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紫水晶と星の花  作者: 星見七つ


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8/15

目覚め part3



 とても幸せな夢を見た気がする。

 楽しくて、心が躍るような、幸せな夢。


 

 ハッとして目を開けると、目の前には見慣れた自室のてんじょ…


…ガバッ!!


 サッと青くなって、上半身を起こした。

 これは、もしかして、もしかしなくても…


 一瞬で冴えてしまった頭を湧き上がる自責の念のままに両手で覆っていると、コンコンッと控えめに自室の扉が叩かれる。


「お嬢様、おはようございます」


「…おはようロアナ、起きてるわ」


 そう答えると、今日も侍女のロアナが1人で部屋に入ってくる。


「お嬢様、良く眠れましたか?」


「ええ、とても…。あのね、一応聞かせて欲しいの。昨日はその…」


「そうそう、昨日もアクベンス様が邸までお送りくださったんですよ!」


 恐る恐る聞くと、言い切らないうちに昨日と同じく上機嫌なロアナが答えをくれる。


 分かっていた。分かっていたけど…!


「いやぁ、転移魔法をこの目で2回も目にすることができるなんて!ロアナ感激しちゃいました!私達のような者からすれば一生に一度見られるだけで奇跡といいますか!……お嬢様?」


 転移魔法は非常に高度な魔法で、使いこなすには豊富な魔力と卓越した魔力操作が必要だと言われている。

 現在、王国内で扱えるのは極一部、片手で収まる程度の人数らしい。一般市民がお目にかかれる機会はほぼ無いと言っていいかもしれない。

 

 だから、男爵家出身のロアナの感激も頷ける…。

 

 その稀有な転移魔法で運んでいただいたのが、自分でなければ。


 そんな転移魔法で2回も自宅に送られた私は、またしても両手に沈めた顔を上げられずにいた。


「2回も…もう、なんとお詫びすれば…」


「もーお嬢様!気にしすぎですよ!アクベンス様も全く気にされた様子はなかったですし!むしろ貴重な体験ができたことに喜んでみては!?」


 興奮冷めやらぬロアナが私を励ますべく無邪気に提案してくれる…が、


「何も、何も覚えていないの…寝ていたから。」


「あちゃ。そうでしたね」


 ユーリス先生の大らかな性格を目にして2日。

正直なところ申し訳ない気持ちが半分、覚えていないことを残念に思う気持ちが半分である。

 

 お願いしたら起きている時にも運んでもらえるかな?と思ってしまうあたり、早くも大分甘えが出てきてしまっている気がする。


 ダメよフィリリア。授業中すっかり眠り込んでしまった挙句におねだりをするなんて、図々しいにも程がある。

 兎にも角にも今日もまずは謝罪からだ。


 ………やっぱり、しっかり最後まで授業を受けられたらお願いしてみようかな。


 自問自答をしている間に今日もバスルームへと案内され、流れるように朝食をいただき王宮からの迎えの馬車へと送られる。


 そういえば、一昨日から授業の予習復習がまるでできていない状態だ。昨日は先に進めていた分で何とかなったけれど、今日は馬車の中で昨日の授業の復習ができるか試してみないと…。


 御者に挨拶をして馬車に乗り込み、教材の入った鞄をガサゴソと漁る。


 あとは、何か居眠りしない対策も考えよう。

大丈夫。今まで他の授業で居眠りなんてした事ないんだもの。きっと直ぐに慣れて、今日にでもちゃんと終わりの時間までしっかり授業を受けられるはず…!



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