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紫水晶と星の花  作者: 星見七つ
第一章

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よくできた義弟(予定)

 


 き、緊張した…。


 ドキドキでヒヤヒヤの種火付けも無事成功し、今は出来上がったスープを3人でいただいているところだ。


 今日は少し冷えるから、暖かいスープが身体に染み渡るな。


「あ、そうだ。明日の種火付けはアシュレイが担当だよ」


 私が達成感と安堵を噛み締めていると、ふと思い出したようにユーリス先生がアシュレイ殿下を指名する。


「え…!?僕、大失敗したばかりですよ?」


「大丈夫。今日の失敗は明日に活かす為にある」


 先生、めちゃくちゃ前向きだな…!?


「私にできたんですから!アシュレイ殿下もきっとできます!」


「が、がんばります」


 私が力を込めて言うと、アシュレイ殿下から自信なさげな返答が返ってくる。

しまった、プレッシャーになってないと良いな…。



「…あの、フィリリアさん王立魔術師団と王立騎士団の合同演習のお話って聞いてますか…?」


「合同演習…?」


 会話が少し途切れたところで、アシュレイ殿下に恐る恐る、といった様子で声をかけられる。


 以前、お父様が視察されたと言っていたものと同じだろうか?


「聞いてないんですね…兄上から」


「ロジェット殿下からですか?」


 聞いていないも何も、ロジェット殿下に最後にお会いしたのは一カ月ぐらい前だ。

まさかロジェット殿下は何か言伝のようなものを託されていたのだろうか?


「はい。今回のものは今後の魔物対策の一環として貴族の見学が推奨されているんです」


「ああ、あれだね。最近、貴族の間でも魔物の噂が話題に上がる事が多いらしくて。魔術師団や騎士団の実力を示して安心してもらう目的もあるみたいだよ」


「そんなものが…」


 魔物対策の一環ということは先生も出るのかな?貴族も観覧できるとのことだし、お父様にお願いしたら連れて行っていただけるだろうか?


「それで、王族は全員参加なので兄上の婚約者であるフィリリアさんも兄上を通してお誘いすることになっていたんです」


 …え?嘘でしょ!?

 寝耳に水だったアシュレイ殿下のお話に驚愕する。

ロジェット殿下からはお手紙も王宮の使用人を通じての言伝も、何も来ていない。


「えっと、ロジェット殿下からは聞いていないので、お父様に…」


「いえ、そう言うわけには…フィリリアさんには王族と一緒にご覧頂くことになっているので。当日、兄上がお迎えに上がる手筈ですが…兄上が捕まらなければ僕がお迎えに上がります」


「すみません。ではそのようにさせていただきますね」


 アシュレイ殿下の申し訳なさそうなお顔に、私も居た堪れない気持ちになる。

 そうか、そうだよね…第一王子の婚約者として発表されている私が貴族用の席に居たら王家とヴィンデミア家の中や、私とロジェット殿下の仲など色々と詮索をする人も出てくるだろう。


「はい、陛下にお願いして兄上に再度言っていただきます。あと僕からもちゃんとお迎えに上がるよう伝えてみます」


「私が不甲斐ないばかりに、すみません…」


「いえ、その!兄上はフィリリアさんを嫌っているとか、そう言うのではないので!」


 アシュレイ殿下がフォローしてくれるが、本当にそうだろうか…私は今のところ嫌われている自覚しかないのだけど。


「うーん。私が嫌われているだけだと思っていたんだけど、ロジェット殿下は何をお考えなんだろうね」


 アシュレイ殿下と私の話を静かに聞いていた先生が、ポツリと言った。


 それ、私も知りたいです…!


「その、私も正直掴みかねていて」


「僕から見た兄上ですが…」


 先生の問いに私が匙を投げると、アシュレイ殿下が拾ってくれる。

本当にできた義弟(予定)で頭が上がらなくなりそうだ。



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