表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/21

第2章|正統カリフ時代とイスラーム帝国の拡大


『焚き火と帝国のはじまり ― 正統カリフ時代の会話』


―焚き火のそばで夕食を取りながら、三人は“イスラームの最初の拡大”について話していた―


セイル:「アブー=バクルって、ムハンマドの友達なんだよな? そのあと何人かカリフっていたんだよな?」


リィア:「ええ。“正統カリフ”と呼ばれる4人が続いたわ。すべてムハンマドの仲間か親族だったの。」


エファ:「4人、ですね……えっと、順番に言えますか? アブー=バクル、ウマル、ウスマーン、アリー。」


リィア(うなずく):「完璧。正統カリフ時代は、イスラーム国家が“帝国”になっていく過程でもあるのよ。」


セイル:「帝国ってことは、戦争したってことだよな?」


エファ:「ジハードですね。“聖戦”と訳されることもあるけど、本来は“努力”という意味……ただ、当時は領土拡大の戦いとして展開されました。」


リィア:「たとえばササン朝ペルシアを滅ぼして、ビザンツ帝国からもシリア・エジプトを奪ったわ。」


セイル:「え、マジ? そんなに速く?」


リィア:「正統カリフ時代(632〜661)は、たった30年足らず。でも一気に西アジアと北アフリカの広範囲を支配したの。」


エファ:「これは兵士の勇敢さもあるけど、当時のビザンツやササン朝の衰退、宗教的対立も背景にありますよね。」


セイル:「え? 宗教って、関係あるの?」


リィア:「たとえばシリアやエジプトでは、ビザンツ帝国による“キリスト教の宗派弾圧”があって、現地の人々はイスラームを解放者のように受け入れたのよ。」


エファ:「なるほど……それで“ジズヤ”って税を払えば信仰は許されたんですね。」


セイル:「ジズヤ……? 聞いたことあるな。信者じゃない人にかかる税金か?」


リィア:「ええ。イスラーム教徒ではない被征服民が支払う税ね。その代わり、信仰の自由は守られた。」


エファ:「でも、最後のカリフ=アリーのときに“内戦”が起きたんですよね?」


リィア:「そう。656年、ウスマーンが暗殺され、その後継としてアリーがカリフになると、一部から正統性を疑う声が出た。特に“ムアーウィヤ”と対立して“内戦”(第一次フィトナ)が始まった。」


セイル:「フィトナ……火花って意味だったな。なんかいよいよややこしくなってきたな。」


【大学入試一問一答|第2章(10問)】

1.正統カリフ時代の初代カリフは?

→ アブー=バクル

2.正統カリフ時代にビザンツ帝国から奪った地域は?

→ シリアとエジプト

3.ササン朝ペルシアはどの政権に滅ぼされた?

→ 正統カリフ政権

4.ジハードとは本来どういう意味?

→ 努力(奮闘)

5.ジズヤとはどのような制度?

→ 異教徒に課された人頭税

6.正統カリフ時代の第3代カリフは?

→ ウスマーン

7.アリーの即位をめぐって起きた内戦は?

→ 第一次フィトナ

8.アリーと対立したシリア総督は誰?

→ ムアーウィヤ

9.ムハンマドの従兄弟でもあった第4代カリフは?

→ アリー

10.正統カリフ時代のイスラーム教徒の宗教・政治の指導者の名称は?

→ カリフ


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ