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人間の様な化け物?

冬休みでほのぼのしている毎日、ならとっとと更新しろって話ですけどね

毎度更新遅くすいません。最近別の小説を考えてしまう自分がいてます……この話だって完結どころか先もあまり考えていないと言うのに別の話を考えてしまう

はぁ……完結していない話を幾つも投稿するのはあまりいい気分がしないんですよね

side ディス


「はぁっ!」


開始から既に何十分も戦っているがまだレイエルには俺の攻撃は一発もヒットしていない。今も俺の拳は余裕な笑みをもつレイエルには擦れ擦れだが回避された


「踏み込みが甘いぞ!」


「くっ!」


避けられて行き場を失くした腕をレイエルに掴まれ殴りかかった時の力をも利用し遠くに投げ飛ばされる。

投げ飛ばされ、何とか踏みとどまるが状況はあまり変わらない。さっきから俺の拳は当たるか当たらないかというとこから一向に進歩していない

それどころかレイエルの度重なる重い拳やパンチの連打で最初の時からかなりの体力を消費してしまった


「どうした、さっきから動きが鈍くなってるぞ」


「まだまだ……行ける!」


(レイエルは俺の攻撃を読んでる、だから直線的な攻撃はどれだけ強く、速く拳や蹴りを入れても当たらない)


強がっては見たものの身体のいたるところから骨の軋む様な音がギシギシと聞こえてきている。レイエルの拳や蹴りの打撃のせいで本来はスグに痛みも傷も癒える再生が追いついていないらしい

それでなくとも打撃でできた痣の痛みは直りが遅いのだ


(制限時間は知らないが身体はもう限界……次の攻撃が勝負だな)


「行くぞ!」


一つの賭けを考え俺は残った力で全力でレイエルのほうに走っていく


「そんな直線的な攻撃は通用しないとまだわからないのか!?」


「ぐふっ!」


直進した俺には当然のようにレイエルの槍のように鋭い右拳が腹部に直撃した。腹部からは気持ちの悪い何かがこみ上げてくる感触があるが今は堪えなければ


「ゲホっ、いや……これでいい!」


レイエルが右拳を完全に決めているせいで今のレイエルはあまり自由に動けない。その僅かな隙を突いて俺の腹部に決まっているレイエルの右腕を両腕で掴んで軸にして蹴りをレイエルの頭部に決めようとするが……


「くっ!」


俺の渾身の力を込めた蹴りはギリギリでレイエルの左腕に阻止される。

だが力を込めただけあってかレイエルも苦痛の表情を浮かべ、けりの衝撃による大気を震えさせる音と共に骨が軋むような鈍い音もはっきりと聞こえた


(この勢いを殺したらもうレイエルに勝つチャンスは無い!)


「いつまでそうしているつもりだっ!」


レイエルは拳を決めている右腕で俺の服を掴み思いっきり投げることで距離をとろうとする

やはりここで距離を取る戦法……あくまでもレイエルは銃がメインの武装、近接先頭はあくまでもオマケにしか過ぎない技能の一つなのだ

だからこそそこに勝機がある、いやそこにしかない


「そう簡単に離れるかぁ!」


「ちっ!」


右腕で俺の服を掴んでいるレイエルの腕を思いっきり握り離れないように全力を尽くし、レイエルの腕を右方向に強く振る。投球のような体制をしていたレイエルは勢いと俺の力のせいで体制を崩して、前かがみに倒れるように俺に背中を見せた


「うぉぉ!!」


「ぐぁっ!!」


無防備になったレイエルの背中にこんどこそ俺の全力の蹴りがヒットし、レイエルはその衝撃で五メートル程地べたをすべるように吹き飛んでいく


「やった……ってうわぁ!」


勝利を確信し喜ぶ俺だがさっきからずっと空中で戦闘をしていて、しかもレイエルの体を軸にしていたのだ。当然軸を失った俺は地面に落ち、尻餅を思いっきりついた


「痛っ……けど俺の勝ちだな」


「おめでとうさん」


〔キュ!〕


背後からライブラが拍手と共にに賞賛の声をかけてきて俺は振り返る。クーは戦闘が終ったからかこちらに突っ込んできた

てかこいつ何時の間にここに来ていたんだ、まったく気づかなかった


「……ライブラいたのか?」


「お前らが戦い始めた時からそにいたさ。レイエルにお前の動きを見るように頼まれてたからな」


「そうか……疲れた」


どっちかというとライブラがいたところで別にどうと言うことはない

それよりも身体中に痛みと疲労が広がっていてまともに動くどころか


「よくやったよ、本当に……なぁ、お前もそう思うだろ!」


「……ああ、そうだな」


「へっ?」


俺に蹴られて地面に倒れていたレイエルが何事も無かったかのように普通に立ち上がりライブラに返事を返す


「れ、レイエル平気……なのか?」


「問題ない、多少痛みが残るが大丈夫だろう」


「……嘘だ」


最後の俺の蹴りは岩だって粉々に砕けるぐらい強く蹴った。普通の人間なら上半身と下半身が分かれてもおかしくない、鍛えていても背骨ぐらいは折れるはずなのに……


「こいつの人間離れは今に始まったことじゃないから安心しろ」


「そういう問題なのか……?」


「まったく、人を化け物みたいに言うなんて……それよりディスも疲れただろう、少し休むといい」


「ああ。もう身体が限界だ」


「そうさせてやりたいが少し場所を変えないと無理だな」


「「なぜだ?」」


俺とレイエルの声が同時に重なる。レイエルはよく知らないが俺の身体はもう限界でまともに立ち上がれないのだ、休ませて欲しい


「はぁ、お前らな……外野を見てみろよ」


「外野……なんだあれは?」


ライブラの指差す方向を見ると十代後半ぐらいの男女が数十人ほどこちらを変な目で見ていた。全員が同じデザインの服を着ているところを見ると学校の生徒だろうか

俺とレイエルが気づくと同時に大人の女性がこちらに向かってきた


「あの、ライブラさん。これはいったい……?」


「ああ、先生でしたか。すいませんね、空いている時間にこの実習場を使っていたのですがどうやらこの二人が熱中しすぎて時間を忘れてしまったようです」


ライブラがいつもとはぜんぜん違う丁寧な口調で女教師に状況を説明している。それでもすこし地が出ている話し方だ

というか時間オーバーしていたのか


「はぁ、それは構わないのですが……まだ時間に余裕がありますし、けどその子は?」


「俺の教え子ですよ、勿論個人的な、ですけど」


俺は一体何時からお前の教え子になったんだ?と言いたい所だが言ったらややこしくなるし止めておこう


「ではご迷惑をおかけしました、ほら二人とも行くぞ」


「言われなくてもわかっている」


「ああ、けど誰か手伝ってくれないか?俺はもう立てないんだが……」


さっきから足に上手く力が入らない。痛いのか疲れてるのかもよくわからなくなってきてるし……限界だな


「仕方ない、私が背負ってやる」


「すまない」


俺はレイエルに背負われそのまま魔法実習場を後にする。出るときには集まっていた学生達に好奇の眼で見られてあまりいい気分はしなかった

だが今日の練習ではレイエルとの勝負でいい感じの対戦が出来た。結局勝敗はどっちかわからなかったが非常に満足の行く修行だと思う



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