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番外編 とある姉の憂鬱な日々

今回はアリア視点の話です!


昼ドラな雰囲気が漂う話で、正直面白くないかもしれません。

side アリア

「はぁ。」


私の口からため息が漏れる


「ディスがいなくなってもう何日なんだろう?」


「アリア?誰なのそのディスって?」


親友であるティアに聞かれる。同じ年なのに私と違って大きく育った胸が特徴の綺麗な女の子なんだけど性格が少し子供っぽいんだよね・・・。


「・・・私の妹。何日か前からどこかへいっちゃったんだ。」


「家出?ていうかアリアの妹ってエルスちゃんでしょ?ちゃんといるじゃない。」


ティアは私に妹が二人いるのを知らないんだった


「・・・そっか、そうだね。私の妹はちゃんといるよね。」


「どうしたの?つらそうな顔して?」


「・・・ううん。なんでもない。今の言葉は忘れて。」


「?変なの~。でもアリアは悩みが多いよね。お姉さんがあのスプリム学院へ行っちゃうんだから。」


スプリム学院、首都ハレスに存在するクラミュス大陸一の名門魔法学院。15歳から入れる高等部と卒業した後に入れる大学部がある学院。

この学院を卒業した人たちは大体が歴史に名を残すようなことをしていることで有名だ。もちろんいい意味もあれば悪い意味でもある。

当然のようだが合格率はかなり低く、入学するのがとても難しい。だから今も必死に勉強しなきゃいけないんだけどディスのことで頭が一杯で勉強に手が回らない。


「それもあるんだけどね・・・。」


「アリア!入るぞ!」


ガチャ


部屋の扉が開かれお父様が入ってくる。いや、こんな奴はお父様なんかじゃない。こんな奴なんか・・・・!


「あれ?ティアちゃん来てたんだ?」


「はい!お邪魔しております!」


「・・・何か用ですか?お父様?」


私の声は不機嫌さを隠さなかった。


「そんなに怒らなくてもいいじゃないか?・・・まぁいいか。勉強は進んでいるかい?」


「・・・進んでいます。ですから邪魔をしないでください。」


「そ、そうかい。なら僕はこれで・・・。」


あいつはそそくさと扉から出て行く


「アリアってなんであんなにお父さんが嫌いなの?」


「・・・別に。ただ私はあの貴族主義のような考え方がムカつくのよ。」


「まぁ確かに由緒正しいという厳しいというか固いイメージはあるけどさ。もしかしてだけど、アリアって思春期?」


ティアは少しからかう様に聞いてくる


「・・・私飲み物とって来る。」


私は質問に答えづらくなったので適当な理由をつけて部屋を出てリビングへと向かう。

リビングには大きな絵が飾られている。絵にはこの大陸の首都ハレスにいる王族の先祖、かつて英雄といわれていた人物が魔族を刺し殺し戦っている図が描かれている。


「趣味悪いのよ・・・。」


普通に考えてもリビングにこんな絵があったら気味が悪い。しかも絵の額縁にはこの国の言葉でこう書かれている。


『魔族の血を根絶やしにしろ!!』


「っ・・・・!」


この言葉を見て私は拳を力いっぱい閉める。この言葉は魔族を殺せといっている。あの子、ディスさえも殺すべきだという意味の残虐な言葉。


(なんでディスを殺せって言うの!あの子は何もしてないのに!!)


始めてあった時の印象はものすごく可愛い子。その容姿や身体つきに動物のような耳と尻尾は保護欲を掻き立てられるようでとても可憐だった。

でも自分を俺っていってどこか男っぽい感じの性格。

ディスと会って話した回数はそう多くは無かったけど、あの子と会っている時間は楽しかった。だからディスを殺せ、死ねっていう親の考えは信じられないものだった。


「アリア?何してるの?」


私が思案しているとお母様が話しかけてきた


「飲み物を取りに来ただけですよ。お母様。」


「そう・・・あなたはその絵が嫌いなようね?」


「ええ、だいっ嫌いですよ!こんな絵!」


私はつい声を荒げてしまう


「この絵はお父様が選ばれたとても良い絵じゃない?なにが気に入らないの?」


「これのどこが良いのですか!?この絵はディスを否定しているのですよ!?」


「・・・誰のことかしら?そのディスっていうのは?」


お母様は

その言葉に私の頭に血が上り、お母様の胸倉を掴んだ


「あなたの娘ですよ!!そして私の妹でもある!!なぜあの子を否定するのですか!?」


「あの子の名前を出さないで!!」


バチンッ!


私は思いっきり平手打ちを食らい、地面に倒れる


「あの子はいないのよ!!いてはならないの!!」


「だから否定するのですか!?自分の娘じゃないと!魔族の血を引く、たったそれだけの理由で!!」


「そうよ!それだけで十分じゃない!!」


「あなたは!ディスがどれだけ苦しんでいるか考えたことがあるのですか!?」


「そんなこと興味ないわ!あの子は苦しんで死んでいけばいいのよ!それがあの子にできる唯一の親孝行よ!!」


「それでも親ですか!?」


「なにしてるんだ!?」


私達が言い争っている音を聞いて家にいる人たちが降りてくる


「アリア!落ち着きなさいって!」


「ティア離して!!」


「君も落ち着くんだ!」


「だってあの子がっ!!」


「お姉様もお母様も落ち着いて!」


「二人ともやめてよー!うわぁぁぁん!!」


弟であるグラハムが止めに入ってくる。妹のエルスはよくわからず泣いている


「とにかくアリアは部屋にいったん行こう?ねっ!」


「・・・わかった。」


私は何とかお母様に向けた怒りを抑えティアとグラハムとエルスと一緒に部屋に向かった







「どうしたのですか、お姉様?」


「・・・グラハムにはいえないことよ。私はいいからエルスと一緒に部屋を出て行きなさい。」


「し、しかs「いいから出て行きなさい!」っは、はい!」


グラハムとエルスは怯えながら部屋を出て行く


「・・・アリア、本当にどうしたの?あなた変よ?」


「・・・ティアには言ってもいいかもね。」


私はティアに話した。本当は私にはもう一人妹がいること、その妹は親に拒絶され一人で生きていること、そして今は行方不明になっていること。ハーフだってことは黙っておく。ティアはそんなことで偏見は持たないだろうけど一応黙っといた。


「・・・可哀想ね。でもなんでお母さんはその子を否定するのかな?」


「理由はあるんだけどくだらない事よ。」


「・・・そうなんだ。会えるといいね。その子に。」


「うん。早く会いたいよ。」




そしてこの騒動の二日後に送られてきたレイミィ姉さんからの手紙には驚きの事実が書かれていた








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