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紫水晶と星の花  作者: 星見七つ
第一章

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抜き打ちテスト①



「今日は抜き打ちテストをしようと思います」


 あれから数日後、いつもの草原に集まってすぐユーリス先生が神妙な面持ちで私達に告げた。


「え?」

「て、テストですか…?」


 これまでユーリス先生の授業では一度も無かった。

突然のことにアシュレイ殿下も私も動揺が隠せない。

先生の授業は実技がメインで、座って講義を受ける事は殆ど無い。集合場所もいつも通りということは…実技テストの可能性が非常に高い。


「実は遂にアシュレイの王宮外の授業許可が降りてね」


「本当ですか!?」


 アシュレイ殿下が喜びの声を上げる。

とても行きたがっていらっしゃったから本当に良かった。


「うん。だから今日のテストをクリアしたら森での授業を再開しようと思って。あ、もちろんフィリリアにも受けてもらうよ。2人で合格目指して頑張ってね」


「わ、わかりました」


 ここで改めて今まで習った魔法をちゃんと使いこなせているか確認を、ということだろうか。

アシュレイ殿下が仲間入りしたことで一時中断していた森での授業だが、その再開がかかっているとなれば私の気合も入る。


「というわけで、テストの内容はこれです」


 そう言って先生が取り出したのは、小さな2つの丸っこい…人形?のような何かだ。材質は硬そうで、2つとも色は違うが派手な柄と顔が描かれている。

顔はなんと言うか、絶妙に愛嬌が…ある。たぶん。


「な、なんですかこれ…?」


 アシュレイ殿下が先生の手の中の人形らしきものを恐る恐る覗き込む。


「お土産だよ。この間行った北の方の領地で見つけたんだ。大きさの違う同じものを4つづつ王宮の庭園内に隠してある。今日の授業時間内に全て見つけられたら合格だよ」


 そう言ってアシュレイ殿下と私、それぞれに一つづつ手渡してくれる。

テストというより宝探しみたいな内容で楽しそうだけど、制限時間内に見つけ出せなければ森での授業はお預けだ。


「あ、もちろん全部集められたら持って帰ってね。お土産だし」


「あ、はい」


「ありがとうございます、頑張って集めますね!」


 はいと答えてはいたものの、アシュレイ殿下が困惑した顔で人形を見つめている…。


 私も人形を近くで見ていると胴体らしき場所に真横に線が入っているのに気がつく。

気になって触ってみると胴体からぱっくり2つに割れた…わ、われた??


 それを横目で見ていたアシュレイ殿下が一瞬ギョッとしたお顔をされる。

分かります…真っ二つになると思ってなくて私もびっくりしました。

持った時、思ったより軽いなとは思っていたけれど中は空洞のようだ。


 ここのところ果物等の食べ物が多かったから忘れていたけれど、物の場合に限ってだけ先生のお土産センスはちょっと独特なのだ。

謎のお面や置物、その地方に伝わる魔除け人形などなど…。

ちなみに部屋に飾っておくとロアナが怖がるので、今まで頂いた物は自室の引き出し等見えない場所に大事に保管している。

せっかくユーリス先生から頂いたものだし…。


「というわけで、2人とも頑張ってね。開始!」


 動揺している内に、特に詳しいルール説明も無くサクッと始まってしまった…!


 慌てて頭を巡らせ、探査の魔法を試みる。

この広い庭園内でしらみ潰しに探していては時間内に見つけ出すことは不可能だ。

と言う事はこれはきっと、ただ闇雲に探すのではなく今まで習った魔法を使って(・・・・・・)探し出せ、というテストだ。


 私に手渡された謎の人形の姿を思い浮かべ集中していると、頭に見知った場所が過ぎる。


 この人形ずっと探査してたら夢に出てきそうだな…。


 走り出す前にチラリとアシュレイ殿下の方を確認すると、アシュレイ殿下もまた探査の魔法を試みているようだった。


 頑張りましょうね!そう視線に思いを込めて、私は自らの目的地へ走り出した。



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