卵・・・目玉焼きは駄目かな?
今回からディスの旅の同伴者が出てきまーす!人じゃないけどね・・・
後、能力についてはよくわからないと思いますが、無敵だとでも解釈してください。
side ディス
俺はボスを殺した(正確には殺されるのを見届けた)ので洞窟の外に出た
「やっと終わったな。」
「そうだな~。日の光がまぶしい!」
「そうか?俺はそうでもない・・・が。」
「どうした?って隠すの忘れてたな。」
少年の頭の上にはクリスタルのように綺麗な角が一本生えていて、両目は血のように真っ赤だった。
「・・・お前魔族か?」
魔族の特徴は種族によって色々と違うが共通するものもある。それは目の色。魔族は両目とも目が血のように赤いのが代表的な特徴だ。ついでに言うならハーフは片目が赤色でクォーターからは赤色が完全になくなるらしい。
話は戻るがこの少年、いや魔族なら外見が小さくても少年とは限らないが、少年は両目とも赤色で頭に角がある。あの角がどの種族を表すのかはわからないが、恐らく上位の存在だろう。
「ま〜ね。どうする、国にでも通報するか?」
少年?は余裕そうにニタニタと笑っている
「・・・やめておく。通報したところで意味がなさそうだからな。」
大陸内で魔族がいるのは大問題だがバレなきゃ問題ないし、何より国に通報でもして俺の存在がバレたらこっちの人生が終わる。
「変わった奴だな〜。普通は叫びながら逃げまどうか、命乞いぐらいするんだけどな。」
「俺はそこまで弱くない。」
「ほ~、えらく強気じゃないか?・・・低級のドラゴンを狩ったぐらいで調子に乗ると痛い目にあうぜ?」
少年?は先ほどの軽い空気から一変して殺気を飛ばしてきた
「かもしれないな。俺はまだ魔法もあまり使えないし身体能力でもお前より劣っているだろう。ただ・・」
「ただ・・・?」
「俺には切り札がある。」
正直身体能力で勝てないのは絶望的だ。俺の魔法媒体は初級魔法しか放てないし、改良を施した魔法でもせいぜい怪我を負わせるぐらいの威力しかない。
しかし俺には誰も抗うことすらできないある能力がある。・・・代償はあるがな。
「是非見てみたいけどそんなに豪語されちゃ俺も無事ではすまなそうだしな・・・今回は忠告だけにしとくさ。」
「そうか・・・ところでお前の名前は?」
タイミングが悪くてずっと言い出せなかった
「リオンだ。家名の方は言わないでおくよ。種族がばれるし面倒なことになるしな。」
「俺はディスペイア。俺も家名は言わない。そして・・・・これが俺の正体だ。」
俺はフード部分を首元まで下げ素顔を見せる。
別に魔族に見せたとしても問題は少ない。魔族ではハーフに対する差別や偏見が基本少ないからだ。
「・・・なるほどそれでその年でドラゴンを倒せたわけか。にしても右目はわかるが左目が青いってのはおかしいな。」
「左目は色々と事情があるんだ。」
「ふーん。でもその目がスレイヒム教の奴らに見つかったらやばいな。」
「スレイヒム教?」
何かの宗教団体のような響きだ
「知らないのか?人間が作り出した宗教だよ。俺やお前みたいなハーフを神が見捨てた生き物とかほざいているうざったい連中がいるところだ。」
レインは腹立たしそうにスレイヒム教の事を話す
「・・・コカーク大陸の宗教の事か?」
「ああ、たしかそこが拠点だったな。」
コカーク大陸の宗教は名前は知らないが行われている事は現代の宗教と変わらず神を崇め、信仰する事だ。だがそれ以外のことはあまり知らない。しかし裏では魔女狩りの様な事が行われている可能性も否定できない
「スレイヒム教の奴等は魔族の事を毛嫌いしてやがるせいか、くだらないことまで気にする傾向があるからな〜。・・・スレイヒムの奴等にはその目を見せない方がいいぜ。」
(確かに宗教どうりなら俺は神と魔族の両方の色を持つ目だ。間違いなく狙われし、最悪目をえぐり出されるかもしれない・・・)
「気をつけるとしよう。・・・じゃあ俺はそろそろ村に行く。」
「まぁ待てよ。少し俺に付き合え。」
リオンは俺の腕を掴み何処かへ連れて行こうとする。
「・・・何処に行くんだ?」
「墓作りだ。・・・お前が殺したドラゴン達のな。」
「・・・わかった。」
罪悪感を抱えながら俺はドラゴン達の亡骸がある場所へと進む
「ここか・・・。」
「ああ。」
亡骸は荒らされもせずにそのままの状態だった
「じゃあまずは・・・・・あったあった。」
「・・・なにしてる?」
リオンは亡骸のドラゴンの腹を切り開き中から何かを取り出した
「卵を回収してんだよ。このまま体内に放置してたら死んじまうしな。」
「・・・まだあったのか。」
「ドラゴンってのは用心深いからな。一匹目が孵ってから二匹目の卵を体外に出すんだ。だから一匹目に何かが起こった場合そのまま体外に出されない場合も多々あるのさ。」
「変わった習性だな。」
「そう言うなって!ほれ、この卵はお前にやるよ。」
「おっとと・・・いいのか?」
投げられた卵の大きさは直径四十センチぐらいの大きさだった。
「本来は俺が持ち帰るんだが生憎と俺はペットを飼う趣味はないんでね。それに・・・」
「それに?」
「ドラゴンの卵は必ずしも同じ種類のドラゴンが生まれるとは限らない。色々な考えがあるが一番有力な説は生まれる直前の母体内で母体となるドラゴンの魔力を吸収することでそのドラゴンは母体と同じ種類のドラゴンになるそうだ。だからもしお前のような半端者の魔力を注いだらどうなるか見てみたいんだよ。」
くくくとリオンはニヤニヤと厭らしい感じの笑みを浮かべる
「趣味の悪い奴だ。・・・だが面白そうではあるな。」
俺は卵に莫大な量の多種多様な魔力を流し込む。卵は、オレンジ、水色、緑、茶、赤、青、黄、白、黒と順番に輝いていく。
「・・・おいおい全属性って嘘だろ?」
「・・・ついでにもう一つオマケをつけといてやる。くっ!!」
右目の力を解放し、『終末の現実』を発動させる。発動と同時に俺の両目は赤色に染まり怪しい紋様を目に映し出し、顔に赤色のタトゥが出現した。
この力は俺の魔族としての力、その一端だ。この目を発動している間、世界は俺の意のままとなる。俺が終わりの言葉を継げたときそれが如何なるものであろうとも全てを終わらせることができる。岩も人もドラゴンでもどんな生物の命や存在さえも。
そして人の意思でさえ終わらせることができる。当然のようだが代償は滅茶苦茶大きい。
ピキピキっ!
卵は最後に黒く輝きひびが入る
「・・・生まれるみたいだな。」
「・・・どんなのが出るのか予想がつかねぇな。」
パキィィィィィン
「「えっ!?」」
俺とリオンの驚きの声が重なる。それもそのはず生まれたのは・・・
「ちっさ!」
「・・・本当に予想外だ。」
生まれたのはドラゴンだった・・・ハムスターサイズでしかもぬいぐるみのようなデザインの。生まれたてでまだ寝てるけど。
「でも俺にそっくりな部分もあるんだな。」
目は瞑って寝ているから目の色はわからないが、紫に近い色の鬣、それに狐のように尖った耳と綺麗なルビーのような角が一本生えていた。身体は赤色に近く、小さな翼は完全な赤色。腕や足はまだ筋肉があまりついてない。ついでに尻尾もあったがこれは俺の尻尾がそのまま小さくなったような感じで小指サイズだった。・・・何この生き物?
「・・・これはドラゴンか動物かよくわからないな。」
「一応ドラゴンだろ?新種だけど・・・。」
「マジか・・・。けどいいか。」
新種のほうがドラゴンとばれない可能性が高いしな
「ついでにこれやるよ。道中で貰った物だが俺には必要ないしな。」
渡されたのは魔女が被ってそうな三角形の帽子と何かのケース。
「このケースは?」
「魔力制御が不安定な赤ん坊の時期につけるコンタクトレンズだよ。着色されてるから目の色でハーフだとバレないハズだ。」
「・・・そんな便利なものがあったのか。」
「長時間の着用は無理だぜ。それは許容限界があるからな。おまえの魔力量なら一日中つけてたら粉々に砕けるぞ。」
「なんだと?・・・なら寝る前ぐらいははずしとくか。ところでお前はこれからどうするんだ?」
「俺か?・・・用件も終わったし墓を作ったらまた旅にでも出るさ。」
「そうか・・・じゃあお別れだな。」
「・・・俺に着いてきたら魔族の国に連れて行ってやるぜ?」
「誘ってくれて悪いが俺にはやることがあるんだ。」
「・・・ならいいや。ディス!またどこか出会おうぜ!!」
「ああ!!」
俺とリオンは固く握手を交わし再開を誓い合った
『魔法説明』
{ミラーフォース}
氷系統の初級魔法
使われている陣は円陣
刻まれているルーンは『凝固』『硬化』『鏡化』『反射』『再生』の五つ。限界数五つ。
ディスが始めて創りだしたオリジナルの属性魔法。防御に中心点を置いた魔法で相手の攻撃をそのまま相手に返すのが特徴。
盾自体はそこまで強度がないが、防ぐではなく反射させるのでそこまで強度は必要ない。一応再生の機能がついているのである程度なら傷がついても問題ない。