表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
婚約破棄された悪役令嬢ですが、国が回らなくなったので第二王子に引き取られました  作者: リリア・ノワール


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

45/52

第45話 あなたの隣で

 正式発表の日は、よく晴れていた。


 王城の大広間ではなく、第二王子の館での発表。


 それが、象徴だった。


 ここから始まった関係を、

 ここで形にする。


 招かれたのは、必要最小限の貴族と高官のみ。


 ざわめきは小さく、だが確実に熱を帯びている。


 第二王子殿下、婚約発表。


 相手は――かつて断罪された悪役令嬢。


 それがどれほどの逆転か、

 この場にいる者たちは理解している。


 *


 アレクシスが前に立つ。


 言葉は簡潔だった。


「私の婚約者として、

 レティシア・フォン・アルヴァレスを正式に迎える」


 余計な説明はない。


 擁護も、過去の弁明もない。


 堂々と、事実だけ。


 視線が集まる。


 レティシアは、一歩前に出た。


 逃げない。


 俯かない。


 王城で断罪されたあの日とは、まるで違う。


「未熟ではありますが」


 静かに、しかしはっきりと。


「殿下の隣に立つ者として、

 責務を果たします」


 それは、従属の誓いではない。


 対等な宣言。


 *


 ざわめきは、すぐに静まった。


 反対の声は出ない。


 出せない。


 なぜなら。


 彼女はすでに、

 第二王子の政策の中核に立ち、

 結果を出し続けている。


 能力は証明済み。


 人格も。


 あとは、形式だけだった。


 *


 発表が終わり、

 人々が散っていく。


 中庭に出たとき、

 ふと足が止まる。


「……終わりましたね」


「始まりだ」


 アレクシスが言う。


 確かに。


 逆転劇は終わった。


 だが、ここからは共に立つ未来。


「後悔は」


「ありません」


 迷いなく。


「あなたの隣で」


 レティシアは、ゆっくりと彼を見上げる。


「私は、私でいられます」


 それが、何よりの答えだった。


 アレクシスは、わずかに目を細める。


 そして。


 今度は迷わず、彼女を引き寄せた。


 強くはない。


 だが、確かな抱擁。


 頬が触れる距離。


 息が混ざる。


「これからも」


 低い声。


「私の隣に立て」


「はい」


 それは命令ではない。


 選び続けるという約束。


 そして。


 ほんのわずかに唇が触れた。


 情熱的ではない。


 だが、確信の口づけ。


 断罪された悪役令嬢は、

 溺愛される婚約者へと変わった。


 守られるだけではない。


 並び立つ者として。


 逆転は完成した。


 けれど。


 これは終わりではない。


 二人で立つ物語が、

 今、ようやく始まる。

本話もお読みいただき、ありがとうございました!


少しでも続きが気になる、と感じていただけましたら、

ブックマーク や 評価 をお願いします。


応援が励みになります!


これからもどうぞよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ