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紫水晶と星の花  作者: 星見七つ
第一章

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魔物対策合同演習①



「フィリリア嬢」


 声のした方を振り返るとアシュレイ殿下が立っていた。この間とは打って変わってキリッとしたお顔だ。


「アシュレイ殿下」


「お待たせいたしました。兄上は授業が長引いているようで、兄上に代わり僕が観覧席へご案内する役目を仰せつかりましたので、お迎えに上がりました」


 そう言ってアシュレイ殿下が私の方へ腕を差し出す。

エスコートしてくださるのだろう。


「ありがとうございます」


お礼を述べてアシュレイ殿下の腕に手を添えると頭上からお父様の声がする。


「アシュレイ殿下、娘をよろしく頼みます」


「はい、お任せ下さい」


 そう言って一礼するお父様と隣に居るお兄様に一時別れを告げ、アシュレイ殿下と王族の特別観覧席へと歩きだした。


「フィリリアさん、あの、兄上がすみません」


「いえ、なんというか…予想通りといいますか」


「ですよね…」


 そう。こうなる事は、前日までロジェット殿下からのお誘いが無かった段階で分かっていた。

アシュレイ殿下には、結局お迎えに来ていただくことになってしまい申し訳ないくらいだ。


「一応、あの後も今日のことについて兄上にはフィリリアさんをお迎え行ってくれるようお願いしたのですが」


「お気になさらないでください。アシュレイ殿下にお迎えに来ていただけて助かりました」


 隣を歩くアシュレイ殿下がちょっとお疲れ気味に見える。ロジェット殿下相手に相当頑張ってくれたのではないだろうか。

一向にロジェット殿下との関係を改善できない不甲斐ない義姉(予定)で本当に申し訳ない。


 そうこうしているうちに王族の観覧席へと到着する。見ると陛下と王妃殿下は既にご着席されていた。


 陛下にお会いするのはいつぶりだろうか。すごく緊張する…!!


「陛下、王妃殿下、ヴィンデミア公爵令嬢をお連れいたしました」


 アシュレイ殿下が両陛下にお声を掛けてくださり、私はカーテシーをしてご返答くださるのを待つ。


「表を上げよ、よく参った。今後の王国を守る肝となる者達だ。王子の婚約者として、しっかりと見届けなさい」


「肝心のロジェットが来ていなくて申し訳ないわ。今呼びに行かせているから、席でゆっくりお待ちになって」


 陛下と王妃殿下からお言葉を賜り顔を上げる。

王妃様もロジェット殿下の奔放さに気苦労が絶えないようで頭を手で押さえている。

陛下はいつ見ても厳しいお顔をされていて…正直言うとめちゃくちゃ怖い。


「私にまでお席をご用意くださり、大変ありがたく思います。将来この国を担う1人として、心して見届けさせていただきます」


「では、こちらへ」


 両陛下に丁重に御礼申し上げ、アシュレイ殿下と共に一つ下の席へ移動した。

席に着席したところで演習場に人が整列し始める。そろそろ開始が近いようだ。


「先に、騎士団の模擬試合と魔術師団の射的実演を行った後に2戦に分けて実践形式の演習を行うそうです」


 眼下に広がる演習場を眺めていると、隣からアシュレイ殿下が説明してくれる。


「ありがとうございます。そうなんですね、ユーリス先生は出られるのでしょうか?」


「後半の演習には参加されるって聞きました」


 先生が実践形式の演習に出られると聞いてドキドキする。

あの日はアシュレイ殿下が泣き止まれた後も聞き逃してしまったから。


 常日頃、魔物こ対応をされているというのは知っているが、実はユーリス先生が戦っている姿はまだ見たことがないのだ。


「今後の魔物対応の為の演習なので、不謹慎かもですけど…楽しみですよね」


 アシュレイ殿下が私にだけ聞こえる小さな声で囁く。


私がソワソワしていたのが伝わったのもあるだろうけれど、アシュレイ殿下もだったのかもしれない。


「ですよね、私すごくワクワクしちゃって」


「わかります」


 2人で囁き合っていると、鐘の音が鳴り響きアシュレイ殿下と顔を見合わせる。


騎士団、魔術師団第一・第二の魔物対策合同演習がいよいよ始まる…!



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