表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
紫水晶と星の花  作者: 星見七つ
第一章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

25/76

13歳になりました



魔法の訓練が始まって早1年が過ぎ、13歳になった私は…


「先生ー!ユーリス先生ー!見てください!おっきいの釣れました!!」


 森の中での授業を全力で満喫していた。

釣り上げたばかりの、大きさが私の頭程ある川魚を両手で掲げる。

少し遠くで薪を集めていたユーリス先生に呼びかけると、顔を上げた先生が少し驚いた顔をした後、笑顔で褒めてくれる。


「すごいね!フィリリア、大物だ」


「はい!今日のお昼はご馳走です!」


 魔力が高い私は王宮内での訓練では限界があると先生が王妃殿下へ掛け合ってくれ、半年程前から森での訓練に移行している。

 先生の転移魔法で移動している為、具体的な立地は分からないけれど、ここは自然の食べ物が豊富で、綺麗な川も流れている。その上、危険な獣や魔獣も少ない先生のお気に入りの場所なのだそうだ。


 森の中はドレスでは厳しいので同じタイミングでお母様に訓練着をおねだりした。

引っかかりの少ないシンプルなチュニックに、足は乗馬用のパンツとブーツで完全防備だ。


「そうだね、魚は十分だろうしそろそろお昼にしようか」


「はーい!」


 そう言って魚の入ったバケツを掴み、先生の元へ向かう。王宮での釣り上げた魚は観賞用なので全てリリースしていたが、ここで釣った魚は食べられる。


 これがとても美味しいのだ!

最初は少量でおやつという体だったのだが先生にお願いしてお昼休みから訓練を始めてもらい、お昼もここで食べている。


訓練の時間も増えて一石二鳥である。


「フィリリアも生魚に大分慣れたよね」


「そう言われれば…そうですね」


 私とお喋りをしながら、先生は私から受け取った魚を手際よく捌いていく。

最初は調理されていないとれたての魚におっかなびっくりしていたが、私も今では両手で掴める程になった。


「これは大きいから食べやすい大きさにしようかな」


 そう言って先生が手に取ったのは先ほど私が釣った大物だ。

私は先生から受け取った内臓を取った小振りの魚をせっせと串に刺していく。


 ちなみにこの串も今先生が使っている包丁やまな板も全て先生のローブの内側から出てきた。

いつものことだが仕組みは未だに分からない。いつか教えてくれるだろうか。


「串に刺さないんですか?」


「うん、さっき食べれるキノコを取っておいたからそれと蒸そうと思って」


 いつの間に…。


 よく見ると薪に混ざって茶色いキノコが小さな山を作っていた。

キノコ探しも森でよくやる訓練の一つだ。探査の魔法で探すのだが、先生がついでだからと食べられる物と食べられない物も教えてくれる。


 私は公爵令嬢なので無いだろうけど、万が一野山に置き去られても強く生きていけそうである。


「フィリリア、火の魔法はまだ怖い?」


「…はい。ちょっと…時間を空けたいというか、何と言うかで、その…」


 下拵えを終えたらしい先生が優しく問いかけてくれる。

薪を組んでいるから、そろそろ種火が欲しいのだろう。


 使える魔法も大分増え、制御も順調ということで先日始めて火の魔法を教えてもらったのだが、種火を付けるはずが大爆発を起こしてしまい少々尻込みしてしまっているのだ。


「じゃあ今日は私が火をつけるね」


 そう言われてホッとする。


 あわや大惨事だったのを、すんでのところで先生が魔法で押さえ込んでくださったから良かったものの、思い出すと今でもちょっと怖い。


 先生は「魔力量の多い子には良くあることだから気にしないで」と言ってくださったけれど、森を焼け野原にするところだった…。


「すみません…お願いします」


「任せて」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ