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12. 誇るべき後輩

「せんぱーい」

「リッジ」


数日後。やっとリッジが到着。空間転移装置も使ってここまできたそうだ。


「会いたかった。会いたかった。」

「ボクもさ。よく無事に役目を果たしてくれた。」

「全然。何のお役にも立てず」

「そんなことはないよ。十分立派だったよ。オレの自慢の後輩だ、おまえは」

「うれしいです」


=====================================================


追放された日へさかのぼる。


リッジは、ぼくの指示通り、目立たなくしていた。追放を見守る立場だったはずだった。だが、いきなりみんながゾロゾロと動き出した。「え、先輩嫌われているの?」と慌てたリッジが起きたらガッツに腕を引っ張られた。

「ミスでした。いっちゃだめだった。先輩の目を見て、愚行と分かりました。」


まぁ、許せる範囲だと思う。キッドはともかく、ホーリーが動いたら驚くって。

「ただ、リッジの踏み絵は見事だったよ。」

「あ、あれは先輩の真似でして。」

「ああ、ボクがホーリーの説法に対してやる、あれか。」

「スノウは説法を嫌がりますものね。」

「で、直観で試してみました。」


我が神の崇高なるご理念にご参加いただき、厚く感謝申し上げます


ホーリーは宗教家。ガッツたちには何を言っているのかわからなくても、ホーリーにはわかると思ってやった。結果予想は的中。


わが神が無事新境地へとたどり着かんことを


これでホーリーが逃がす側だった、つまり仲間だとわかった。


「でも、しばらくしたら、いきなりガッツさんに、お暇します。あれはないですよ。」

「だって、立て直しがあるって知らなかったんですもん」

「まあ、あそこでバードさんが出てこないので、アレ?とは思いましたけど。」


ボクが消えた後は、ボクの予想を超えた動きなっていた。


バードが鬱で消極的になることは予想できた。なのてバードとザードが離脱する。ここまではわかっていた。

もちろん追い詰めたわけではない。逃がすため。最悪バードが下手っても、バードとザードはもういちど肩を組んでまた復活するだろうと思っていた。まさかボクに執着するとは思わなかったけど。


そのあとは,ボクはガッツがリーダーを奪いに来ると予想していた。

「先輩の予想通りの動きをしました。バードさんのいないところでは、今日から自分がリーダーだと吠えてました。」

ところがボクの予想もしないことが。キッドが拗ねて無視を決め込んだ。

「あれぇ、おかしいなー。だってボク楽しそうにしていたのにー。」

「しっぽ。ずっと垂れていていましたよ。あと、目が完全におかしかった。

ああわざとやっていると思いました。キッドも少し先輩にている所があるので、

この人もやるなら徹底するとおもいました。」

「うまくだませていると思ったけどなー。」

「だからって、突然蒸発はやめてください。」


「ほんとうにごめん。」

「いえいえ。むしろ先輩はすごいって実感できました。わずか1カ月もたたないうちにあれだけの大所帯を完膚なきまでに粉砕!やっぱり先輩はすごいと思いましたよ!」


へこむぅ。 意味違うだよなぁ


ここまでならいい。まだ笑える。このあとは完全に予想外の動きになった。

「たったの3人にいきなりなったので、毎日毎日ガッツはてんてこまい。

もう面白くて面白くて、この結末を先輩への手土産にするつもりでした。

ですが、突然、ガッツが、ボクに、バードの代わりをやれと言ってきました。」

「えっ。」

ザードが額に手をあてた。

「あー、そうか。責任逃れをしてきたのか。」

「はい。それも「勇者バードのパーティ」から独立した「勇者リッジのパーティ」ができた。そして、勝手にメンバー登録をした上に、リーダーにした。だから、ギルドから呼び出され、それで初めて気が付いたんです。」

「冒険者登録はしてあけたよね。」

「それは先輩が臨時で作ったパーティ「学び舎」で、です。

でも、だから発覚した。元のパーティ「学び舎」はどうされたのか、と」

「スノウのラッキーパンチが当たったってことだ。」

「で、このままでは搾り取られてしまうと考え、逃げ出そうとしたころ、Aランク候補にあがったスノウさんのことをあいつらが知ってしまった。もう演じているだけで胸が痛かった。あいつら、貶めてやると言い出して、あの依頼書を作ったんです。ファーストを奪った復讐してやると」

「ひどいです、あまりにも…」

「やっぱり、あつらだな、あんなものをつけやがったのは。」


「ごめんなさい、先輩! これしかありませんでした。

だから、ニセモノだとわかるように細工をして、伝わってくれと祈りました。すぐに解読されるとまたガッツたちにみつかるので、しばらくはギルドでかくまってもらい、すぐに教会の地下牢へ移りました。」

「そんな…」

「あ、地下牢はボクがお願いしました。そっちのほうが安全と思ったのです…あ、そうだ。」

またリッジが目を輝かした。

「先輩はすごいですよ。実は生産者ギルドに最初は駆け込んだら、もうスノウの後輩というだげで、みんなよくしてくれたんです。で、冒険者ギルドに連れて行ってもらったら、もう冒険者みんな知っているんです。先輩のことみんな知ってます。すごいですよ!

教会なんて先輩の木像まであったんで、地下牢にいるときは毎日拝んでました。

そこで伯爵になったと聞きましたよ」

「ちがうの。Aランクはみんなそれくらいの権力があって」

「すごいです! もうCランクなんてどうしてうそつくんですか!」

「ほんとにCランクでした。」

「いやだと、いやだとと逃げ回ったせいで、飛び級ですけどね」


-以下、リッジのスノウ崇拝が続くので略 数分経過


「じゃあ、あの依頼書は、ガッツとサイモンが作ったものだったんだ。」

「ああ、あのバードのニセ依頼書、冒険者ギルドで作ってもらいました。」

「公認の偽物だったんかい!」

「ボク一人じゃできませんよ、あんなの。ましてガッツやサイモンが作っても、あいつらの書類じゃあ通らないです。ギルトのみなさんに相談したら、じゃあ出そうって。一見本物ぽいけど、見る人が見ればすぐわかる。それくらいのものをくれたんです。あとは全部ギルドのかたに甘えました。」

「ホーリー、これマジなはなし?」

ホーリーがうなづいた。ザードがあきれていった。

「おまえ、本気であれ信じたの? オレが、あれみたとき、内容みてなかったろ?」

「あれ、見たら書いてあったの?」

「みたらって、あれ、最初だけそれっぽいけど、後の罪状の部分、聖書の一部だぜ。」


今まで黙っていたバードが急に立ちあがた

「そうか。あいつら困って暴走した原因はこれだ。わかったぜ、怒りの矛先がスノウにいった理由」

「どういうこと?」

「あいつら、オレになりすまして、いろんな特権を得ようとしていたんだ。そりゃあ、勇者の証を見せれば、それだけで受けられるものはあるから。でも、大部分がそうじゃないって、オレだって勘違いしてたって、スノウに冷たくされたてわかった。思い知ったよ。オレは与えれてばかりだったんだ。身の程を知れってこういうことなんだ。」

「ごめん、本当に。」

「ちがうだよ。だから、みんな勘違いしていたんだよ。そりゃあ、はた目からはそうだ。

でも、オレたちのパーティや実際にあった人は、オレじゃなくてスノウを見ていた。

つまり、オレがもっていた特権はスノウがいないと発動しないものばかりなんだ。」

「バードに成りすませらば受けられると思った特権が使えず、焦ったんだ」

「そういえば…先輩。あいつらそのときこう言ってました。どいつもこいつも、スノウ、スノウとうっとうしい。…」

リッジは言い淀んだ。

「いいよ。言って」

「はい…………むかつくからころしてやろうぜ」

一瞬シーンとした。

「ヤバイな。これは来るかもしれんな。」

「バードとザードの襲来のほうがよほど安心でした。」


リッジがあたりを見渡した

「先輩、ファーストはまだ帰還していないんですか」



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