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初めての契約!前編

割と長いなぁ~とか考えて書いてました。

関係ないですが皆さんメリークリスマス!


……彼女いない寂しいクリスマスやけどorz

「なんだよ、これ」


硬く閉ざされていた扉の奥の部屋は、部屋の外のこの殺風景な部屋とは違い、豪華な装飾で彩られていた。

壁には大量の金でできた王冠や十字架等の立派な装飾品の数々。床には数え切れないほどに埋め込まれた宝玉とそれを結ぶことで刻まれている巨大な魔法陣。そして魔法陣の中央には見たことの無いほど大きく、不思議な光を放つ宝玉が鎮座していた


「宝玉に魔法陣、この部屋はいったい……?」


魔法陣の一部を触りながら俺は考えにふける


(扉の文字には『太陽と月眠る間』と彫られていた……月と太陽ってこれが?)


「だが宝玉も見方を変えれば月か太陽に見える……が……」


――素質を持つものよ、よくぞ来た――


宝玉に触れた瞬間頭の中に声が響いた。驚いた俺はすぐさま宝玉から手を離し距離をとる


「っ!?……今のは?」


――資質を持つものよ。こちらへ――


宝玉の光り方がどんどん変わっていく。まるでこちらを誘い込むように怪しく光る


「お前は何だ?」


――こちらへ――


「……無視か」


こちらの質問には何も答えず宝玉からの声はこちらを呼ぶ

よくわからないがとりあえず俺は宝玉に近づいていく。すると宝玉の光かたはより激しいものとなった


――もっとこちらへ――


いわれるままに俺と宝玉の距離が目と鼻の先となるまで近づいた


――さぁ、契約を交わそう――


「……その前にお前はなんだ?」


――我は『真理書』、別の名としては『太陽と月の書』。全ての魔導書の元となった存在であり、またそれらを統括する存在。――


「やっぱり魔導書か……」


俺はどうするか迷っている。こんな所にある時点で強力な魔法を記録してあるのは間違いない。だがその分情報が少なすぎて不確定要素が多い


――さぁ、契約を交わそう――


「……わかった。具体的にはどうすればいい?」


悩んだ末に俺は契約することにした。今の俺は初級魔法しかない、それを考えるとこれからの戦いで力がなさ過ぎる可能性もあるし何より……あの仮面の男のように嘗められて負けたくない


――我に触れよ。さすれば汝を契約の間に――


「わかった」


――さぁ、我の所へ――


宝玉に触れた瞬間眩いほどの大きな光が放たれ、俺はその光に呑まれた













目を開いた俺が見たのは見渡す限りの大草原。青草が生い茂り、気持ちのいい風が俺の傍を吹きぬける


「……は?」


当然俺のリアクションは何がなんだかわかっていないような表情になる


「なんで草原……まさか契約になにか関係があるとか?」


「いや、それは単純に何も無くて広い空間をイメージしたらこういう風になったというだけさ」


「っ!?」


突如後ろから声が聞こえ振り返るとそこには特徴的な服装をした白髪の男が微笑んでいた。男の服装は装飾の施された立派な生地のローブのように長い服

最近驚くこと本当に多いな。それも背後取られたり声が聞こえたりと


「一々俺を驚かすな」


「それは悪かったね。けど契約するならこれくらいで驚いていたら付いていけないよ?」


白髪の男が謝るようなそぶりを見せながらこちらを嘲笑してくる


「早速だけど試練について説明させてもらうよ。ルールは簡単、一対一で僕と勝負して勝利すること」


「……それだけでいいのか?」


「うん」


あまりにも単純すぎる試練内容に俺は不意を突かれた様な気分になった


「但し、」


「ん?」


「君は魔法媒体なし。それに勝利の条件は互いのどちらかの肉体が完全に消滅するまでだけどね」


「はぁ!?」


魔法媒体なしということは俺は魔法を使えないというこだ。相手が魔法媒体を持っているかどうかは知らないが、持っていたら俺と相手との戦力差は歴然としている


「ちょっと待て!そんなの勝てるわけ……」


「……何を寝ぼけている?我らと契約するのならばこの程度は当たり前だ」


(こいつ……感じが急に変わった!)


白髪の男はさっきまでの態度から急変して、こちらを威圧するような口調になり表情もまるで違うものになっている


「さぁ、始めよう。お主が我らの使い手にふさわしいか!!」


もう喋り方や一人称が変わっていてとてもじゃないが先ほどの男と同じとは思えない


「くそっ!」


(魔法が使えないこの状況でどうやって倒せばいい……それともこの状況が試練なのか?だが今は逃げる以外に方法は無い)


魔法を使えない不利な状況下だが白髪の男は容赦なく俺に突っ込んでくる。俺は対照的に距離をとろうと後ろに大きく下がる


「最初から飛ばしていくぞ!」


{バーストライフル!}


白髪の男の手に銃身の長い一丁の赤い豪華な装飾が施された銃が出現する。その長さからいって強力な銃であると一目でわかる


「吹き飛ぶがいい!」


「ちっ!」


銃口から巨大な炎弾が大量に発射され、それは全て俺に一直線に向かってきた。

横に跳躍して回避するが、俺の着地地点を予測しているのか徐々に追い込まれてきている


(このままでは当たる。なんとかしないと……だが今の俺には打つ手がない)


遠くを狙い撃ちするような銃も無く、魔法も使えないのだ。とてもじゃないが遠距離から狙ってくる敵に対しての有効手段はまるでない

駄目もとでそこらへんに落ちている石ころを全力で投げてみた


「どうした!避けるだけ事で精一杯で石ころしか投げれんのか!?」


当然だが石ころは炎弾に当たり、形無く消失した。いや、焼失したというべきか


「ならば反撃する!」


俺は高速でジグザグに動き撹乱しながら接近する。このままいってもジリ貧だ、ならば撹乱して接近するしか方法がない。

しかしこの方法も近づけば近づくほど相手の銃の命中率が上がり、危険度が増す方法だが……こんな苦肉の策に縋る以外方法が無い


「ほぅ、確かにいい考えだ……だが、それは相手の予想外の反撃を予測していないから出来ることだな」


{ワイド・ランチャー}


「その形状は……!」


赤い装飾の銃が消えて、銃口がハンマーのように横長にワイドした銃に変わった。拡張した銃口は横一線全てを狙えるもの


「弾け飛べ!!」


「(回避は無理か)ちぃ!」


銃身から俺に向けて横180度一帯に向かって大量の炎弾が撃たれた。

回避が不可能と感じた俺は手をクロスし防御の姿勢をとる


「あぁっ!」


しかしそんな行為も虚しく炎弾は俺の両撃てはおろか両足まで貫き、足の力が無くった俺の身体は崩れ落ちるように倒れこむ


「ふん、所詮この程度か……今貴様が負っている怪我はいままで魔法に頼りっきりだったその報いだ」


「なん……だと!」


「貴様のように才能があるものは溺れ、道を踏み外し、多くの人を傷つける。ならばそんな事をする前に葬る方がまだ世のためだ」


{エナジーレイ!}


「消えろ!!」


一本の太い光線が白髪の男の手から放たれ、一直線に向かってくる


「まだだ!!」


両手に魔力を溜めそれを光線を防ぐための盾にする。防御魔法なんてものはただ魔力を固めれば成立する簡単なものだ、だから魔力さえあれば魔法媒体が無くてもある程度は防げる

ごり押しの力技だから燃費はかなり悪いが……


「そんなもので!っなに!?」


光線は溜めた魔力を中心に別々の方向にそれぞれ分散する。大体中の下ぐらいならこの方法で防げるようだ。

よく考えてみればさっきの炎弾もこれで防げたかもしれない。あの数は無理だが


「まさか……ただ溜めた魔力で防いだ?なんという力技をする……」


「防ぐだけで終わるわけないだろ!」


「なっ!」


光線を伝い青色の炎が白髪の男に向かっていく。青色の炎は属性的には氷だが性質的には炎、故に調節すれば炎だろうとなんだろうと走らせる事が出来る……ただの思いつきだけど

この青色の炎は謎が多いからこんな方法も出来るようだ


「ちっ!」


白髪の男は瞬時に光線の放出を止めてその場から一気に跳躍し離れる。白髪の男がいた場所には青い炎の影響で勝ちこちに凍り付いていた


「やるな……まさか新たな属性の魔力を作り出しているとは。どうやら単なる才能に溺れた者ではないようだ。その姿勢は尊敬に値する……だが所詮は無駄な足掻き、全てが無駄だ」


{サウザンド・エナジーレイ!}


白髪の男の周囲から先程の太い光線が数え切れないほど多く一気に放たれる。この魔法はさっきの『エナジーレイ』の発展版のようだ


(こんなの避けられるわけない……しかし直撃だけは何としても避けてみせる!)


目線で確認して、できるだけ当たらないポイントを探し出しそこで手に魔力を集中し無駄な努力だとわかっていても防ごうとする


「ぐぅぅ!!!」


数十発以上の光線が俺の身体を吹き飛ばし、吹き飛ばされた俺は地面の上を転がっていく。唯一の救いは前面に展開した薄い魔力の膜のおかげで貫通効果は無くなっている事だ

だが衝撃はすさまじく吹き飛ばされた俺はダメージの大きさで蹲ってしまう


「何をしても無駄だ。言っただろ所詮貴様程度の力では……」


「うるさい!」


ボロボロの状態で右手を地面に当て、魔力を暴発させその衝撃で白髪の男に急接近する。多少の衝撃波この際無視だ


「まさに捨て身か、しかしその程度の策では逆に自分の首を絞めるだけと知れ!」


{トルネード・ランス!}


「お前は俺を嘗めすぎている。その油断は足元をすくうぞ!」


白髪の男は風を固め槍状にして放つが、両手左右に魔力を集中させ左手の魔力を暴発させ方向転換を図った。そしてもう片方の手の魔力を別方向に暴発させる

回避と加速、しかしこの痛んだ身体ではかなり堪える。幾ら再生力が強くてもこれだけの損傷はキビしい


「なに!?左手の魔力で回避し更に右手の魔力で加速を図るとは……だが浅はかだ!」


{オウギュルスト・レイジングバースト!!}


白髪の男を中心に六つの巨大な輪型の物体を作り、円状に並んだ。そしてその円の中心から莫大な魔力で煉られた炎の光線が放たれる。その大きさは直径十メートル以上あり魔力を暴発させても回避は間に合わない


(このタイミングで切り札を使ってくるのか!?)


「もう逃げられまい、塵と成り果てろ!!!」


「おぉぉ!!」


当然そんな切り札の攻撃を避けられるはずも無い。俺は最後の足掻きに両手の魔力を最大限に出して魔力の膜を作るが、白髪の男の巨大な炎の光線の前には何の壁にもならず消滅し、俺もその攻撃に飲まれた。

薄れいく意識の中、俺はただ痛み以外を感じなかった






{オウギュルスト・レイジングバースト}

炎属性の上級魔法

使われている陣は八角形

刻まれているルーンは『圧縮』『整形』『複製』『円環』『集約』『超過』『高温』『放出』『拡大』の九つ。限界数も九つ

炎の魔力で煉られた六つの円形のリングを円状に並べ、その中心に莫大な炎の魔力を超高温にした状態にする。そして溜められた炎の魔力を放射し、その炎熱線は徐々に射程を拡大させていく魔法。当たったものは基本的には塵一つ残さず消滅するが、ある程度魔法能力が高く魔法の知識があれば直撃を受けても生きていられる。だがダメージは非常に高いうえに生きていても虫の息の可能性が高い、一撃必殺系の魔法としてトドメの一撃か先制攻撃としての価値が高い


創作者は魔法使いとしては優秀だが人間性の欠けていた人物。だがある時団結することの意味と力を知った彼は、炎属性のメテオ・ドラゴンとの戦いの際に自分の力をすべてそそぎ込む事で、同属性のメテオ・ドラゴンを葬った


{エナジーレイ}

光系統の初級魔法

使われている陣は円陣

刻まれているルーンは『凝固』『拡張』『集約』の三つ。限界数も三つ

自分の手に光属性の魔力を凝固さえ、それを更に拡張し集約して放つ光線系の魔法

光系統の初級魔法である『レイ』の改良版。威力の向上が図られた以外は『レイ』と大差はない



{サウザンド・エナジーレイ}

光系統の中級魔法

使われている陣は五角形

刻まれているルーンは『凝固』『拡張』『集約』『複製』『倍加』『誘導』の六つ。限界数も六つ

自分の周囲から千近くの『エナジーレイ』を放つ広範囲攻撃魔法。基本的にはエナジーレイの数が増えただけで威力の向上などは見られないが、熟練の魔法使いになると千近くの太い光線を全て操ることで驚異的な威力と戦略性をもつ上級魔法クラスとなる。また、『サウザンド・レイ』との違いはただ威力が上がっただけで大して差はない

※誘導効果は瞬時に全ての光線の目標を定めなければならないので熟練の魔法使いで無いと発動しないが、使えなくてもその数からして簡単に避けられる魔法ではない



{バーストライフル}

炎系統の中級魔法

使われている陣は五角形

刻まれているルーンは『凝固』『造形』『複製』『倍加』『燃焼』の五つ。限界数も五つ

装飾のある赤い銃を炎の魔力で作り上げて貴を攻撃する中・遠距離戦の攻撃魔法。作り上げた炎の銃からは強力な燃焼効果をもつ炎弾を大量に撃つことができる。

中・遠距離と書いてはあるが近距離でも使用できないことは無い。あまり効率がいいとはいえない。炎属性の魔法の中ではあまり強いとはいえない



{トルネードランス}

風系統の中級魔法

使われている陣は五角形

刻まれているルーンは『凝固』『造形』『鋭化』『拡散』の四つ。限界数は七つ

風属性の魔力を固め鋭い槍型の形状に変形させ投擲する攻撃魔法。投擲した風のやりは着弾後固めていた風の魔力を拡散させ敵を切り刻む。

一直線的な攻撃方法しかないため改良の余地が大いにある魔法


{ワイド・ランチャー}

強化系統の魔法

使われている陣は三角形

刻まれているルーンは『憑依』『変形』の二つ。限界数は六つ

使用している魔法の大きさを変える魔法。今回は銃口を変えただけだが用途は様々で汎用性の高い強化系の魔法

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