新発見!
調子にのって二話連続投稿!
今週というかまたしばらく投稿できそうにないです
side ディス
「あの喫茶店の料理はどうだった?」
「かなり美味かったな。喫茶店にしておくには惜しいぐらいに。」
「ハハハ!いくら何でもそれは大げさだぞ。」
「そうか?」
料理なんか食ったことが無い俺からしたら、殆どの料理が美味しかった。前世はジャンクフードとかばっかで料理を食わなかったせいだろうか。
食事も終わった俺達は今日泊まる宿を探すために『商業区』にある宿が密集している街を歩く。辺りは派手な照明などがついた色取り取りの光を放つ宿がたくさんあり、歩いている人達は冒険者や一般の家族旅行客等たくさんの人達がいた。子供があんまりいないのはもう日が暮れ夜になったからだろう。
「しかし此処は鬱陶しいぐらい眩しいな…。」
「そうだな。もうちょっと光量を下げてほしいものだ。」
魔力を使って発光するタイプの照明は光が強いので調節するのが普通だが、客引きを狙ってか態と強く発光させている宿が多い。
「泊まるなら派手じゃない感じの場所の宿がいいよな。」
「そんな所あったか?」
「あそこ辺りはそんな感じじゃないか?」
「どこだ?私には暗くてまったく見えないが…?」
俺は此処から一キロぐらい先の光が少ない所を指差す。だがレイエルには見えないらしい。光が強くて遠くが見えにくいようだ
「もうすこし歩けば見えてくると思うけど…。」
「そうか、なら今日の泊まる所はその辺りの宿にしよう。」
しばらく黙々と歩いていくと、周りの証明の光が少なくなってきている場所に着いた
「ここら辺は静かで落ち着いた場所だな。」
「レイエル、この宿なんかいいんじゃないか?」
木造で少々小さい二階建ての宿だが落ち着いていて、静かに休むにはいい感じだ
「よし、ここにするか。」
「ああ。」
俺達はこの小さめの宿に本日宿泊することにした
宿のドアを開ける
「いらっしゃい、宿泊かい?なら一部屋一泊銀貨十五枚だよ。」
宿にいたのは恰幅のある肝っ玉母さんの様なおばさんだった
「二部屋分空いてるか?」
「空いてるけど…料金が高くなるよ?」
「そうだぞディス。私は同じ部屋でも全然気にしない。」
「何回か言った気がするけど俺は一人のほうが落ち着く。」
俺は宿のおばさんに銀貨二部屋分である銀貨三十枚を手渡す
「毎度あり!時間が遅いから夕食は別料金になっちゃうけど食べるかい?」
「もう済ませてあるから別にいい。レイエル、俺は先に部屋に行く。」
「はぁ…ディスはもう少し人付き合いとか気にしたほうがいいと思うぞ。」
「…善処する。」
「あっ!部屋は二階の突き当たりの四号室だからね!」
「わかった。」
宿泊場所である二階へと上がり、突き当りの部屋に入る
「…人付き合いか。今も昔も面倒以外の何ものでもない。」
〔キュー!〕
「お前は起きて早々人を噛むな。」
今まで肩の上で熟睡していたクーがいきなり起きて噛み付いてきた
〔キュ!キューキュー!〕
「はぁ?お前は別だ。俺はお前と一緒にいるのは苦痛じゃない。」
クーの言葉を訳すと”私と一緒にいるのも面倒なんですか!?”みたいな感じ。さっきの人付き合いが面倒だと言ったのを聞いて勘違いしたようだ
〔キュ…〕
「噛んだぐらいで一々落ち込むな。」
噛んだ事を気にしてるのか頭を伏せてうなだれている。
俺は励ましの意味もこめて頭を撫でてやる。するとクーはまた寝てしまった。どれだけ寝るんだ?
「俺も寝るかな。」
帽子と目に巻いている服の切れ端とローブを脱ぐ。
獣の尻尾と耳が露になる
「そういえば寝る前ぐらいにはコンタクトを外さなきゃ駄目だったか。それに予備は後一組しかないし注意しないとな…。」
左目のコンタクトをケースにしまう。ケースの中には今しまったコンタクトともう一つ予備で一組入ってるので後一回コンタクトが破損しても代えはきく。だが戦闘の度に壊れていたら予備が一組では心もとない
「明日暇があれば買いに行くか…な…。」
そのままベッドの中に倒れこみ眠ってしまった
「ふぁ〜。今日はよく眠れたほうかな。」
まだ朝日が殆ど顔を出してないこの時間帯に俺は目が覚めた。
「クーはまだ寝てるか。まだ少し早いけど筋トレでもするかな。」
俺の隣で丸まって寝ているクーを置いて、俺は尻尾と耳をいつもの格好で隠し宿の裏口から出て行く。
(どんな筋トレをしようか…走りこみは体力は上がるが今の俺にそこまで体力は必要としないし、かといって魔法制御のために魔法の練習をしようにもそんなスペースが何処にあるか俺にはわからないしな。)
今いるのは宿の裏口にある庭のようなところ。周りには少しの雑草が生えただけの何も無いところだが、魔法をぶっ放すには狭すぎる。
「仕方ない、やることもないし今日は少しチャレンジしてみるか。」
右手に火属性の魔力でできた塊を、左手には水属性の魔力でできた塊を創りだす
「ここまではできる…今日は次のステップに進むか。……!」
右手の火属性の塊には相性の悪い氷の魔力を混合させ、左手の水属性の魔力には炎属性の魔力を混合させる。
それぞれの魔力の塊はオレンジ色と青色が、水色と赤色が互いに反発しあうようにうねりあっている。
「くぅぅ!」
相性の悪い魔力同士を混ぜ合わせることは魔法使いにとって禁じ手だ。相性が悪い魔力同士はどちらかが消滅するかもしくは互いの魔力が混ざり合い大爆発を引き起こす可能性がある。
だが俺はこの事にある考えを持った。もし俺の考えが当たっていれば誰も使ったことの無い新たな魔法体系を創り出せる。
(あと少しで成功する…頼む!あと少しだけこの形状を保ってくれ!!)
もう少しで俺が考えた理想の魔力量にすることができるが、両手の魔力の塊は最初の球体からぐにゃぐにゃしたスライムの様な形になっている。
そして魔力の塊は目も眩むほどの眩い光を発生させた
「……失敗か?」
左手の眩い光が収まるとそこには魔力の塊は消滅していた。右手はまだ輝いている。
だんだんと右手の光が収まっていく
「これは…いったい?」
右手にあったのは火の魔力でも、氷の魔力でもなく、正体不明の藍色の魔力球らしきものがあった。
「一応チャレンジ自体は成功したのか。俺の考えは合ってたのかな。よくわからないけど。」
俺の考えは相性の悪い魔力を混ぜ合わせた時に消滅したり爆発する理由は互いの魔法に使用した魔力量のせいだと思っている。使われている魔力量の差が大きい場合は片方がもう片方の力を完全に凌駕し、消滅させる。逆に差がほぼ無い状態では魔法が暴走し爆発してしまう。
だがこの魔力量を寸分違わず拮抗させた場合はどうなるか。消滅も爆発もせずに混ざり合うんじゃないか。そう考えた。そして結果はこの右手にある藍色の魔力球。
(どんな性質の魔力なんだ?色からはあまり想像できないな。)
俺は適当な小石にぶつけてみる。魔力球は小石にあたると小石の周辺を青色の炎が包む。
「青色の炎?」
青色の炎は普通の赤色の炎より温度が高い…だgそれは前世の世界の話なのでこの世界ではどうなんだろうか
「……消えたな。」
青色の炎はしばらくすると燃え尽きたように消えた。だが小石とその周辺は焦げて黒くなるどころか白くなっている
「失敗したか確認するか…っ!?」
俺は小石に触れた瞬間驚いて手を引っ込める。
(どういうことだ?この小石…熱いどころか冷たい。しかも俺の指が一瞬で凍傷と同じ状態になった。あの炎は燃やすのではなく凍らせたのか?)
空気が0度以下になった時発生する霜によって物質とかは白く見える。もし0度以下の状態になっているなら小石やその周りが白くなるのは説明がつく。だが一瞬触っただけで凍傷と同じ状態になるには極低温に近いかそれ以下の温度であるということだ。
(藍色の炎は絶対零度の炎ということか…普通の氷属性の魔力でも取り扱いが難しいっていうのにな。それにこの炎に触れたら細胞も壊死してしまうし俺の再生能力も役に立たないかもしれない。これは気をつけて使わないとマジで大変なことになる…。)
「今日はこれくらいでいいか。そろそろこの街の人達も起きてしまうしな。」
俺は宿に戻り、レイエルが起きるまで時間を潰すことにした
青色の炎って温度高いって書いてあったけど普通のオレンジ色の炎とかは何度ぐらいなんですかね?
化学の知識にはものすごい疎いもので…もし間違ってたら大目に見てください!