予想外な風景だ・・・
更新久々。
なんで最近こんなに忙しいんだろ?
忌引きで休んでいた期間中のノートの写しとか提出物が溜まりまくってる…全然終わらな~い(泣)
しかもそろそろテストがある。二連続で。
もう笑うしかねぇや!ハハハハハ!!!!!
愚痴すいませんでした…。
side ディス
「…変わった所だな。」
地下から出できた俺の第一声はこれ。
俺が驚いた理由は上を見上げたら文字みたいなのが空中で動いていて、そこかしこで膨大な魔力を感じることができたから。しかも道行く人の殆どが杖や手袋等の魔法媒体を着けている。
そこらへんで遊んでいる俺より小さな子も杖を使って小さな水玉を浮かして遊んでいた
(魔法って結構才能いると思うんだけどな…この国じゃあんなに小さい子でも魔法が使えるのか。)
「ギルドはどこにあるんだ?」
「ちょっと待て。確か此処が南門近くの場所だから…城の方に向かえばいい筈だ。」
「城?…マジか。」
レイエルの指差す方向には巨大で異様な城があった。その外見は一言で表すなら恐怖。それをそのまま城にしたような感じ。
城の周りにはたぶん『ルーン』が円を描くように回っていて、城自体も妙な雰囲気が漂い、刺々しい雰囲気なので魔法使いが住みそうなというより悪魔がいそうな感じがする城だ。
「悪魔の城かなんかか、あれ?」
(本当に御伽噺に出てきそうな気味悪い城だな。)
俺はギルドに向かいながらレイエルにこの国の事を聞いてみる
「まぁ、あの王城に住んでいる王族は威厳を大事にしているから、人々を威圧するためにあんな感じの城にしたらしい。だがあの城の外見とは逆にこの国を築いた初代ハレス王は誰よりも人々に優しく、人々を守るために戦った英雄だそうだ。」
「へー。」
レイエルの言い方だと人以外には容赦なさそうである。というか初代と現在で思想がぜんぜん違うけど大丈夫なのか?人々を守ろうとする初代に比べ、今の王は人々の平和より威厳や地位を気にしているようだ。
「しかし魔物や魔族なんかには非情で残忍らしい。まぁ、あくまで伝承の類だがな。」
(やっぱりそんなオチなのか…。この世界では俺みたいなのは生き辛いよな。)
「じゃああの城の周りを回っている『ルーン』はなんなんだ?」
城の周りを一定の速度で回っている『ルーン』を指差しレイエルに尋ねてみる
「あの『ルーン』は城に防御結界を張るための物だ。城の結界は最上級魔法を数回は防ぐことも可能らしい。試した奴なんかいないがな。」
「じゃあこの空中にある『ルーン』も防御結界を張るための物?」
「そうだ。あの結界があるからこそこの国は外敵から攻められる事はないし、難攻不落の平和な国なんだ。」
(これだけ巨大な結界系の防御魔法を展開するには膨大な魔力と巨大な宝玉、または魔玉がいるな。それでこの国の数ヶ所から馬鹿でかい魔力を感じるわけか。俺の足元にも及ばないが。)
幾らすごい魔力量だろうと魔力∞にとっては虫けら同然だ。
「それにしてもディスは勉強熱心なんだな。」
「ん?なにがだ?」
「初見であれを『ルーン』だと認識できる奴はそういない。魔法使いでも魔法の『ルーン』の配列を覚えている者は多いが、『ルーン』の形自体を覚えてる者は少ないからな。」
「そうなのか?『ルーン』は小さい頃から見て覚えてたし、そんなにすごいことでもないぞ。」
「最近の魔法使いは魔法を使うばかりで、創ったり改良する奴は少ないんだ。昔ほど魔法能力が高い奴はそういないしな。」
魔法の改良や創造なんて魔力無いとできないのでそう簡単に創れるやつはいないそうだ
「レイエルはこの国の事をよく知ってるんだな。」
「この国には旧友がいるんだ。そいつがよくこの国について耳にたこができるぐらい話してくるのが悪い癖だったんだが、そのお陰で私もこの国のことに詳しくなれたんだがな。」
レイエルは疲れたような呆れたような複雑な顔になっていく。その旧友に対して感謝してるのかウザイと思っているのかよくわからない顔だ
(レイエルのこの顔からして絶対この話は深く突っ込んではいけない・・・突っ込んだら面倒な上に疲れるような、そんな感じがする!というか絶対面倒な事になる!!)
「レイエルきk「それでそいつ名前はライブラっていうんだが、いつもな・・・・・」遅かったか…。」
俺は話を変えようとしたが、時既に遅くレイエルの話というか長い愚痴が始まってしまった
「そしてこの国…はっていつの間にかギルドに着いてたか。」
「…ああ、みたいだな。」
俺はレイエルの話を聞いてかなり疲れた。レイエルの話というか愚痴長い…。
「ん、どうしたディス。疲れたのか?」
「…ちょっとな。」
レイエルの愚痴が多いせいだがもう文句を言う気力すら無い
「仕方ないな。報酬は私が変わりに受け取ってくるからそこの喫茶店で休んでろ。後報酬の受け取りに冒険者カードが必要だから貸してくれ。」
「…わかった。俺はそこの喫茶店でゆっくりしてるな。」
俺はレイエルにカードを渡し、ギルド横にある小さな喫茶店の中に入る
「いらっしゃいませ!お好きな席へどうぞ!!」
適当な4人席に座り顎をテーブルに付けだれてみる
「他人の愚痴話聞くのってマジで疲れるんだな…。なぁクー。」
〔キュー?〕
クーに同意を求めるが今の今まで寝ていた奴にわかるわけも無く、案の定首を傾けられた
「はぁ、本当に癒しがほしい。」
「あんまりため息つくと幸せが逃げるぞ?」
「…レイエルか、気配を消して背後に立たないでくれ。」
いつの間にか背後にいたレイエルが俺の肩を掴んで呆れていた
「すまん、つい無防備な背後を見るとな。」
「…性格悪いぞお前。」
「ははは、そう怒るな。ほら、これが報酬の半分だ。」
ジャラっと音がするぐらいどっしりとした巾着を渡された
「助かる。でも半分でいいのか?元はお前の依頼だろ?」
「私は一回も戦闘してないし、ただ依頼人と仲良くしてただけだ。むしろその報酬でも少ないと思うな。」
「じゃあ、ありがたく貰っておく。」
「それよりディスはこれからどうするんだ?」
「この後は予定どおり魔法を記録させる為に…どこいくんだっけ?」
「はぁ、場所わからないくせによく来たな。」
「うっ!初めてだから仕方ないだろ!」
「まったくお前は本当に変な奴だな。」
「うるさい!…レイエルはこれからどうするんだよ。」
「私はさっき言ってた旧友に会いに行く。後は…まぁ色々だ。」
(色々って言われると逆に気になるな。)
「しかし私の冒険者としての勘も鈍ったかな。」
「いきなりなんだよ。」
ランクAの冒険者が弱音を吐くのはなかなか見られるものではない
「…今回私は妙な胸騒ぎがするからお前を誘ったんだ。だが依頼は簡単に成功し、ディスも私も大きな怪我も負っていない。」
「俺は目を斬られたんだが?」
本当は斬れてないが、右目に巻いた布を指差す
「嘘つくなよ。本当は斬れてないんだろ、その右目。」
「っ!バレてたか。」
「当たり前だ。お前がその布つけてから数時間たっているのに布には血がまるで滲んでないじゃないか。」
(こんなに簡単にバレるとは思わなかったな。理由聞かれたらどうするか。魔族の証である右目を隠してるなんて言えないし…。レイエルには感謝してるが、もし理由を聞くようなら…。)
バレないよう密かにアイギスに高魔力を圧縮し氷の宝玉内にとどめる。このぐらいの魔力量があればこの店を全体凍らせることができる
バレたら間違いなくひどい目に会うのがわかる。たとえハーフといっても扱いは魔族と大差ない。見つかれば容赦なく牢獄行き確定だ
「ディスがなぜ目を隠しているのかは知らないが、理由は聞かないから安心しろ。誰だって言えない事ぐらいある。」
「…。」
俺は溜めていた左手の魔力を霧散させる
「さて、そろそろ私は旧友に会いに行く。ディスも来るか?」
「なぜ?」
「ディスが行きたい大魔法図書館の司書長が私の旧友なんだ。行き先は同じだし、ディスはこの国は初めてみたいだから案内も兼ねてどうだ?」
「じゃあ同行させてくれ。」
「ああ。だがその前に食事をとろうか。少し時間が経ってるが大体良い時間帯だしな。」
「今すぐ行かないか?俺は早めに魔法を…」
グー
「……。」
「どうやらディスのおなかは正直みたいだな。」
(空気読めよ俺の腹!!)
羞恥心のせいか顔がドンドン熱くなっていくのを感じる
「それに今からあそこへ行ったら夜になってしまうし、なら明日の早朝から向かったほうがいいだろ」
「…わかったよ。」
結局空腹に勝てなかったので俺とレイエルは微妙な時間帯での食事をすることになった