Sadstory 悲しみの追憶
今回の話は本編と直接関係ありません!
昔書いていたこの話の第一話か二話ぐらいの話です。少し内容変えてますけど・・・。
後、少しディスの性格が変わってるかも・・・ご容赦ください。
これはディスが旅立った日から約一年前のお話・・・
side ディス
今日は俺の誕生日だが当然誰も祝ってくれるわけがない
「・・・今年も一人の誕生日だな。」
俺はのんびりと過ごしていたが・・・
「ディス~いる~?」
俺の平穏は姉が訪ねてきたことによって脆くも崩れ去った
「レイミィ姉さん、此処には来てはいけないと何度言えばわかる。」
「そんなの関係ないわ!私は自分の思うように生きるんだもん!!」
「はぁ、もういい。」
「あんたこそもう少し女の子らしい口調にしたら?」
「・・・そんなの俺の勝手だ。」
俺はそっぽを向く
「そんなに聞き分けの無い子にはお仕置きだよ!!」
「なっ!なにをするんだ!」
「お仕置きだよ♪」
レイミィ姉さんは俺の尻尾に抱きついてくる
「さ、触るな・・・!」
「いい肌触りよね〜。そこらへんの毛皮よりいいわ!」
そういって尻尾をすりすりと擦ってくる
「や、やめろ!///ひぃっぽはだめなんだ!!///」
(なんて情けない声だ!!・・・だが尻尾は本当に駄目なんだ・・・。)
俺の尻尾はどこぞの駄女神がいうには身体中の魔力が集結している部分、タンクのようになっているらしい。だから触られると魔力制御が不安定になって全身に甘い刺激が襲ってくるのだ
「可愛い声だすわね〜。いつもその甘え声ならいいのに・・・。残念だわ〜。」
姉さんは残念そうな顔をしながらもまだ尻尾を擦っている
「もうひゃめてくれ〜///」
さっきから呂律がうまく回らない
「い・や・よ。もう一人が来るまでこのままよ!」
「も、もうひとり?ひぃうっ!///」
今強く押された性で変な声がでてしまった
「内緒。来てからのお楽しみってやつよ!」
「いやだ〜!誰かたすけてくれ!!」
結局俺は三十分以上さわられ続けた
「そろそろ来るわね。」
「はぁ、はぁ///誰がくるんだよ。」
俺はさわられ続けたせいでバテていた
「あなたのもう一人の姉よ。」
「姉?・・・俺のことは知ってるのか?」
「勿論知ってるわ。」
「物好きな奴もいるものだ・・・レイミィ姉さんも含めてな。」
「素直じゃないわね〜。本当は来てくれて嬉しい癖に!!」
「・・・そんな事はない。」
俺は内心かなり嬉しかったりする。みんなが俺を否定するから認めてくれる奴なんていないからだ。
「本当に素直じゃないのね・・・。」
「姉さん!いるの?」
ドアから少女の声が聞こえてくる
「来たみたいよ。アリア入ってらっしゃい!」
「ふぅ、抜け出すのは大変だったよ。・・・姉さんその子が?」
「そうよ。私達の妹で名前はディス!」
「・・・始めまして、ディスペイアといいます。」
俺はぶっきら棒に挨拶をする
「うん。始めましてアリアっていいます!」
「挨拶も終わったし、一緒に遊ぶわよ!」
「うん!」
「俺はことw「拒否権はないわ!」・・・断固辞退する!!」
「お仕置きが足りないのかしら?」
手をわきわき動かしているレイミィ姉さん
「っ!!・・・わかった。」
俺はその仕草に恐怖を感じたので素直に従う
「よろしい。さぁ始めましょ!」
トランプを出してシャッフルをしている
「ディスはなんで俺なの?」
「俺は俺だ。どう呼ぼうが俺の勝手だろう。」
「でもディスは女の子だよ?」
「関係ない。」
「アリア、ディスのこの口調は治らないわよ・・・。私も色々といったんだけどね。」
「勿体無いな~。こんなに可愛いのに・・・。」
「何を言ってる。姉さん達の方が美人じゃないか。」
「えっそんなことないと思うんだけど・・・。でも嬉しいな、ありがとうディス。」
アリア姉さんは俺の頭を撫でる
「・・・撫でるな。」
「照れない、照れない♪」
「・・・照れてなどいない!」
「はいはい。そういうことにしといてあげるわ。」
「くっ!」
(やっぱりレイミィ姉さんは苦手だ!!)
「ん~いい時間帯になってきたわね。」
「日が暮れてきてるぞ?」
「だからいいんじゃない!アリア、準備するわよ!!」
「はい、姉さん!」
「・・・何の準備だ?」
「ディスの誕生日会の準備よ!」
「・・・いらん。」
「そう言わないの!せっかく祝ってあげるんだから!」
「そうだよ!ディスは私達の妹だから祝って当然。」
「・・・・勝手にしろ。」
俺は恥ずかしかったので家を出て行く
「・・・そろそろ戻るか。」
今は日が完全に暮れて夕食時の時間帯だ
「・・・なぜ家の照明がついていないんだ?」
家は真っ暗でシーンとしている
「レイミィ姉さん?アリア姉さん?・・・どこかに出かけたのか?」
俺は証明のスイッチをいれ、部屋の光景に絶句する
部屋の家具は殆ど破壊され、食器も粉々になっている。そして、何かの装飾のように天井にあったカラフルなモールはズタズタに引き裂かれている
「・・・・ラビエル達かっ!!!」
ラビエルはよく俺にいちゃもんをつけてくる町長の息子だ。ラビエルは俺に何をしても罰せられないと知っており、今までもこういう風に人の家を壊していたことがよくあった。
普段なら何事も無く片づけを始めるところだが今回は少々おいたが過ぎるようだ。
「・・・待っていろ。」
俺は森を疾風のごとく駆け抜ける
side レイミィ
「あんたらただじゃすまないわよ!!」
「威勢のいい女だな。まっそっちのほうが燃えるか。」
私達は誕生日会の準備中にいきなり押しかけてきた変な奴らに捕まって此処につれてこられた。
(杖さえあれば・・・!!)
魔法媒体を服の中に入れてなかったせいで碌な反撃をすることもできない
「いや~それにしてもいい女っすね。ラビエルの兄貴!」
「だろ?でも最初はどっちも俺が犯るからな・・・。」
「うわっ!いいとこドリかよ~。」
男達は下卑た笑みを浮かべている
「・・・それ犯罪よ?どうなるかわかってんでしょうね!!」
「・・・・・ククク。」
さらに醜く笑い出している
「何笑ってるのよ!」
「いや、だって・・なぁ?」
「ああ。お前しらねぇのか?あの化け物関連の犯罪は全部黙認されてんだぜ!」
「そ、そんな・・・。嘘でしょ?」
「嘘なもんかよ!この町の人間は全員知ってることだ。あいつは殴ろうが蹴ろうが好きにしていい!略奪だってあいつの物なら許されるんだからよ!!」
「じゃあディスは・・・・。」
(そんなの迫害どころじゃない!ただの卑劣な暴力じゃない!!)
「酷い!ディスがいったい何したって言うの!!」
「・・アリア?」
アリアが男達に向かって怒鳴っている。
(アリアは内気なほうだから滅多に怒鳴らないのに・・・・ディスをそれほど気に入ったって事かしら?)
「答えて!!!」
「理由なんかねぇよ。ただあいつがハーフだから、そんだけだ。」
「そんな理由でっ!?」
「理由なんかそれだけで十分だ。・・・さて、そろそろお喋りは終了だ。お楽しみタイムと行こうぜ?」
私達は強引に押えつけられる
「離して!離しなさい!!」
「誰が離すかよ・・・。今からいい事をするってのによ!」
ビリリ
私の服は破かれ、胸が露になる
「いやぁ!」
「安心しろよ。妹も同じ目にあわせてやるからさ!!」
(助けて!ディス!!)
私は願った。そして・・・・
「ギャアア!!」
「っ!なんだ、どうした!!」
「わかんねえよ!でも今の声、ドアの前にいた見張りの奴の声じゃねぇか?」
「誰かいんのか!?」
ドアが開かれそこには・・・
「姉さん達を引き取りにきた。後、手癖の悪い犬どもにお灸を据えにな。」
ディスがいつもより何倍も冷たい声をだして入ってきた
side ディス
「姉さん達を引き取りにきた。後、手癖の悪い犬どもにお灸を据えにな。」
姉さん達はどこかの廃屋に連れ込まれていた。おかげで探すのに時間が掛かってしまった
「入ってくんなよ、この化け物!」
「そうだ!お前みたいな化け物の来るところじゃないんだよ!!」
「レイミィ姉さん、アリア姉さん。大丈夫か?」
俺は罵倒を無視して姉さん達のところに駆け寄る
「な、なんとかね。・・・少し遅いわよ?」
「すまない。アリア姉さんは?」
「わ、私も大丈夫・・・。」
二人はまだ何もされてないみたいだ。胸が見えてるが触られた痕も無いし問題はない
「無視してんじゃねえよ!!」
男Aはこっちに突進してくる
「・・・今回はおいたが過ぎるな。駄犬共・・・。」
ベキ!!
「うわぁぁぁぁ!!腕が、うでがぁぁぁ!」
「吼えるな・・・」
ドゴッ
「ぐおっ!・・・・・・。」
俺は男Aの両腕をへし折り、あばら骨を踏み砕く
「ひぃぃぃぃ!!化け物!!」
男Bは腰が抜けて立てなくなったようだ
「その化け物に手をだしてきたんだ。覚悟はあるだろ?」
「く、来るなぁ!!」
男Bは地べたを這いずり回って逃げ出す
「逃げんなよ・・・。」
「ぐぁ!!ぁぁぁぁ!足!あしがぁ!!」
男Bの両足の骨を踏み砕く
「さぁ、懺悔の準備はできたか?」
「てめぇがな!化け物!!」
ズドンッ
銃声が響き俺の胸に着弾する
「がはっ!」
俺は血を吐いて倒れる
「「ディス!!」」
「ハハハ、やった!化け物を殺したぜ!!」
「よくもディスをっ!」
「ディス!起きてよディス!!」
「無駄無駄!胸を撃ったんだ!生きてるわけねぇだろ。」
「・・・・それはどうかな?」
「「「えっ!?」」」
俺はゆらゆらと立ち上がる
「「ディス!」」
「な、なんで生きてるんだよ!?」
「決まってるだろ?俺が化け物だからだ!!」
俺はラビエルの後ろに移動して首に手をかける
「や・・やめろ。そんなことしたらお前は町にいられなくなるぞ!!」
「どうでもいい。もとより居辛い町だからな。」
俺は徐々に首を絞めていく力をあげる
「や、ヤメロォォォォ!!」
「嫌だ。」
「うわぁぁぁぁぁぁ!!!」
廃屋でラビエルの叫び声が響いた
「すまない、姉さん達。俺のせいで・・・。」
今は帰宅中。向かっているのは俺の家ではなく姉さん達の家。
あんなことがあったので俺が護衛をしている
「気にしてないわ。ねぇアリア?」
「うん。」
「しかし、俺がいたせいで危険な目に・・・」
バンッ
レイミィ姉さんは俺の頭を本ではたく。分厚いのでなかなか痛い
「うじうじしない。悪いのはあいつ等よ!!」
「ね、姉さん!今痛そうな音がしたよ!」
「・・・痛そうなというより痛い音だ。」
「大丈夫よ!ディスだし。」
「そんな理由があるか!」
「あるわよ。今私がつくったの。」
「勝手すぎる!!」
「気にしないの!」
「そうか・・・。・・・・もう疲れた。」
俺はレイミィ姉さんから離れて歩いていく
「ふふふ。」
「アリア姉さん、何を笑ってるんだ?」
「だってあんな不器用な姉さん初めてみたんだもん。」
「いつもあんな感じだが?」
「家ではもっと厳しいんだよ?いつもしっかりとした感じで。」
「・・・想像できない。」
「励まそうとしてるんだよ、きっと。」
「そうなのか・・・。」
「うん!・・・・あっ、ついたよ。」
どうやら姉さん達の家に着いたみたいだ
「じゃあ俺は帰る。」
「待って!」
「なにアリア姉さん?」
「ディス、一緒に暮らさない?」
アリア姉さんは衝撃的なことを言う
「・・・無理だ。俺は拒絶されている。」
「大丈夫!お母さんだって説得すれば何とかなるよ!!」
「やめなさいアリア。お母様が許す訳ないし、ディスを困らせるだけよ・・・。」
「だって姉さんだって見たでしょ!このままいったらディスがどんな目に合うか・・・!」
「それは、・・・そうだけど。」
「アリア姉さん、俺は大丈夫だから。」
「大丈夫なんかじゃない!!たとえ身体が無事でもいつか心が折れちゃうよ・・・・。」
アリア姉さんは俺を強く抱きしめる
「・・・姉さん、俺は本当に大丈夫だ。だから・・・」
「レイミィ、アリア!!」
家から姉さん達にそっくりな大人の女性が出てくる
「「お、お母様!?」」
「良かった無事で・・・。貴女達どこに行ってたの?お母様は心配で・・・・なんで貴女がいるのかしら?」
母親は俺に殺意を向けてくる
「・・・お久しぶりです、お母様。」
「やめて!貴女なんかにお母様なんて呼ばれたくないわ!!どこかに消えてよ、この化け物!!」
「っ!!!・・・・・・。」
「お母様言いすぎです!!」
「そうだよ!ディスに謝って!!」
「貴女達は早く離れなさい!汚らわしい魔族の臭いがつくわ!!」
姉さん達は母親に連れられ家のほうに向かっていく
「お母様離して!ディス!ディスー!!」
「お母様離して下さい!まだディスにお祝いを言ってないんです!!」
「・・・お祝い?何を祝うの?」
「ディスの誕生日です!」
「・・・そう、今日だったのね。忌まわしいわっ!・・・後で塩でも撒いておこうかしら!」
「その言い方はあんまりです!!お母様はディスの母親でもあるのですよ!!」
「冗談言わないで!あんな忌むべき子の母親になった覚えなんか無いわ!!」
(・・・もうやめて。これ以上言わないでくれ・・・。)
俺の足はさっきから震えている
「この際はっきり言うわ。ディス、聞いてるかしら?」
「・・・なんですか?」
(聞くな!聞くんじゃない!!)
頭の中で警戒音が鳴り響く。
「あなたは私の子供でもないしこの子達の妹でもないわ。あなたにはその資格が無いの。わかったらとっと此処から消えて野垂れ死になさい!!この化け物!!!」
「・・・・・っわか・・りました。」
俺は頭が真っ白になり無我夢中で森を走っていく
「此処に二度とくるな!!化け物!!」
母親からの最後の言葉は完全な拒絶の言葉だった。
走りだしてから数十分。もう何処を走ってるかわからない
「・・・・これは。」
俺は萎れかけている雑草の花を見つけた
「・・・・・お前も誰からも必要とされてないんだな。・・・俺と同じだ。」
俺はその場にしゃがみ込み前世の事を思い出しながら色々と考え込む
「・・・・・俺はなぜ生きている。こんな簡単な事もわからないのか・・・・・。」
自分の存在意義を考えているうちに涙が出ていた
「ぐすっおれ・・はっただ平和な家庭がっ・・欲しかっただけだ!!それすらも・・ぐすっ・・・俺から奪うのか!?」
俺は曇天の夜空に叫ぶ。溜まっていた鬱憤を晴らすように・・・。そんな俺の心情を表すかのように雨が降り出してきた
「おれは・・・いったい何のために・・っ!」
俺の悲しみを表すように降っている雨は激しさを増していく。
「う、うっうううっ!!」
俺は涙を堪える。涙腺が崩壊すると今までの思いの壁が決壊しそうだから・・・だが涙は俺の意思とは裏腹にどんどん溢れてくる。
俺はさっきの雑草の花を見る。花弁に雨がたまり零れ、雨水が流れていく。
皮肉なことにその姿は涙をこらえている今の俺の姿そのものだった。
ちょっと暗い話でしたね・・・。
レイミィはSですねwディス専門の。