ポンコツハーピーのエメ
「ハーピーを購入!」
ダンジョンコアの画面から3000ポイントが引かれて残りは7000ポイントになった。それが確認できるとダンジョンコアの近くから魔法陣のような物が浮かび上がりリビングを光輝かせた。
光が消えるとそこには緑髪をした可愛い顔をした女の子がいた。顔よりしたは鳥と人が混ざったような身体をしており、体型的には18歳ぐらいの平均的な体格に見える。
「私を召喚したのはあなたね、、?ふーん弱そうな人間だわ。ハズレかしら」
人を見下しているかのような目で見てくるハーピーに少しイラついたがグッと耐えて大人な対応をしよう
「俺の名前は猫城 大河だこれからよろしくな」
俺はハーピーに向けて手を差し出したがいつまで経っても手を握ってはくれなかった。
「そう。興味がないわ。それにしても狭いダンジョンねわたしの住処はないのかしら?あら2階があるのねひとまずそこでいいわ」
ちょっまて、、、俺の静止も聞かずに2階に飛んで行ったが2階にはスコ太郎がいるが大丈夫か?
そうこうしているうちに2階の部屋からドタバタと音が響いてきた。
【にゃあー!鳥にゃ!焼き鳥にして食うにゃ!】
「きゃあああなんで猫がいるのよ!!!ちょ、えっやめて無理うわぁぁ」
そんな悲鳴のような叫び声が聞こえてから慌てて降りてきたハーピーは傷だらけで満身創痍になっていて息も荒げている。
「あんたなんで猫なんて飼ってるのよ!?ハーピーは猫が天敵なんてゴブリンでも分かることよ!!はやくあの猫を捨ててちょうだいな!!」
【僕のこと呼んだかにゃ?】
「きゃあぁああやめて、うそ、ほんとやめてくださいこれ以上は噛まないで、、ごめんなさいぐす」
【あんまりあんた美味しくなさそうにゃ!!しょうがにゃいにゃ子分にしてやるにゃ!】
「なんで猫の子分にならなきゃいけないのよ!あ、いえならせていただきますので爪をたてようとするのやめていただきますか?た、たすけてぇぇ」
このダンジョンの序列争いは見事に確定したようだった。後にハーピーに跨る猫が伝説になることを俺はまだ知らない。
よし次はダンジョンガチャの項目をタッチしてみよう。
スコ太郎とハーピーが楽しそうに戯れているのを横目にダンジョンコアに触れる。
ガチャの文字に触れたそこには初心者ガチャと記載されており残り時間が後23時間弱あり少しずつ減っていく。
もしダンジョンコアの存在に気づかず部屋にこもっていたら無駄になっていた。
[無料限定10連ガチャ!1つはBランク以上確定]
そんなバナーが表示されている。早速だが引いてみる。
ガチャガチャがダンジョンコアの前に現れると軽快なリズムを奏でて動き始めて、数秒したら10個のアイテムがガチャから飛び出した。
簡易トラップ(D)
ポーション(E)
またたびの木(A)
竹槍(F)
名付け札(C)
招き猫の貯金箱(B)
爆弾(F)
BBQセット(D)
簡易照明(F)
自動給水セット(C)
ガチャから排出されたアイテムを1つ1つ確認していくことにしよう。
まず簡易トラップは落とし穴、睡眠ガス、腐敗ガスの3つの中から選択できるらしく、また同じ勢力の場合は発動しないらしい。これでスコ太郎が勝手にトラップに引っかかってる事態にはならなくて安心だ。
ダンジョンコアに触れて玄関の前に落とし穴を設置する。ついでにガチャから出た竹槍も落とし穴にセットできないか試したら出来た。
次にポーションだが今はまだ必要がないため家の冷蔵庫の中に入れとこうと思ったんだが電気が通っていなかったからとりあえず冷蔵庫の上に置いた。
今度はまたたびの木についてだ。ガチャの中ではAランクと1番の当たりとなっているが実際どんなアイテムなのか検討がつかない。説明にもまたたびの木を植えることができ、破壊不能オブジェクトですとしか書かれていない。
設置しようとしたらまた別の場所に再設置することもできるみたいだから庭の端にでも植えとくか。
コアを操作してまたたびの木を庭に植えた。エフェクトが光輝いてまるでゲームみたいだな。まだ1mもない小さな木だけど成長するだろうか。
さて竹槍はもうトラップに使用したから次のアイテムは名付け札だ。名前の通り配下に名前をつけることができるらしい。
使用するを選択するといま表示されているのがハーピーしかいないため試しにハーピーの名前でもつけてみてもいいかな。ランクもCだし今後もきっとそれなりに手に入るはずだ。
名前は全体的に緑色だしみどりとか?さすがに安直か。
「うーむ緑だしマスカットとかか、、エメラルドグリーンだからエメとかどうだ?可愛い女の子の名前みたいでいいじゃんエメにしよ」
ダンジョンコアのハーピーの詳細に名前を命名するを選択してエメに決定した。
そうするとエメの身体が突如、輝きだした。
「え、、何この光!!これってもしかして。あんた!わたしに名前つけたんじゃないでしょうね!」
鬼気迫る顔をしてスコ太郎を羽に乗せながら慌ててやってきたエメ。
「おう、綺麗なエメラルド色だからエメにしたぞよろしくな」
そういうとエメはガクッと床に倒れ込んで「わたし死ぬまでこの猫と一緒ってこと、、?」と泣きながら言っていたが泣くほど嬉しかったのか仲良くなれたよかったな。
スコ太郎も満足そうにエメの羽に埋もれて寝ている。いい羽布団が手に入って良かったな。それにしても仲間の仲が良くてマスターとしても嬉しい。