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紫水晶と星の花  作者: 星見七つ
第一章

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2人の生徒



「こ、これは…!」


 目の前の草原には王宮の庭園の池で釣れる小魚を、私の頭の2倍ほどのサイズに大きくしたものが鎮座していた。


「うーん…細かさよりサイズ感を気にした方が良いかと」


「なるほど」


 小さな魚は魔力で寄せるだけで釣ることができるのだが、大きな魚はそれだけだと難しいので餌となる小魚の幻を使うのだ。


「あと、もう少し小さくできますか?森で私が釣った一番大きな魚がこれくらいだったので、餌はこのぐらいが理想です」


 手で大きさを示しながら、アシュレイ殿下に説明をする。


 ユーリス先生が急な任務で遅れるとのことで、今は2人で先生からの手紙に書いてあった課題に取り組んでいる真っ最中だ。


「やってみます」


 アシュレイ殿下が魚の幻を一度消し、もう一度挑戦する。まだちょっと大きい…。


 こうして教えているとアシュレイ殿下のお姉さんになった気分だ。

将来的には本当に義姉になる予定ではあるけれど。


「フィリリアさんは森で授業したことがあるんですよね」


「はい!すごく楽しいですよ」


 アシュレイ殿下が興味深々という顔でこちらを見ていた。


 先生からの手紙に「森での授業で使うことになるから練習しておいてね」と書かれていたからだ。


「僕、今まで王宮から殆ど出たことがなくて、すごく楽しみで。使える魔法も増えてきたから今度ユーリス先生が父上…陛下に許可をいただいてくださるそうです」


 第二王子であるアシュレイ殿下は我が国の方針上、現時点で臣下に下るのがほぼ確定している。

その為かお父様である国王陛下を陛下と呼ぶよう徹底されているようだ。


 それなのに、あまり自由は無い…楽しい話をしている筈なのに、心苦しくなる。

森での授業が少しでもアシュレイ殿下の気晴らしになると良いな。


「いよいよですね!」


「はい!先生が護衛も兼ねてくださるみたいで、許可が出たらすぐ行けるそうです」


 私と同じだ。今もそうだが王宮では護衛の騎士やメイド達が離れて見守ってくれている。

だけど、王宮外となると勝手が違う。


 森での授業は先生の転移魔法で移動する為、先生がいざという時の護衛も兼ねてくれている。

王家から信用の厚い先生あっての王宮外授業なのだ!


「その、アシュレイ殿下はユーリス先生の授業受けてみてどうですか?」


 話の流れで普段聞けない事を聞いてみる。

アシュレイ殿下が先生のことを嫌っている素振りは今のところ無いけど、兄のロジェット殿下は先生のことお嫌いだし、ちょっと気になっていたのだ。


「最初は予想していた感じと違って驚きましたけど、すごく楽しくて!」


「ですよね!楽しいですよね」


「はい!」


 良かった。アシュレイ殿下も先生の授業を好いてくれているようで嬉しくなる。

自分の好きなことを一緒に共有できる人が居るって良いな。


「…その、実は僕の魔法の講師、ユーリス先生じゃなかったかも知れないんです」


「え…?」


 返ってきた答えにホカホカした気持ちになっていると、アシュレイ殿下から予想外の発言が飛び出す。

 ロジェット殿下も初めはユーリス先生だったし、そういうものだと思っていた。


「兄上のことがありましたし、先生のご負担も今後増えるだろうと父、陛下が思案されていて。それで、まず陛下に謁見にいらしたユーリス先生に一度お会いしてみることになったんです」


 なるほど…。


 今日もそうだけど1年前に比べ、魔物の出現は少しずつだが確実に増えている。

そのタイミングでロジェット殿下の時と同じように時間を無駄にさせるのは…と陛下はお考えになったのかも。


「それで、その時「僕、王族なのに魔力が低いんです」ってお伝えしたら先生が「私もアシュレイ殿下と同じくらいの魔力ですよ」って仰られて」


「え、そうなんですか?」


 先生がアシュレイ殿下と同じくらいの魔力量…というのは初耳だった。



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