先行きが不安だ・・・
今回も説明多いかな~。
魔法については良くわからないかもしれませんが、ノリで理解してください!
深く考えないことが重要です!!
side ディス(ディスペイア)
「暇だな・・・。」
俺は町から出て道を歩いているが、この道は舗装されているから魔物は出ない。ついでに言っておくがこの世界の自動車はガソリンではなく魔力機関で動いてる物で高級品だからあんまり見かけない
「しかしこの服は動きづらいな・・・。」
俺の服装は全身スッポリローブをかぶっている。尻尾は背中のかばんの中に収納して違和感をなくしている。だが尻尾があるせいで荷物は殆ど入らない。別に困らないけどな・・・
「・・・次の町まで後十キロか。早く着くといいな・・・。」
俺は道をのんびり歩いていく
side レイミィ
「やっと着いた・・・。」
「そうだね、姉さん。」
私達は今ディスの家に来ている。本当は会いにきたら駄目なんだけどこっそり会いにきてる
周りの人たちはディスの事を化け物とか忌むべき子とか言ってるけど、私達からしたらかわいい妹だ。ちょっと口が悪いけどね・・・
「ディス〜遊びに来たわよ〜!」
「ね、姉さん!ノックぐらいしなきゃ駄目だよ・・・・。」
「気にしない!ディスも慣れてるわよ!ってあれ?」
「どうしたの姉さん?」
「ディスがいないわ・・・。珍しいわね。」
ディスは迫害の対象になっているから滅多に外出しない筈なのに・・・
「姉さん、何か書いてあるよ。」
「本当ね。え〜と・・・」
姉さん達へ
俺は旅に出ます。心配しないでください。
「なによこれっ!」
「なにって書置きでしょ?」
「内容よ!な・い・よ・う!!」
「?ちょっと見せて・・・・・えっ!?ど、どうしよう姉さん!!」
「・・・どうしようもないわ。今から追いかけてもたぶん間に合わないわよ・・・。」
「そんな・・・まだ八歳なんだよ!?一人で旅なんて・・・!」
「・・・・・・。」
この大陸は魔物も少ないし治安部隊なども充実していて比較的平和なところだが、それは人限定の話だ。魔物や魔族には容赦はしないし、ハーフだって酷い目にあう。しかもディスは女の子で美少女だ。もし軍隊や治安部隊なんてものに捕まったら殺されるより酷い目にあってしまうかもしれない・・・。
「ディス・・・。」
「姉さん!ディスを探さないと!もしかしたら間に合うかもしれないよ!!」
アリアが切羽詰まった顔で言ってくる
アリアはディスを一番可愛がっていた。だからこそこんなに焦っているんだ。普段は引っ込み思案で言いたいことも言えない子なのに・・・
「無理よ!どこに行くかも書いてないのなどこを探すの!?」
「っ!でも・・・!」
「・・・・・・・。」
「・・・・・・・。」
私達の間に沈黙が訪れる
「・・・一つだけ探す方法があるわ。」
「ほ、本当!?どんな方法なの!?」
「冒険者・・・ギルドに加入すれば情報も集まるし色んな場所に行けるわ。」
「冒険・・・者?」
冒険者って言うのはギルドに加入している人達のことを指す。冒険者の人達は色んな人の依頼をギルドを通して受注し、仕事を行う。依頼は様々なものがあり、冒険者は万屋とも呼ばれている。
「そうよ。ディスは絶対冒険者になる・・・だから私達も冒険者になれば会えるはず!!」
「確証があるの?」
「・・・あの子はハーフよ。普通に働く事なんて出来ない。出来るとしたら冒険者か娼婦かのどっちかよ・・・。」
どこの大陸や国でも殆どがハーフに厳しいからまともな就職先は無い
「・・・そうですね。でも冒険者は厳しい職業ですよ?私達にできますか?」
確かに冒険者は厳しい職業だ。依頼は雑用から討伐まであり、討伐の依頼では死ぬ人が沢山いる。
だから冒険者はあまりいい職業ではない。
「大丈夫よ。私達には魔法の才能がある。努力次第では強くなれるわ!!」
私の言葉に力が籠もる
「・・・うん!私頑張る!絶対に冒険者になって見せる!!」
「ええ!もちろんよ、アリア!!」
私達は誓い合った
この二人がギルドで活躍するのは数年後だった
side ディス
「何故だ?」
俺の目の前には犬型の魔物、ケルベロスがいる。
こいつは魔物の中でもレベルが低い奴だが、唾液に鉄を溶かすほどの猛毒が含まれている。だから噛まれたりすると傷が消えなくなるから厄介な奴だ。
だがおかしいことがある。ここは街までの道で舗装されている場所だ。だから普通は魔物なんか出て来るわけがない。
「とにかく戦うか・・・。」
俺は懐から魔法媒体である杖を取り出す。
この杖の中には魔法陣が複数記憶されており、それらに魔力を流すことによって魔法を発動させる。つまり魔法媒体とは魔法の教科書のような物だ。
{初級・ファイアボール!}
俺は火の初級魔法ファイアボールを放つ
ファイアボールは火の玉を飛ばすシンプルな魔法だが、工夫すれば強力な魔法になる。
〔ガァァァァァ!!〕
ケルベロスにファイアボールが直撃し身体が燃えている
「近寄せなければ脅威ではないな。」
俺は燃えているケルベロスを無視して先に進んでいく。
「そろそろ魔法を応用したいが・・・、道具が無いな。」
魔法の応用や工夫、または創作には専用の道具が必要だ。
この世界の魔法は魔法陣がなければ攻撃や防御はできない。そして魔法陣は『陣』と『ルーン(魔法字)』でできている。『陣』は『ルーン』を刻むための物で記憶媒体みたいなものだ。『ルーン』はその字自体に魔法の作用があるものだ。例を挙げるなら『凝固』、『誘導』、『拡散』などの『ルーン』がある。ファイアボールに当てはめると、まず火の魔力を『凝固』させ放つ。こんな簡単なルーンしか刻まれていないが、改良すると、『凝固』させそれを『誘導』させることもできる。さらに『拡散』をつけると着弾させた時に爆発させることもできる。
こんな感じでただの初級魔法も改良すれば強力な魔法にすることもできる。ただし一つの『陣』に刻める『ルーン』の数は限られていて、『ルーン』を大量に刻むことはできない。ファイアボールは三つが限界だ。それ以上刻むと魔法がうまく発動せず自爆する可能性がある。
話は最初に戻るが俺は基礎的な『ルーン』を刻むことができるが、道具がかなり高価なのだ。しかも上級『ルーン』を刻む道具などは国がひとつ持ってるか持ってないかというぐらい高い。
「買いたいが有り金じゃ全然足りないな・・・。それに魔法媒体もこれではきついな。」
俺の持っている杖は見習いの魔法使いが持つもので、容量が殆どなく、初級の魔法しか記憶されていない。
「まずは魔法媒体から揃えるか・・・。」
俺はいつの間にか着いていた町の中に入る
「まずはギルドだな。」
俺の目的場所はギルドという仕事の斡旋場所だ。そこで冒険者登録をして仕事を貰わないと金も稼げない・・・。
今更だが金銭の説明だ。
まず種類だが、劣銅貨、銅貨、銀貨、金貨、金塊貨の五種類だ。
それぞれが現代で言うと一円、百円、千円、十万円、一千万の価値がある。基本的な人の月収は大体金貨二枚、銀貨数十枚といったところだ。
ついでに俺の持ち金は銀貨五十枚、銅貨七十枚、劣銅貨二百枚だ。日本のお金に戻すと57,200円だ。
「着いたな。登録するか・・・。」
俺はギルドのドアを開ける
ギルドは酒場も経営しているので人がギャアギャア騒いでいるが、俺を見て喧騒が止む
「ギルドに登録したいんだがいいか?」
「はい、わかりました。」
俺は怪訝や殺意の眼差しを無視して受付嬢のところにいき申請を頼む
「ではこの申請書に氏名、出身地、職業等の必要事項をお書きください。」
「わかった。」
俺は出された申請書にすらすらと書いていく
「お聞きしますが、ギルドの説明は必要でしょうか?」
「頼む。」
俺は書き終えた申請書を提出した
「わかりました。まずここ、ギルドは冒険者と呼ばれる人達に仕事を斡旋する場所です。冒険者にはそれぞれランクがあり、低いほうからF・E・D・C・B・A・Sの七段階があります。ギルドで受注できる依頼も一緒で七段階があり、そのランクに見合った依頼を斡旋します。」
「見合った依頼とは?」
「はい。例えばランクCの人間は同じレベルか一つ上のランクBの依頼までしか受けられません。それ以上のランクを受注するにはランクAの方の推薦が必要になります。また、原則として自分のランク以下の依頼は受注することはできません。」
「ランクはどうやれば上げることができるんだ?」
「依頼をクリアするたびにポイントが加算されそれが一定のラインを超えればランクアップです。」
「そうか・・・。説明ありがとう。」
「仕事ですから。では冒険者カードを発行します。」
俺は手のひらサイズのカードを受け取る。カードには名前、ランク、職業が書いてある。職業は魔法使いだ。
「依頼はどうやって受注するんだ?」
「そこの掲示板に張ってあるのが依頼書ですよ。」
受付嬢の指差す方向には掲示板があり、たくさんの紙が張ってある
「ありがとう。・・・名前を聞いていいか?」
「私の名前はマリー・クライスです。」
笑顔がとても綺麗な受付嬢の名前はマリーというらしい
俺は受付から離れ掲示板のところにいき依頼を確認している
(最低ランクだからな・・・。どれも報酬が低いな。)
仕事はすべて雑務ばかりだ。まぁこの大陸は魔物があまりいないしな
「・・・これにするか。」
俺は一枚の依頼書をとり受付に持っていく
「これを受注したい。」
「・・・・大丈夫ですか?」
「問題はない。」
「わかりました。達成目標はケルベロス三体の討伐です。」
俺が選んだのは討伐依頼だ。初心者ならまず頼まないが、さっき一匹倒したし問題はないだろ。
依頼を受注したから俺はギルドの外に出る
「おい、そこの気味悪い餓鬼!!」
後ろを振り向くと盗賊のようなムサイおっさんがいた
「何かようか?」
「ああ?口の利き方がなってねぇ餓鬼だな!躾が必要か?」
「教養のなってない者に習うことなど何も無い。失せろ、存在が邪魔だ。」
「てめぇっ!!」
男は素手で殴りかかってくるが・・・
「なっ!?」
「どうした?この程度か?」
俺は指先一本で防ぐ。言っておくが魔法なんか使ってない
「なにしやがった!?」
「ただ防いだだけだ。貴様のほうこそ餓鬼一人を倒す力も無いのか?憐れな大人だな・・・。」
「なめた口を!!」
男はもう片方の手で殴りかかってくる
(うざい・・・。手の一本ぐらい貰っとくか。)
俺はカウンターで手刀を打つ体勢に入る
(・・今だ)
カウンターを決めようとするが・・・
「そこまでだ!」
女が割り込んできて俺の手刀とおっさんの腕をはじく
(っ!・・・この女は俺の手刀が見えてるのか?)
自慢じゃないが俺の手刀の速度は肉眼で捉えきれないぐらいに速い。
(面倒なことになる前に消えるか・・。)
俺は割り込んできた女が面倒なことになりそうだから離れようとするが・・・
「待て。君には聞きたいことがたくさんあるんだが?」
「・・・・・なんだ?」
「さっきのしゅt「邪魔すんじゃねぇよ!!この女ぁ!!」うるさい!!」
「げふぅ!!」
女のケリが男の鳩尾に直撃し、男は五・六メートル程飛ばされる
「ふぅ、邪魔者がいなくなったし色々と話してもらおうか?」
「断る。貴様と話すことなど何も無い。」
俺は依頼書の指定ポイントの方向に向かってあるいていく
「逃がすと思ってるのか?」
「・・離せ。俺は依頼を受けている最中だ。」
「そうか。でも話をするぐらいの時間はあるだろう?」
「俺は時間を無駄にするのは好きじゃない。」
「無駄にはならないさ。」
「しつこい。俺が無駄だと判断したから無駄なんだ。」
「あっ!」
俺は女の手を弾き目にもとまらぬ速度で指定ポイントに向かう
(空気抵抗がきついな・・・。)
俺が指定ポイントに着くのに五分もかからなかった
『魔法説明』
{ファイアボール}
火系統の初級魔法。
使われている陣は円陣
刻まれているルーンは『凝固』だけで、ルーンの限界数は三つ
手のひらや周りに火の玉を作り、相手に放つ魔法。基本は一つしか作れない