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紫水晶と星の花  作者: 星見七つ
第二章

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いざ!お祭りへ!



「わあ!とっても賑わってますね」


「そうだね。何から回ろうか?」


翌日、私達は期間中1番の盛り上がりを見せる、お祭り最終日の街に繰り出していた。


「この街は陽気な方が多いんですね」


 そう言ったアシュレイ殿下は、キョロキョロと周囲を興味深く見回している。


 陽気というか、既に出来上がっているというかだけど…。

私達は本日、朝から繰り出しているわけなのだが…先程から少し歩いただけでも既に酔っ払っている人々をちらほら見かけている。


「そうだ、ユーリス先生はお酒を飲まれますか?」


「一応、飲める年にはなったけど、今日は護衛だからやめとこうかな」


 私が尋ねると、先生から護衛としてはとても真面目な返答が返ってくる。それもそうか…。


 それなら、この情報は必要なはず!


「では、グラスや何か注げるカップを持っていると、知らない人でもワインを注いでくださるようなので、お気をつけください!」


「あはは、気をつけるよ。フィリリアは物知りだね」


「予習してきましたので!」


 そう。先生やアシュレイ殿下と行けると決まってからというもの、楽しみでじっとしていられなかった私はお母様やお兄様に聞き回って予習に予習を重ねて来たのだ。


「そう言えば、先生ってお酒お強いんですか?」


 周囲の様子からこちらの話に興味が移ったらしいアシュレイ殿下が先生に問いかける。


「うーん。義父上に「自分の限界は知っておいた方が良い」って言われて18になった年の誕生日に、アクベンスの邸で飲み明かしたんだけど「そこそこ」って言われたかな」


 アクベンスの邸というのも、先生は去年アクベンス家の王都にあるお邸を出られて今は王宮近くのご自分のお屋敷に住まわれているそうだ。


理由を聞いたら「最近、任務で深夜や朝方に出たり帰ったりするから申し訳なくて」とのことだったのだけど…。


国の安全が大切なのはもちろんだけど、私としてはちゃんと先生の睡眠時間が考慮されているのか非常に心配だ。


「そこそこってどのくらいなんでしょうね?」


 アシュレイ殿下が不思議そうに聞く。


 確かに。お酒を飲んだ事のない私やアシュレイ殿下にはそこそこの加減がイマイチ分からない。


「分かんないよね。あ、でも「人前で2本目は絶対に開けるな」とも言われたっけ」


「「え…」」


 に、2本目を開けると先生どうなっちゃうんだろう…?


お兄様は飲み過ぎると脱ぎながら踊って歌い出すのだけれど、流石に先生はそんな事しないだろうし。


でも、宰相閣下が「絶対に」とおっしゃるということは、余程のことがあったのだろうか…?


 き、気になる。

気になるけど、知るのはちょっと怖い気もする。


あれ?気になると言えば…。

私、先生の誕生日知らないな。


 私と誕生日が近いらしいというのは、初めてお会いした時のお話で分かっている。

だけど、そのまま聞く機会を逃してしまって今に至っていた。


この機会に聞いてみても良いかな?


「ユーリス先生の誕生日っていつなんですか?」


「双魚の月の6日ってことになってるかな」


「ことになってる…?」


 帰ってきた答えの最後についていた言葉を不思議に思い、オウムのように復唱してしまう。


「うん。生まれた日は分からないから、アクベンス家に入った日が誕生日ってことになってるんだよね」


 …!??

ま、またやってしまった!!


 サラリと答えてくださったユーリス先生を前に、自分自身に頭を抱えそうになる。

先生の出自を考えたら、容易に思いつくはずでしょうフィリリア!


 どうしてこう繊細そうな話題を考え無しに突っ込んでしまうのか。

これではお兄様のことをとやかく言えない。


まさかこんなところでお兄様との血の繋がりを感じる事になるとはっ…!



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