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紫水晶と星の花  作者: 星見七つ
第一章

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婚約者とのお茶会 part2



 あれからも魔法の授業は順調に進み、少しずつではあるが使える魔法も増えてきている。


 それに、妃教育の授業数が少なくなったお陰で予習復習が必要な量も減った。

その上、睡眠時間も増えたからか体調も良い。


 何より、魔法の授業のおかげで毎日が楽しい!



 今日はまた週に一度のロジェット殿下とのお茶会の日だが、今までは緊張と「今日は来られるだろうか…?」という不安とで一杯だった気持ちも、この後の魔法の授業を思うと心が軽くなる。


  大人しく椅子に座っていると王宮のメイドが紅茶とお菓子を運んで来てくれる。


  天気が良い時は中庭のガゼボでのお茶会になる。

今日はとても日差しが暖かくて、穏やかな風が心地良い。

 基礎訓練のおかげでこういった些細なことも気付けるようになったのも良い変化だ。


 今日の訓練は何かな?

天気も良いし、ここのところ王宮庭園の人工池で練習している釣りだろうか。


「おい…」


 なかなか難しいけど、この間初めて小魚が釣れた時はすごく嬉しくて…


「おい!聞いているのか!」


 耳に飛び込んで来た大声に驚いて、跳ねるように顔を上げる。


 その瞬間、視界に映ったのは太陽と見紛うほどに輝く金色の髪と燃えるような紅の瞳だった。


 驚く事に…テーブルの向こうにロジェット殿下が仁王立ちをしていた。

妙に草臥れた侍従と護衛の騎士も一緒だ。


「も、申し訳ございません!少し考え事をしておりまして…!お会いできて嬉しく思います」


 急いで立ち上がって謝罪を述べる。


 そんなに時間が経っていただろうか…?

気づけば、いつの間にか目の前の紅茶からは立ち上がっていた湯気が消え、冷め切ってしまっていた。


「はぁ…この俺がわざわざ来てやったというのに、その程度か?」


 そう言いながらロジェット殿下が不満を露わにした態度でドカッと侍従の引いた椅子に座って足を組む。


 私としては嫌味にならないよう最大限気をつけて感謝を述べたつもりだったのだけど…。

これ以上何をお伝えすれば良かったのだろう。


 こういう時に上手く殿下の喜ばれるような言葉が出てこないから、殿下のお気に召すことができないのだろうか。


「ふん、まぁいい。今日の俺は機嫌が良いからな」


 ロジェット殿下はそう仰りながら侍女が入れたお茶にミルクと砂糖をドバドバ入れている。


 王宮で使われている茶葉は最高級のもののはずだけど…あんなに入れて味や香りはお分かりになるのだろうか。

何度見ても不思議に思う。


「何か良いことがあったのですか?」


 こういう時は何かあったのか聞く。

後はとにかくロジェット殿下の話に相槌を打つ。

これがロジェット殿下のご機嫌を損ねない最適解だ。


 何を言ってもロジェット殿下の気分を害してしまう私の、今までの婚約期間で会得した数少ないロジェット殿下との穏便な交流法である。


「聞いて驚け!ようやく魔法の講師の交代に父上が首を縦に振ったのだ!これでようやくまともに魔法が使えるようになる」


 そう言って殿下は得意げに鼻を鳴らす。


 魔法の講師の…交代…?


「ええと…それは、どなたからどなたに…?」


 ロジェット殿下の思ってもみなかった言葉に困惑しながら問いかける。


「決まっているだろう?あのどこの馬の骨かも分からない孤児出身の魔術師団長だ。父上からお前もアレに教わっていると聞いたが違うのか?」


 それは私の知っているユーリス先生だろうか。



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