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8. スラムへの奉仕

二コラさんには敵わない。

でも、あの人は最初は行くたびに意見が違っていて、「みんなの意見を統合したのち、お答えします」だったのに。ボクらと話していたら突然ふっきれた感あった。いま、屋台のおでん屋の大将もやっているとは。

何がそうさせたのかな。そりゃあボクも相当派手に喧嘩したけど、最終的な決めてはバードと熱意とかホーリーのやさしさだろうなぁ、やっぱり。


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まず、ニコラ伯爵に、あの子、フェルメール族のスラムがどこにあるかわかった。意外と近くて、あの屋台の近くと分かった。


スラムに入るといきなり猫耳の子たちが出てきた。やはり身なりも栄養も悪いようだ。

軽く降参のポーズをとる。

彼らはすぐにボクの持っていた袋を取り上げると、さっと路地裏に逃げ込んだ。

ゆっくり後をおうと、やはりひとまり大き目の猫耳がいた。一斉にナイフをボクに向ける。

「取り返しに来たのか?」

「いいえ。どうぞ、中開けていただいて」

中を見ると大き目の猫耳たちが怒ってきた。

「なんだ、これは!」

「それはマジックビーズとマジックローズですよ。その種です。」

「これでどうやって食えってんだよ!」


そこにひょこっと見覚えのある子が出てきた。昨日の子だ。


「やぁ、元気かな」

「おまえは、ここで何している!」

「遊びに来たんだけど、物取りされて、挙句に中身でもめている最中」

「あんたのそういうとこが。」


それでも、昨日の子はじっくり中をあさる。

「こ、これ。にいちゃん!」

「うん。マジックピア。低い木になる変わった梨さ。」

「ああ、種まである。」

「くれよ。」

「いいよ。」


全員がボクをみた。

「昨晩ご一緒してもらった恩義さ。ご一緒できたそのそのお礼」

そういったらやっぱり昨日の子が反応した。

「なぁ。これ、どうやったら増やせる」

おお、なかなか教養があるじゃないか

「知りたい?」

「もちろん。」

「じゃあ孤児院の子たちもここに連れてこないといけない。仲良くしてくれるかい?危害は加えないと約束するかい?」

「当たり前だ!」


「名前は?」

ボクはいつもの笑顔で答えた。

「スノウ。ドラゴン買取専門ギルドのスノウ。」

すぐに昨日の子は気が付いた

「やばい! みんな、そのひとは伯爵特別位の方だ。」

「関係ないよ」

ボクはその子に近づき目の高さを合わせる。

「ファル」

「ダメ。ファルは差別用語だ。君たちが奴隷の時に名乗る名前。」

「…。」

「本当の名前を教えて」

「ミルハール」

「かわいいじゃないか。よろしくね、ミルハール」


「で、あんた何がしたいんだ。」

「ああ。ここの道、広いでしょ。だからここに植樹したらおもしろいなって。」

「それだけか」

「それだけじゃない。それは聖職者の祈りがあればすごいスピードで育つ。」

もちろん、ホーリーには相談済み。その交換条件が孤児院の子と仲良くだった。ミルハールがすぐにほかの猫耳族を説得し始めた。

「みんな、この人は悪くない。きっと助けてくれるよ。」

するととうとう一部の大人が気が付いた。

「あんた、孤児院の経営を安定させた、スノウか。」

「はい。実はそこの先生とは相談してあります。あとは皆さんの意思です。」


翌日


ミルハールの説得おかげでスラム街にマジックビーズ、マジックローズ、マジックピアの木をみんなで植えた。マジックビーズはポーション生成用だが、マジックローズはマジックピアは目的が違う。


マジックローズは清き魔力による場の清め、マジックピアは食用だ。実はフェルメール族は魔力がないと俊敏性がなくなる。定期的に補給する必要があるが彼らはポーションが飲めない。だから、こういう果物からとる必要がある。


でも購入をしていたらジリ貧。

そこで悪徳な連中はそれは栽培できることを伝えず、また孤児院にやらせる、または自分たちの農場でフェルメール族を使って収穫させるのだ。


大体、孤児院にやらせるとかフェルメール族を農場でとか外道だ。


フェルメール族は好物がもらえると思い、働き始めるが、

結果的には目の前にあるごはんはだべらない。


働かせてやっている?

目の前に好物ぶら下げて働かせて、結局与えない。

それは拷問だよ。


だから作れるんだし、つくちゃえと考えたのだ。


そして、植樹活動をしながらホーリーには頭のよさそうな子をピックして、神官適正を見てもらう。


フェルメール族は自然の魔力をごはんにすることから、神に愛された一族なんていわれる。だから神官は適職だ。


ところが、なかなか登用する教会はない。


この際、いっぱい神官を増産すれば、いちいちホーリーに来てもらう回数も減る。

幸いミルハール含め何人かに可能性があることがあり、孤児院での勉強が可能になった。


そんなことをしていたら副ギルド長がやってきて冒険者の特性も見てもらえた。

フェルメール族の冒険者は盗賊が多いが、これは初期費用の問題。

本当は隠密とか忍者のほうがいい。信頼もあつい。だがお金がないので盗賊になり、

なかなかそのジョブゆえに信頼がされず単独でしか仕事がなく苦しむ。

その結果パーティーで仕事をするが分け前があるかどうか。。


盗賊になってしまうともう忍者にはなれない。盗賊では暮らしていけない。

最初の選択一つでせっかくのチャンスが棒になる。

でも、ギルド公認で育成してもらえれば、彼らが自分で食っていくチャンスになる。


まぁ、それまでボクが生きていられるかわからないけどね。


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4日経過。ボクはニコラさんから呼び出しを受けた。場所はいつもの「おでん屋」


「おう。」

「仕事中のドラゴンの首に密書なんてまきつけないでください。」

「いいじゃん。なかなかだっだろう?」

「相変わらず、それでいくんですね。」


よく見ると店内に黒いフードをかぶったローブの男がいる。だれかわからない位ということは偽装のマジックローブだろう。


「よう、にいちゃん。景気はどうだ。」

男がそういった。店内にはボクとニコラさん以外いない。ボクだな。

「まぁまぁかな」

「さぞ、儲けていると思ったが、相変わらず、質素なもんだ。」

「そりゃどうも」


ニコラさんがマジックリーフの枝を2本テーブルに置いた。


「こだわり…ですか」

また男が声を出した。相変わらずこっちをみない。

「ええ。きっと。」

「きっと、ですか。ご自分のことなのにですか。」

「ええ。ホクはホクのことはよくわかりませんからね。」

「そうでしょうね。」


無言の時間が続く。


「ダチに会いに来ました。」

「そうですか」

「にいちゃんは、もし、別れたダチが会いに来たら、会いたいですか」

「仲良かったんですか?」

「ええ。前は

今は…わかりません。でも、あまりよく思ってないと思う」

「そうですか。ボクは…」

「…」

「もういいかな。確かにいました。その人とはだいぶ蜜な付き合いがありました。

でも、ボクが人選ミスをして、その人の人生を狂わせた。

教会で贖罪はしていますけどね。会いたいとは思いません。」


なんだろう、この人。どうもいやだな。


「最後に」

「はい。」

「その友人に贈り物をしたいんです。それで仲直りできたらって。

あなたなら何を送りますか?」

「…」

贈り物ね。まぁ、バードからなにかもらったとしてもうれしいものってないな。

「まぁ、なにもないかもしれません。酒場で過ごす。それだけかもしれませんね。」

「そうですか」


そういうと男は去っていった。


「いいのかい」


ニコラさんがボクを見ている。わかっている。でも、あっちが騒ぎを立てないなら、それでいい。



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