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紫水晶と星の花  作者: 星見七つ


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初めての授業



「えっと、これは…?」


 意気込んでついて行ったはずの私は呆気に取られていた。


 ユーリス先生に連れられてやって来たのは王宮の広々とした庭園の片隅。きっちり整備はされているものの、人目につきにくい位置の為か何も植えられておらず野原のような場所だ。


 こんなところあったんだ…。


 ユーリス先生はどこからか大きな布を取り出し、サッと野原の上に敷いた。


「魔法の訓練だよ。基礎は大事だから」


 そう言って大きな布に座る。

 ちなみに王宮に居る間付けていただいているメイドや護衛の騎士は、ユーリス先生の指示を受けて少し距離を置いた所で見守っている。


「ほら、フィリリアも。同じようにしてみて」


 そう言って先生は布の上にごろんと寝転がる。


 ええ…。


 戸惑いながらも言われた通り大人しく隣に横になる。


「じゃあ、息を吸ってー吐いてー」


「は、はい」


すー、はー

すー、はー


 訳がわからないまま深呼吸を繰り返す。


 魔法の…訓練…?


「そうしたら、目を瞑って。周りの音をよく聞いて」


「はい…」


ピチチチチ…


 日が陰り始めた庭園の片隅は静かで、鳥の声がよく聞こえる。


 それに、自分の鼓動の音と、風に撫でられた草の擦れる音。


「あの、」


「うん?」


「これは一体…?」


 うっかり流されかけてしまったが、夕方に日光浴をしに来たみたいな謎の状況を理解すべく、最初に抱いた疑問をもう一度問いかける。


「基礎訓練だよ?この世界は魔力に満ちている。感覚を研ぎ澄ませて、それを全身で感じて自分の中にある魔力をその中に溶かしていく。そうやって魔力を操る感覚を覚えるんだ」


「なるほど…」


 魔力を操る基礎。そうと分かれば、しっかりやらなくちゃ。

 

 これが、魔法を使う為の第一歩なのだ。


 再び気合を入れて、教えてもらった通り深呼吸をして周囲の音を聞き、意識して感覚を研ぎ澄ませる。


 遠くで鳥の羽ばたく音がする。


 誰かの話し声、王宮の外周を囲む水の音も。


 自分の呼吸の音、ユーリス先生の呼吸の音。


 頬を撫でる、夕方の少しひんやりとした風がとても心地よい。



心地よくて…



…すぅ。



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