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星祭りの日

 荒野を歩いて半時間ほどでゾディアニック王国は見えてきた。すでに祭りは始まっているのか、住民がはしゃぐ声が聞こえる。ゾディアニック王国は全ての星座が見える場所に位置する国らしく、特に綺麗に星が見えるという理由により、毎年7月7日は星祭りが開催されているという。


 屋台の中をくぐっていくと、ある男を呼ぶ声が聞こえてきた。よく見ると道に人だかりができており、中心には白を基調としている正装を着た男が立っている。ゾディアニック王国の王子であるリゲルは、星祭りの日になると城から出て住民と交流する。住民は数少ないこのチャンスを楽しみに待っているのだ。今日も

「今日は雲一つない、いい夜ですね」

「そうですね」

 などとたわいもない会話を交わしている。

「そこにいるのは旅人さんですか」

 一星を見つけたリゲルは、人だかりをかき分けて彼に近づいた。一星はまさか自分とは思わず、少し目を丸くした。

「え、ええ」

「今宵はいい天気です。流れ星でも降ってくるかもしれないくらい」

 一星が次の言葉を聞くことはなかった。その言葉を合図にするように、四方八方から流れ星が降ってきたのだ。一つの星座からいくつもいくつも流れてくる。住民の歓声がワッと上がった次の瞬間、


 歓声は、聞こえなくなった。

 

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