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世の中手続きは色々あるがどれも面倒だ

できれば矛盾点は突っ込まないでください……orz

side ディス


あの言い争い基、喧嘩は数分で決着がついた……レイエルの圧勝。しかし口ではなく実力行使の一方的な暴力で。俺の頭の中で女性が恐怖の対象になったことは言うまでもない


「これだから暴力女は嫌なんだ……」


「黙れ!!」


「ゲフッ!…ぁ……」


謎の不審者は意識を失いかけながらも毒を吐くが火に油を注ぐ結果になり、さらに鳩尾におもいっきり蹴りを入れられ意識を失う。容赦ない攻撃だ、思わず一歩下がってしまう。というか余計なこと言わなきゃいいのに……


「ふぅ、まったくこいつは……ってディスいたのか」


「……今更だ、さっきからここにいたぞ……まぁいいか、それは置いといてここはどこなんだ?」


「此処は目的地の大魔法図書館だ。あの後気絶したディスをここまで運んだんだ」


「此処が魔法図書館か……なんか埃っぽい」


本独特の微妙なにおいもさることながら、本棚には埃が溜まっているようにも見え、少し居心地が悪い


「そりゃーここが俺の仕事場だからな、散らかってるのはしょうがねーだろ!」


「チッ!……少し弱かったか、やはり一発ではなく数発はやっておくべきだった」


「……おまえ誰?」


何時の間にか変質者が復活し何事もなかったかのように仕事机の椅子に腰掛けている。レイエルは復活した変質者を見て本当に悔しそうな顔をして舌打ちをした……本当に容赦ないというか酷い扱い。目が狩人みたいに細くなっているし

だがそのせいかレイエルがこの不審者を紹介する雰囲気はない。このままだと話が進まないので一応名前を聞いておく


「あれ?名乗ってなかったっけ?」


「初対面のはずだ」


こんなぼけキャラは一回あったら忘れないはず……というより忘れる方が難しいだろう


「あっ、そうかそうか。君は初対面か、なら仕方ないな。俺の名前はキウロ・ライブラ。呼ぶときはみんなライブラって呼ぶからそう呼んでくれ」


「君は……?お前は俺を知ってるのか?」


「そりゃもちろん!俺は物知りで有名なんだ、だから君の事もよく知っている」


「……嘘臭いな」


「実際嘘だからな。何でこいつがお前の事を知ってるかということを説明すると長くなるから説明を省くが、簡単にいえば駅で出会ったウザイ奴はこいつなんだ」


「省きすぎだろ!」


「?どういうことだ?」


ライブラを観察してみるが駅構内であったあの嫌な奴とはまるで似てない。あの時声をかけてきたのは確か嫌味感じの金髪だった。しかしライブラはオレンジ髪で似ていない


「ほら見ろ、この子だってよくわかってないだろ!」


「説明するのも馬鹿らしい話だ。一々話す必要も無いし、それに話さない方が身のためだぞ」


「馬鹿らしいって……一から魔法を創るのって結構すごいことなんだけどな……しかも何で話さないほうが得なんだ?」


「それより本題だが……」


「流された!?」


「この馬鹿は放置して話を進めるぞ」


突っ込みを入れるライブラをさらに無視して話を推し進めるレイエル。俺も面倒ごとに巻き込まれたくないので無視することにした


「……わかった」


「うぅ…なんで俺ってこんな扱いなんだよ……シロも『くだらない魔法なんか創っていないで仕事しなさい』って言うし、誰も褒めてくれないなんて……」


ライブラは酷い扱いを受けたせいか仕事机の中に引きこもってしまった。小さいが泣き声の様な声も聞こえる。なんか哀れだ……


「一応確認だが魔法媒体への記録の仕方はわかるな?」


「……え?」


「なぜ驚く?まさか知らないわけではないだろ?」


「……なにかすることがあるのか?」


ズテッとこの場にいる全員が肩透かしを食らったような音がした。実際にライブラはこけていた


「……なぜ知らないんだ?」


「だから世間知らずなんだと言ったはずだ。俺が知っている情報なんて周りの人達が言っていることとか、姉さんが昔もって来た魔法の簡単な書物だけだ」


「いや、このくらいは誰でも……まぁいいか言うだけ無駄な気がするからな。私はあまり詳しくないので説明はあの馬鹿にしてもらえ。私は少し休む、後これを渡しておくぞ」


「え、ここで俺にふるのかよ!」


「アイギス……レイエルが持っててくれたのか、助かった」


説明とか色々をライブラ押し付けてレイエルは俺にアイギスを投げ部屋から出て行った


「しょうがね〜な、じゃあ説明してやるよ。まず魔法媒体に魔法を記録するには魔導書が必要なんだ」


ライブラは服の中から一冊の宝玉が散りばめられた綺麗な装飾の本を取り出す


「これが魔導書だ。この魔導書は俺が作った簡単な物だが他の魔導書と変わりはないはずだ。まぁこれは一つの例みたいなものだから本みたいな形状でなくても魔導書と呼ぶこともあるけどな。ちょっと触ってみろよ」


「なにも書いてない……だけど強い魔力を感じる」


本を開けて見てみるが、どのページも何も書かれていない白紙のページしかなかった。しかし殆どのページにはなにかの魔力を感じることが出来る


「実は魔導書っていうのは特定の条件を満たしていない人間が見ても何も見えないようになってるんだ。魔法を盗用、または悪用されないためにな」


「特定の条件?」


「ああ、その条件っていうのが重要なんだ。条件っていうのは『契約』という作業を行うということ」


「契約?」


契約……前世でなら人と人の約束の様なものだったはず。なにかすごく嫌な気がする


「契約には三つ必要な物があるんだ。魔導書・魔法媒体・契約者の三つ。特に魔力媒体は高性能じゃないと厳しいな」


「契約者は俺みたいな魔法使いのことか?」


「そうだ。基本的にはこの三つがあればいいんだが、それだけじゃ出来ないこともある。まずは相性相性っていうのは大まかに言えば魔法適性の事だ。常識だが魔法にはそれぞれ属性がある。だから当然契約できる魔導書は契約者が使える属性の魔導書しかない。例を挙げるなら火の属性が使える魔法使いは火の魔法が記されている魔導書と契約出来るが、水属性や風属性等の魔導書とは契約できない。ここまでで何か質問はあるか?」


「潜在する魔力量とかは契約に関係あるのか?」


「いい質問だ。基本的には関係ないが魔導書の種類によっては関係するものもある」


この点については俺には問題はあまりないが一応気になったので聞いてみた


「魔導書には何種類もあるのか?」


「あるぜ。属性ごとに区分され、そこから中級・上級とさらに区分されてるし、これらに属さない特殊な魔導書もあるしな。ただ初級の魔法だけは契約じゃないけどな」


「なるほど…」


「まだ相性には続きがあるんだ。普通は魔導書は一属性しかないが、たまに複数の属性が必要な魔導書もあるそういった複数の属性の魔導書のことを『多色魔導書』といって、普通の一属性しかない魔導書の事を『単色魔導書』という二つに区別している。多色魔導書と契約するには複数の属性が使えることは当然だが、優劣関係によって契約できない可能性もある」


「優劣関係って複数の属性が使えるが、その使える属性のどれかが得意になったり、不得意になったりするあれのことか?」


「それは知ってるんだな……その優劣関係だ。本来人は一つの属性以外使えないといわれているが、突然変異や様々な偶然により極まれにだが複数の属性が扱えるものが出現する。そして複数の属性が使えるならそのどちらも伸ばすことができる。だがそれは生まれつき、つまり先天性で複数の属性が使えるものだけだ。後天性で使えるようになったものはどうやっても新たに使えるようになった属性より元々使えた属性の魔法のほうが強い。この優劣の関係が契約の際、関係することもあるんだ」


「仮に火と風の多色魔導書と契約する時に属性の条件を満たしていても、どちらかの力が弱すぎたり強すぎたりして契約できない」


属性のバランスが悪いとうまく契約できないようだ。俺の場合はどうなのか……基本的には生まれつきだと思うが何かとイレギュラーな存在なので核心は出来ない


「大体はそんな感じだな。そして次に好き嫌いの問題がある」


「…はぁ?」


「魔導書にはそれぞれ創った人物が書き込んだ人工的な人格が存在していて、それがどういうわけか好き嫌いで契約できるかどうかを決めるんだ」


「昔の人は随分面倒なことをしたんだな。好き嫌いで選ぶなんてどうかしてる」


「それが一概に悪いとは言えないんだ。もし人間性を確認せずに魔導書と契約させてそいつが悪事を働いたら困るだろ?」


「まぁ、確かに……」


「昔は今と違って誰でも魔法が使えるわけじゃなかったから、魔法が使えるものが犯罪を起こしたら大変だったみたいだからな。魔法を犯罪で使われないようにと願いをこめて人格を書き込んだんだろ。特に上級魔法は使えるものは少なかったが、その分威力は絶大で物によれば大陸を破壊するものもあったらしいからな」


「過去の経験が今も生かされているんだな」


「ああ、……おっと話が逸れたな。今までの説明で契約に必要な条件の全て話したぜ、何か質問は?」


「…ないな、続きを教えてくれ。」


「よし、物覚えがいい奴は好きだ。次は契約を成功させるための『儀式』について話すか」


「契約できるまでどれだけ掛かるんだ……」


今までの話の内容だけでも面倒に感じるのに、まだあるとかどれだけ面倒くさいのか


「面倒くさいけど我慢しろよ。儀式は結構シンプルだから問題ないさ。儀式は魔導書に書き込まれた人格がだしてくる試練をクリアすればいいだけだ。」


「試練?」


「そうだ。試練って一言で言ってもたくさんある力を計ったり、頭脳力を測ったりと色々とな。面白いもので一分間でどれだけパンを食えるかなんてものもあるぞ」


「いったい何の属性の魔導書なんだよ…」


「全部が全部厳しいって訳じゃないさ。まぁ後は細かい作業があるが魔導書との契約についてはこんな感じだな」


「全体的に面倒くさい……やる気がどんどん減っていく」


「それは言うなよ。みんな内心で思ってても言わないんだから」


面倒だと思ってるなら誰かが廃止すればいいことなのに……伝統というやつは本当に面倒だ


「それより聞きたいことがあるんだがいいか?」


「なんだ?なにかわからない事があるのか?」


「魔導書の契約って誰でもできるのか、許可は必要?」


これは絶対に知っておかないといけない。もし手続きが掛かるなら俺は契約はできない。なぜなら俺はこの世に存在していない事になっているからだ。実際には存在しているが恐らく登録されていない


「本来は国に許可の申請をして、許可が下りるまで待つが…もし君が契約したいなら今日でもいいぜ。」


「国に無断でやっていいのか?」


「普通は駄目だ。だが俺は此処の市所長であると同時に司書長でもあるからな。特別に許可が出せるんだよ」


「……お前偉かったんだな」


今までこいつの酷い扱いを見てからだと誰も信じないと思う


「ま、まぁそうだろうな。レイエルの扱い酷いし……あいつは昔から一緒に育ってたんだ、あの事件があるまでは……だけどな」


そういうライブラの顔は悲痛というか悔しそうな顔になっている


「……なにがあったんだ?」


「……ん、いや、人の過去をバラすのはあまり良くない。だから今の話は聞かなかったことにしてくれ」


たぶん聞いては駄目なんだろうと直感する。誰しも聞かれたら嫌なことはある


「…ところで聞きたいことあるんだけどいいか?」


話の趣旨を変えるためかライブラが話題を切り出す


「なんだ?」


「お前ハーフだろ?」


「……」


この部屋に気まずい空気が流れる。俺は無言でライブラは見定めるような目つきで見てきた


(なんでこんなにバレるんだろうな……そんなにわかりやすい格好でも無いのに。でもどうするかなアイギスは手元にあるが初級程度の魔法ではこいつは倒せない。口を塞ぐのは無理か。)


仮にも司書長だ。それなりに鍛えているだろうし抵抗の手段も幾つもある。挑んでも返り討ちに合うか相打ちぐらい精一杯だ

ついでに言えばカバンが外されている、尻尾が丸見えだ


「それがどうした?国にでも通報するのか?」


「そんなに警戒するなよ。別に通報もしないし、ちょっと新作の魔法実験に付き合ってもらっただけだから」


「実験?」


「そうそう、実験。お前の尻尾が人に見えなくなるする魔法なんだ。正確には透明にする魔法の応用なんだけどな」


「……普通に尻尾は見えるぞ?」


自分の尻尾を動かして自分の目のま前まで持ってくるが、いつもどおりの毛並みが立派な尻尾があるだけで普段と何も変わらない


「使用者の俺とかけられているお前には見えるんだ。その証拠にレイエルには見えてなかっただろ」


「確かに……そうだが」


もし見えていたならどうなっていたかは想像したくもないことになっていただろう。レイエルが魔族嫌いだった場合の話だが


「感謝ぐらいはしてくれよ。最初に気づいたのが俺でよかったけどもし街の警備に来ていた奴に気づかれたら大変だったんだからな」


「お前が通報してないとは限らないこの状況で礼が言えるか。もしかしたら油断させる作戦の可能性だってある」


「お、おい!俺がそんなことする奴に見えるか?少しは信用しろよ……」


「……見えない、だが俺はこの外見で、ハーフということで迫害を受けている。信じろというのが無理な話だ。お前だって魔族やハーフに対する扱いぐらいは知っているだろ?」


「……そりゃ…まぁ。俺も大人だからな。ハーフに対する扱いが厳しいぐらいは知ってるつもりだけどよ。」


「なら軽々しく信じろなんていうな。殺すか殺されるか……俺にはその二つしかないんだ」


俺はそれだけ言い残して部屋を出ていく







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