・・・。」
「ちょっと待て。」
「・・・一体何回俺を止めれば気が済むんだ?」
「まだ二回だ!」
「回数などどうでもいい。俺がうっとおしいと思っただけだ。」
「・・・なかなか肝が据わってるな。ランクAに対してその口の利き方は命知らずだぞ?」
レイエルは俺の頭の上ぐらいに銃口を突きつける
「やるならやってみろ。・・・少しは抵抗させてもらうがな。」
俺は身構え銃口を見つめる
「・・・・気に入った。」
「なに・・・?」
「あはははは!気に言ったよ少年!!」
いきなり笑い出すレイエル
「少年!私とパーティを組まないか?」
「パーティ?なんだそれは?」
「それも知らんのか・・・。パーティというのはな冒険者同士で組むチームのことだ。」
「チーム・・・俺とお前が?」
「そうだ。」
「断る。」
「なぜだ!?」
「俺は仲間なんか必要ない。・・・俺は一人でいいんだ。」
俺はそのまま全力でギルドまで向かった
「依頼終了だ。」
「では証明部位の提出をお願いします。」
俺は爪をいくつか取り出す
「三匹とも狩ったんだが途中で邪魔な奴が入ったせいで一匹分足りないんだが・・・いいか?」
「どなたかに乱入されたんですか?」
「レイエルとかいうランクAの女だ。」
「・・・そうですか。なら特別にオッケーにします。」
「知り合いか?」
「はい、一応友人なので・・・。」
マリーさんは疲れた顔になる
「・・・よくわからんが元気出せ。」
「・・・ありがとうございます。これは報酬金です。」
銀貨十五枚をもらった
「ありがとう。」
「気をつけてください。」
「?なにをだ?」
「レイエルは気に入った子は自分の傍に置きたがる性格なんです。」
「・・・それはまずいな。既に気に入られたみたいだ。」
「・・・ご愁傷様です。」
マリーさんは合掌をしてくる
(いったいどんな目に合うんだ?)
俺はこれからの不安を抱えてまま、ギルドを出て行く
「見つけたぞ!少年!!」
「・・・もう何も言わない。」
またしてもあの女にエンカウントしてしまった
『魔法説明』
{ウォーターアロー}
水系統の初級魔法。
使われている陣は円陣
刻まれているルーンは『凝固』『複製』。ルーン限界数は五つ
自分の周囲に水の矢を複数作り出し、相手に放つ技。
威力はかなり低くファイアボールの半分以下。だが複数または低級の相手には効率的(命中率が高い)。
{エレメンタルバースト}
全系統の中級魔法。
使われている陣は五角形。
刻まれているルーンは『憑依』『集約』『回転』『貫通』『破壊』『拡散』の六つ。限界数も六つである。
魔銃専用魔法。中級魔法『エレメンタルショット』を魔銃専用に改良したもの。
自身の魔力を弾丸に込め、それを撃つ魔法。放たれた弾丸は高速で回転し相手を貫通する。その際に魔力を相手の体内で拡散させることによって、相手の身体を塵一つ残さず粉々に破壊する。
この魔法は使える魔法属性の数が多いほど威力を格段にアップさせることができる。