表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
紫水晶と星の花  作者: 星見七つ
第一章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

29/74

第二王子殿下



 メイドに案内され着いた部屋には、ひと足先に着いていたらしいユーリス先生と…


「アシュレイ殿下?」


 アシュレイ殿下はロジェット殿下の一つ下の弟君で我が国の第二王子様だ。


 温かいランプのような色の瞳に少し癖のついたふわふわとした金色のお髪と、ロジェット殿下より幾分柔らかな雰囲気をされている。


 妃教育が始まってからアシュレイ殿下のお勉強が始まるまで、王宮で何度かお会いした事はあるものの、まだ幼かったアシュレイ殿下とはあまりお話しできた記憶がない。


 それもそのはずアシュレイ殿下はロジェット殿下とは正反対のご性格で、以前ご挨拶した際は侍従の足元に隠れていたのが印象的だった。


「お久しぶりです、ヴィンデミア公爵令嬢。これから訓練をご一緒できること、とても嬉しく思います」


 そうご挨拶してくださったアシュレイ殿下は、温和で控えめな印象は変わらないけれど礼儀正しい様子が、どこかキリッとした空気を感じさせる。


「お久しぶりです。とても頼もしくなられましたね」


「いえ、僕なんか兄上に比べればまだまだです」


 アシュレイ殿下は常に兄であるロジェット殿下を立てる為、ご自分の主張をはっきり仰るロジェット殿下との兄弟仲も比較的良いと聞いている。


 我が国では以前、王の座を巡り王子達とその婚約者の家による国全体を巻き込んだ内戦が起こった過去がある。

それ以来、第一王子が病弱であるなど王位継承の懸念が無い限り基本的に第一王子が優先される。


 第一王子が正式に立太子されるまで、第一子以降の王子達は婚約者も定めない決まりだ。

それ故にか元々の気質か、アシュレイ殿下は常にロジェット殿下を立てるよう身についているようだ。


「アシュレイ殿下の魔法の講師も私が担当することになってね、せっかくだから合同でさせてもらおうかなって思って」


 なるほど。アシュレイ殿下は先月が誕生日だったと記憶している。

アシュレイ殿下もこれから魔法の授業が始まるのだ。


「生徒が2人いればできる訓練も増えるし、もし私が任務で来れない日ができても2人で課題をしてもらえる」


 先生のその言葉を聞いて心が躍る。

2人いないとできない訓練ってどんなのだろう?

2人で魔法を使うとか?

もしくは先生も一緒に3人で何か作るとかかな。


「わ!楽しそうですね!課題も2人なら捗りそうですし、寂しくないです」


「でしょ」


 私がそう言うと先生が笑顔で返してくれる。

しかし、それを見たアシュレイ殿下が何故だか少し驚いたお顔をされていた。


 あれ?何かまずい事を言ってしまっただろうか…?


「フィリリア嬢もそんな表情をされるんですね。僕も授業をご一緒できること、とても嬉しく思います。よろしくお願いいたします」


 そうアシュレイ殿下が仰った瞬間、自分の失態に気がつく。


 しまった!思わず、普段のユーリス先生の授業の時と同じようにはしゃいでしまった!!


 今後授業をご一緒する中でいつかは出てしまうとは思うけれど…久しぶりにお会いしてご挨拶したところだし、まだ貴族令嬢としての礼儀作法をほっぽり出すには早過ぎる…!


「こちらこそよろしくお願いいたします」


 恥ずかしさと自己嫌悪で落ち込む気持ちをなんとか立て直し、始終丁寧なアシュレイ殿下に倣いこちらも深々と頭を下げる。


「よし、挨拶も済んだ事だし訓練を始めようか。まずは訓練に適した場所へ移動するから着いてきて」


「「はい!」」


 何処となく漂う気まずい空気を取り払うかのように、先生が廊下へ続く扉に向かう。

私は勝手知ったるという感じで庭園のいつもの場所へ向かう先生の後を追った。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ