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05 悩む王子と腰巾着

 

 ◇ 



 スカイフォード王国、国王は難しい顔で指輪を睨んでいた。


 ほどなくして扉からノックの音が鳴り、音の主が扉越しに声をかけた。


「父上、お呼びでしょうか」


「ヴィンセントか。入れ」


 スカイフォード国王の息子、ヴィンセントは使用人に招かれ部屋に入ると父の機嫌が悪いことに気が付いた。


「なにかおありになりましたか」


「……これだ」



 そう見せたのは先程まで難しい顔で持っていた一つの指輪。


「これは?」


「呪いをかけた娘の母方の祖父が減刑を求めて献上してきたのだ」


 呪いをかけた娘と聞いてヴィンセントは顔を顰める。


 自分の中ではもう終わった話なのに蒸し返されるようで良い気分はしなかった。



「そんな指輪付き返してやればよかったでしょう」


 しかしそうも出来ない理由があった。


「この指輪を付けている間は呪いが解ける装備品だ。実際呪われた者に試したら本当だった」


「それは……」


 絶対に指輪をつけないといけない制約付きではあるが、これでレノアが呪いの無かった頃の普通の生活が出来るようになる。



「このまま呪いがかかったまま結婚すれば美談として上手くまとまる筈だったものを」


 全くすべてにおいて面倒なことをしてくれる……と、国王は深くため息をついた。


 国王も息子と同じく育ってきたレノアに愛着があり、細かい気配りも出来、教養も見た目も申し分ない。


 そして今この国に一番足りない忠誠心を身体を張って示した、最高の人材だった。



「……俺は……もう、レノアを愛してしまいました」


「知っておる」


 呪いのかかった忠臣という話題性もあり、なにより息子のヴィンセントが乗り気だ。



「…………」


 ヴィンセントは指輪を手に取ったまま固まったまま。


「――……このまま何もなかったと見たもの全員口封じして握りつぶすことも出来る」


 国王としては呪いをかけた一族諸共口封じしてなかったことにしてしまいたかった。


 そうすればヴィンセントと結婚するしかないレノアは自動的にヴィンセントの元にやってくる。



「……しかし、それでレノアを幸せに出来たと言えるのでしょうか?」


 ヴィンセントを守る為に犠牲になったレノア。


 それを今度はヴィンセントが利用していいものなのか。



(本当はレノアは男に戻りたいんじゃないのか……?)


 国王はまた一つため息を落とした。


「それはお前に渡しておく」


 ヴィンセントは国王に礼をし、部屋を後にした。




「……もし、レノアが俺を選んでくれるのなら……」


 廊下で独り呟いた言葉は闇に消えていった。








 ◇








 学園生活は俺が思っていたよりもすんなりと馴染んだ。


 ヴィーが休学中に手を回してくれたおかげだろう。



 サロンの男子たちは討論会により意気投合し、ヴィーに頼んであの会を持続したいなどの話が出ている。


 ヴィーも話を聞いていて感じるものがあったらしく前よりも男子たちと打ち解けて話すようになっていた。



 そして何より――……


「ヴィンセント王子が売却済になったおかげでやっと俺たちにも女がまわってくる!」


「別にハーレムを築きたくて築いていたわけではないぞ」


「わかってますって。しかしこの年代は王子がいたせいで皆王子に行ってしまってましたからね……」


 ヴィーがあからさまな嫌な顔をしているが、人生とは上手くいかないものである。



「神様レノア様! なんとか女子とのお茶会のセッティングとか整えてもらえないでしょうか!」


「なんで俺が…」


「元男でありながら女子の花園にもいけるレノア様が適任じゃないですか!」


「確かに……」


 ちょっと考えてみるよと軽く返事をすると男子たちは「うおおおおっ!!」と雄叫びをあげて喜んでいる。



 そ、そんなにヴィーにとられていたのか……。




 その元凶を作ったヴィーは素知らぬ顔で紅茶を口にしながら


「レノアは俺に迫ってきた女の後始末を丁寧にやっていたからな。大体の女の本性は知ってるぞ」


 と助言……という名の丸投げをしてきた。



 それを聞くや否や男子生徒たちは目を見開いて自分の気になる女子の本性を聞きに迫る。


「レノアさん!! 俺マルセリーナちゃんが気になってるんだけど!! どんな子!?」


「ビリジアナ嬢は見た目通りの清楚美人だよな!?」


「あ、あーっ! 落ち着いて……!」




 先日のヴィーの求婚宣言で、俺は瞬く間に婚約者のような扱いを受け始めていた。


「ヴィンセント王子がレノアと結婚するって言い出してるって聞いた時はなにかと思ったが、今こうやって並んでいるのをみると『これしかない!』って感じがするな!」


「昔っから一緒にいるから目が落ち着くみたいなやつ。わかるわかる」


「はは……は……」



「身代わりに呪いにかかった忠臣に対して王妃なんて最高峰の待遇、ヴィンセント王子の器の広さが大陸中に轟くぞ」


『呪いを代わりに受けた忠臣と結婚』という物語のような響きはやはり魅力的なのか、貴族たちのウケも良く、令嬢たちも喧嘩を売ってくるような者はいなかった。


 今『呪いを身代わりに受けた忠臣が結婚するから嫉妬して攻撃』なんて悪役に率先してなりたがる奴はいないだろう。



 みんなから祝われ、おおごとになっていき、なんだか本当に結婚するような空気になってきた。


 いや、人生の殆どをヴィーと過ごしてきたから、ヴィー以上に一緒に居て楽な奴もいないだろうし、一生ものの親友と本当に一生一緒にいる約束をするようなもので……全然苦じゃない。



「ただなんていうか俺、この前まで男だったのに受け入れ早くないか?」


「お前がそれだけハマり役だったんだろう」


 女として生まれる予定だったんじゃないか? と、からかってくるくらいにはヴィーは俺に気安さが戻っていた。


 ちょっと悔しいと思いつつも鼻で嗤うような仕草をするヴィーにドM心が疼いた。


 はっ! いかんいかん……。





「……王妃の勉強って、何すれば良いんだ」


 才能がなかったら流石に正妃には……とストップがかかるかもしれないし、最悪影武者を雇うとか優秀な補佐役という名の人形使いの傀儡になるとか、そういう用意が出来るかも……。



 初代王は若くして王になり、国の礎を築いた。


 ヴィーの時代はその意志を継ぎ、より強固な地盤を作る……謂わば中継ぎのような堅実な政策が求められる。そこまで難しい政権じゃない。


 未だに英雄王たる王族の威光は凄まじい。


 民心からの支持も厚いし、ヴィーの反乱分子は今から潰していっている。


 ヴィー本人自身の王としての気質も間違いなく、取って代わって王になりたいと思っている義兄弟は居ないようだった。



 出来る父王と旦那を持って……つまり、王妃としてはかなりのイージーモードだ。



「俺とずっと一緒にいても横柄にならなかった謙虚で控えめなお前なら丁度いい」


 そうヴィーに言われた。


 た、確かに……あの二人を見たら引きこもってるだけの王妃でも下手したら務まりそうなくらい簡単に見えるけど……。



『お前は俺の横にいて微笑んでるだけで良い』なんて言われ、俺が役に立たない何もできない奴のようでなんだか微妙な気分になる。


 なんかもっと『お前じゃないとダメなんだ!』とか認められてみたいなんて夢見がちなんだろうか。




 ◇




 王妃教育なるものも勉強することになったのだが、王妃教育は内政に更に一歩踏み込んだようなもので、王様が留守であったり病床の有事の際、動ける程度の采配力を身に着けるのが一番重要なところみたいだ。


 でも、普段から臣下とコミュニケーションを取って連携が取れればある程度は頼れる。


 俺みたいな無能はこの前の宰相の息子くんや騎士団長の息子くんと仲良くしておいていざという時に話合える信頼関係を築くのが大事だ。


 最終的にものを言うのはやはりすり寄り力(コミュ力)だろう。




 そしてここからも難しい議題だが、王妃になると、夫人や令嬢たちのてっぺんに君臨することになる。


 元男の俺が、である。



 元が男の王妃など令嬢たちも俺をどう扱って良いものか計りかねるだろう。


 友好的な者、敵意の見える者、困惑している者……色んな視線を感じる。


 女のてっぺんが元男というのも女社会なのにしゃしゃり出てくるなという派と、違う存在だからこそ喧嘩が起き辛い、ならいいかという派という二方面がある。


「とりあえず……女の園に来たんなら園の大将に挨拶しとかないのはまずいよな」








 やってきたのは学園の中でも景観の良い中庭に様々なお菓子を用意された美しいテーブルに椅子。



 そしてそこに控える学園の女子の中で最も地位の高い令嬢、ビリジアナ嬢である。


 ビリジアナ嬢にアポイントをとり、使用人にここまで連れてこられ、促されるまま椅子に座り、談笑に興じることになったのだが……学園の女番長になにを言われるのかヒヤヒヤものだ。



 そんな心構えをしていたのだが、言われたのは意外な一言だった。



「わたくし、ヴィンセント王子が女性を信じられなくなったことを深く後悔しております」


 そう言ったビリジアナ嬢は悲し気で、痛ましい。



 ビリジアナ嬢は思慮深く統率力のある芯の強い女性で、女性陣の中でもしっかりしていてヴィーが令嬢たちに会いたくないと俺が代わりに対応することになっても極めて冷静な方だった。


 美人だし顔がキツめだから怖くみえるけど、なんだかんだ将来ヴィーと結婚するのはこの方だと思われていたのは納得だ。



 しかしヴィーをめぐる女の戦いはどんどんエスカレートし、ビリジアナ嬢でも制御できない程こじれにこじれてしまっていた。


 それはその骨肉の戦いを間近で目撃し、後処理をしていた俺も骨身に染みてわかっている。



「わたくしも王子をお慕いしていなかったと言えば嘘になりますが……王子に貴方がいてくれて良かったと思っております。わたくしは貴方を応援致しますわ」


「ビリジアナ様……」


 まだ求婚されてる段階なんです……なんて到底言いずらい雰囲気だ。



 ビリジアナ嬢のお家はごますりだけの俺の家なんかより家格がずっとずっと大きくて裕福で国にも貢献している。


 こんなに良い子なのにヴィーは女性の一部を見て総てを駄目としてしまったのは勿体ないと思わざる得ない。




 ビリジアナ嬢は「今後の役に立つかも」と、手書きで描いてくれたのであろう令嬢同士の簡単な関係図を見せてくれた。


「有難いです」


 ただ、ヴィーと令嬢の間をせこせこと取り持っていた経験が生きて、ある程度の女子の派閥は把握している。



 怪我の功名か『ヴィーがすみません』というプレイボーイでも何でもない手紙を結構な数の令嬢に送っており、文通をしたことがある程の知り合いも結構いた。


 俺が婚約者候補になったという話をどこかで聞いたのか『誰かのものになるなら貴方の方がマシだわ』という結論に落ち着き、手紙を送ってくる令嬢もいた。



「レノア様なら大丈夫だとは思いますけれど、女性にも序列や派閥というものがありますの」


「はい。存じております」


「今からそこに入って行くのは正直かなり難しいかと思いますわ」


 なにか策がないと……と。ビリジアナ嬢は口を扇子で隠してそう言った。


 つまり女性たちが喜ぶような、想い人のにっくき恋敵だろうが味方になると美味しい思いが出来る存在にならねばならないということだ。



「……成功するかはわかりませんが一つ考えがありますので、試してみようかと思います」


 ヴィーが売却済みになったことにより他の男に目が行くようになった令嬢たちは、言い方は悪いが今まさに男を物色中だろう。



 そこに今まで男だった俺がやってくる。



 将来に大きく関わる未来の旦那様候補の良い情報が手に入るというわけだ。


 更に生徒達の男女合同のお茶会を主催すれば、出会いの場を提供出来、こちらへのヘイトも少しは減るという寸法だ。


 なんだかキューピットか何かの気分である。







「そんなわけでお茶会を開こうと思うんだけど」


「…………」


「……? ヴィー? 聞いてる?」


「あ、ああ……すまん」


 ヴィーの方から俺の部屋に訪れに来てるというのに最近ヴィーはどことなくボーっと上の空にしていることが多かった。


 やっぱり予定が立て込んで疲れてるのかと心配すれば、そうじゃないとかぶりを振るう。


 どうも不思議だった。



「しかしお前の家でその規模の茶会は大変だろう。俺の方からも手伝いを寄越そう」


「おおっ! 王室が協力してるとなればちゃんと人も集まりそうだな。ヴィー、サンキュー!」


 上機嫌で礼を言えばヴィーは更に難しい顔をしている。


 一体何なんだ。



 ヴィーは俺しか嫁はとらない一夫一妻でいくつもりらしいが、ヴィーの父はかなりのお嫁さんをもらっており兄弟がたくさんいる。


 とりあえず血が途切れることは絶対にありえないし、一妻であっても女手で困ったときはヴィーの義妹たちに助けてもらったりすればいいだろう。



 まさに絵に描いたような順風満帆。


 なにも迷うものなんてない……はずなのだ。



 ……どんどん将来への道が整備されていく中、ヴィーの悩みなど……俺がイエスと言わないくらいか?


 しかしその気になれば無理矢理にでもイエスと言わせられるし、今だってほぼ婚約状態で結婚へ話が進んでる。



 俺から求婚にイエスと言わない訳がある。




 ヴィーが好きになってしまった。多分恋愛感情で。




 だから言えなかった。




(女に好かれたくないから俺を選んだ奴に告白なんて出来るか……)


 しかし毎回あの端正な顔で丁寧に甘やかされてはクラクラもする。美しさが罪で俺は悪くないと言えたらどれだけ楽か。



『口説き落とす』というのは言葉のあやで俗に言う『政略結婚の勧誘』だ。


 そんなものに本当に口説き落とされましたと言えるか? 男だった。俺が。



 俺は横でバレないようにチラリとヴィーの横顔を眺めた。


 憂い顔をしたヴィーも影があってかっこいい。そんな感想しか出てこない辺り俺は相当やられているだろう。



 元男の親友がガチ恋だなんて気持ち悪すぎる。


 バレて気持ち悪がられたらと思うとショックだから、この気持ちは隠そうと思っていた。



「……なあレノア」


「ど、どうした?」


 考えていたことが見抜かれたようでドキリと心臓が跳ねた。



「いや……そういえばお前に、将来こんなことがしたいとか、将来の夢みたいなものを聞いたことがなかったなと思ってな」


 そうだな……と俺は考える仕草をした。



「恥ずかしい話、将来の夢なんて大層なものはなかったよ。いつもヴィーが「俺が王になったらこうする!」って唱えた大志を「俺も見てみたい」なんて、ヴィーに乗っかるだけだった」


「俺はそれが嬉しかったぞ」


「ふふ、ありがとう」


 だからこそ十数年上手く噛み合って関係が続いていたんだろう。



 俺とヴィーの関係は、いつもヴィーが俺を振り回して俺が文句を言いながらも従って。


 安心する大きなヴィーの運転する船に乗って、全部後ろに付いて行くだけで幸せを享受していた。



 そんな風に今回も結婚することにならないだろうか。



「俺は今までヴィーに従うことしかしてこなかったから自分がないってよく人に言われてたけど、確かにその通りだよな」


 女になったらもっと大騒ぎするはずなのに、王妃になる勉強までしてるんだぜ? と自分を自虐するがヴィーは笑わなかった。


「…………」


「でもヴィーの役に立つなら、婚約も悪くないっていうか……」


 このまま軽く求婚に答える返事をして、俺の気持ちがバレないようにサラっと婚約者になってしまいたい。



 一生片想いかと思うと悲しいが、親友のままでいれば他の誰のものにもならないと思うとこのままで良いとも思えた。


(なんか俺思考がヴィーの苦手な令嬢みたいになってるじゃねーか)


 そんな自分にゾッとしつつもヴィーにバレないように平静を貫いた。



「だ、だから……っ!」


「レノア」


 へらへらとした俺とは正反対にヴィーは至って真面目な顔でこちらを向いていた。



「もし……男に戻れるとしたら、戻りたいか?」


 その言葉は予想外のものだった。



「え……?」


「…………」


 なんで今まで無理やりにでも嫁にしようとしてきたのに、今更そんなことを言ってきたのか。



 俺の気持ち悪い想いがバレてしまったのか。だから破棄したいのか。


 そう思ったら背筋が凍った。



「い、いや、なに言ってるんだよ。呪いは一生もので、一度かかった呪いは一生解けないんだろ? 今までどんな魔導士でも出来なかったって……」


 俺は焦ったように男には戻れないことを主張した。


 まるでだからヴィーに引き取ってほしいと言っているようでなんとも見苦しい。



「もしもの話だ」


「いやそんなもしもの話したってしょうがないだろ」


「いいから」


 やはり破棄したいんだ、と、自分の考えが当たっているのかもしれないと悪い方向に考えてしまう。


 ヴィーは俺にどう答えてほしいんだ? 腰巾着が抜けない俺は最適解を探してしまう。



『男に戻れるなら』なんて、もう考えつかない。


 ヴィーが好きだから、とも言えない。



「……ヴィーの両親である陛下にも、ウチの両親にも、学校の皆からも俺がヴィーと結婚することを期待されてる。『王子の代わりに呪いを受けた忠臣を妃にする』ことでヴィーの民心が上がるならいいじゃんか。それに俺だって変な奴と結婚するよりはお前の方がいいから……」


 俺はつらつらと必死に俺を婚約者にするメリットをもう一度ヴィーに並べると、ヴィーは悲しそうな顔をした。



「レノアは小さい頃から俺のご機嫌とり役としてずっと仕え、無意識に俺の機嫌を取ることを自分に強いているのではないか?」


「…………そんな……こと……」


 今の今までヴィーの意見を引き止めはすれ、反対したことはなかった。


 全て肯定して機嫌をとることが俺の役目だったから。



「……この指輪は、呪いを解く効果はないが、付けている間は呪いの効果がなくなる装備品だ」


 そう手を取られ指輪を嵌められると、自分の身体が淡く光り身体が馴染みある男の身体になった。


 女物の服を着ていたせいで身体が若干きついが、それよりも制約付きではあるが『男に戻れる』という事実に言葉が出なかった。



「この指輪を付けていればお前は普通に前と同じように暮らすことができる。……俺の我儘に一生を使うことはなくなる」



 ヴィーは俺を呪いの身代わりにしてしまったことを深く後悔していた。


 そして、その責任をとって結婚しようとしたし、婚活もやめれるから一石二鳥だった。



 決して俺が好きなわけではなかったんだ。



 俺はなんと言っていいかわからず、目から一粒の涙がこぼれたが、それを見たヴィーは傷付いたように笑った。

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