精霊達の依頼と新たな同行者
『良え知らせと、よう分からへん話がある。
取り敢えず、良え知らせから話すで。
テチス山脈支店のギルドの職員さんが連れてはった、医療関係者の登録者さん達が、
ムタヨリオトコの村の人達が麻酔薬と呼んではる薬品を使用した医療行為のやり方が書かれた冊子を監修しはった人を知ってはったんや。
冊子を監修しはった人は、40年前に俺達の世界から召還されはった医者で、天才薬師とか、天才治癒師とか呼ばれてはったルベルバルバ。ちゅう人や。
薬剤師やった俺は手術のやり方とかは分からへんけど……彼と薬談義をして分かったんは、彼は、俺達の世界で本物の医者やった。ちゃう事やな。
そうそう。
テチス山脈支店のギルドの職員さん達は、冊子を監修しはったんがルベルバルバさん。ちゅう事もあって、彼の提唱してはる技術を、正式に特許申請を出して貰いはって、受理しはるを事を決定しはったわ。
それと……ルベルバルバさんは、
ムタリオトコの村で弟子を何人か育てはってたらしく、彼が建てはった診療所をムタリオトコの村のお弟子さん達に任せはって、奥さんのコロックさんと一緒に俺達の仲間になり、ネギハタ高原国に移住してくれはる事になったわ。
ちゅう訳やから、俺としては……
俺達の世界の医療関係者でもあらへん、自分達(クルサル達)が、わざわざ、こっちに来はる意味は無くなったと思う。
せやけど、まぁ……テレビ会議の形式でも悪意とかを持ってはるか見えはるゼロヒトさんの異能で念の為に、ルベルバルバさんとコロックさんを紹介させて貰うつもりや。
その方が、自分達(クルサル達)も安心やろ?
ここまでの話で質問とかないんやったら、よう分からへん話をさせて貰うわ。』
ビアトリさんは、そう言うと、一旦、話を区切った。
◇◇◇
『質問があらへんようなんで、よう分からへん話をすわ。
この村の村に住んではる、2人のお子さんが、自分達(クルサル達)に保護して貰いたい。って言ってはるや。
でっ。2人のお子さんが言わはるには、40年前に、俺達みたいに召喚されはり、その後、【虹を見たい者達】ちゅう過激派組織に殺されはった人達の転生者。ちゅうんや。
因みに、男の子の方は、コロックさんのお兄さんの転生者で、
女の子の方は、その男の子の婚約者の転生や。ちゅうてはるんやけど……
コロックさんも、トゥムトゥスさんも、その事を信じてはる事から、ホンマの話っぽいわ。
因みに、自分達(クルサル達)に保護を求めはるんは、ミンボン山脈の樹海に住んではる精霊達とテチス山脈の精霊の勧めらしいんや。
男の子が言わはるには、自分達(クルサル達)の許可を得られはったら、テチス山脈に住んではる精霊達が、お子さん達を自分達(クルサル達)の馬車の近くまで転送させてくれはる。ちゅう話や。
それと……男の子が言わはるには、
ゼロヒトさんが受けてはる【ミンボン山脈の樹海の妖精の祝福】 なんやけど……ミンボン山脈の樹海の妖精が精霊に戻りはった為、祝福の効果が少なくなりはったらしいんや。
せやから、他の人達と同じく、鑑定魔法とかを使用はった時に権限がのうて閲覧が不可になりはるもんが多いらしいんや。
でっ。男の子が言わはるには、テチス山脈の精霊から祝福を受けてはる男の子の方が、自分達(クルサル達)よりも見れる権限が高いんで、自分達(クルサル達)の役に立つと言わはってはるんや。
ただ、テチス山脈の精霊もミンボン山脈の樹海の精霊も神仏の代理人とかいわれてはる存在と同じ権限を持てはる大精霊とかいわれてはる存在ではあらへん。
せやから、自分達(クルサル達)よりかは多くの権限を持ってはるものの……男の子にも権限がなくて見る事が出来はらへんもんもある。とも言ってはる。
まぁ……権限。ちゅうが、何なんかは良う分からへんけど……嘘はついてはらへん気がする。
でっ。どないしはる?』
ビアトリさんの困ったように話す声が携帯から聞こえてくる。
◇◇◇
「【瘴気 増幅装置】の鑑定した時に、権限が無い為、閲覧不可。って文字が見たのは……やっぱり、見間違いでも勘違いでもなかったのね。」
「みたいだな。
それと、これは、俺の直感なんだが、精霊達の願いを聞き入れた方が良い気がする。」
「わたしも、そう思う。」
嫁とゼロヒト君は、僕達に保護を求めいるという、子供達の受け入れに賛成のようだ。
「ゼロヒトさんと姉さんが、そう思いはるんやったら、保護しても良えんちゃう?
ウチ的にも……助けを求めてはる子供を見捨てるような真似をするんは気が引けるし……賛成するわ。」
「見ず知らずの人の子達に興味はにゃいが、
精霊とは良好な関係を維持しておった方が良い気がするにゃね。」
「オイラは、ミケコの意見に賛成だな。」
ヨロズコちゃん。ミケコ。コルドマも、僕達に保護を求めているという、子供達の保護を了承する言葉を口にする。
「サケクさんとタハさんも、それで良い?」
「あっし達は、お供させて貰ってる身っす。
ヤバいと思ったら、別行動させて貰うかも。っすけど……賛成とか反対とか言える身分ではないっす。」
「サケクの言う通り、アタシ達には、皆様に物申す権限はありません。
ただ、その……
ルベルバルバ様やコロック様は尊敬が出来るお方です。
アタシとしては、そんなルベルバルバ様やコロック様の関係者だという、お子様達を、お世話させて頂く事に問題はありません。」
サケクさんとタハさんも、僕達に保護を求める子供達の受け入れを了承してくれた。
「でっ。パパはどうなの?」
「精霊達の依頼なら受けた方が良いと思う。」
僕は嫁の質問に素直に答える。
◇◇◇
『ほな。
直ぐに伝えるわ。
後、こっちの打ち合わせの内容はメールで送っとくさかい、落ち着いたら返信しとって。』
僕の言葉を聞いたビアトリさんのホッとした声が携帯から聞こえてくる。
「メールで状況を報告してくれるとか……マジで助かるよ。」
『そう言ってくれはったら頑張りがいもあるわ。
自分達(クルサル達)の馬車を止めて欲しい。って精霊達が言わはってるらしい。
お子さんの名前はトゥムトゥスとニュルネアンや。
自分達(クルサル達)の馬車の直ぐ後ろに転送しはるようや。
ちゅう訳で、お子さん達の事、宜しく頼むで。』
ビアトリさんの真剣な声が携帯から聞こえてくる。
◇◇◇
【パァァァァーン】
ゆっくりと歩みを止め始めた馬車の後方の地面に光の輪が出来たかと思うと、男の子と女の子が光の輪の中に現れた。
2人は、杖。ナイフ。水筒。背嚢。腰袋を装備し、
着ている衣服や靴等から察すると、子供用の【 人外地の運び屋の標準装備】を装備しているように思えた。
「オレの名はトゥムトゥス。
こっちのはニュルネアン。
今回は、オレ達の保護して頂けるとの事、感謝します。
ビアトリ殿。
無事、合流する事が出来ましたよ。
ご協力、感謝します。」
男の子が、大きな声で話す。
『無事、合流しはったようやな。
こっちも、やる事が盛り沢山やから通信を切らして貰うで。
ちゅう訳で、お子さん達に、宜しゅう伝えといてな。』
「了解。
ルベルバルバさんと、コロックさんだったけ?
しっかりと保護させて貰うと伝えといてくれ。」
『了解や。
ほな、またな。』
ゼロヒト君の返答を聞いたビアトリさんが、そう言うと通信を切った。
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