第百魔 下半期
「祝、百話突破記念パーティー!!」
「「「ウェーーーーーーイ」」」
「百話突破記念パーティ!?」
「さっ、とういう訳でね、みなさんのお陰で、この連載も大台の百話を突破いたしましたということで、今日はここ、スパシーバで、メタ発言解禁で記念パーティを開催したいと思います」
「いや、メタ発言は普段からちょいちょいしてるだろ沙魔美……。それに、勝手にスパシーバを会場にするなよ。伊田目さんに迷惑だろ」
「俺は構わねーぜ普津沢。何ならもう、俺酒飲んじゃってるし」
「酒飲んじゃってるんですか!?まだ営業中ですよ!?」
「いやー、それにしても、当初はただのイタリアンレストランのオッサンだった俺に、まさかIGAの局長がもらえるとは、正直連載当初は夢にも思ってなかったぜ」
「あ、そういう裏話も解禁してくんですね……。まあ、ぶっちゃけこの小説は、七割方その場の思いつきで書いてますからね。後から読み返すと、いろいろと矛盾もあるかもしんないけど、読者のみなさん、その点は勘弁してください(真顔)。それこそ十五話で俺が伊田目さんに対して、『何かその内、とんでもない裏設定が飛び出してきそうで怖いんだけど』って独白する箇所があるんですけど、あの時点では作者は、その裏設定を微塵も考えてなくて、後で過去の自分を死ぬ程恨みましたからね」
「俺達の創造主は、思った以上に残念な人物のようだな」
「考えてなかったといえば、マイシスターがこんなにもブチギレキャラになるとはね。初登場時の理知的な雰囲気は、今では欠片も残ってないわね。まあ、胸のサイズは一切変わってないけど」
「クソがあああ!!!誰のせいでこうなったと思ってるんですか悪しき魔女!!あなたのせいで私の人生は滅茶苦茶ですよ!!」
「まあまあ、そんなマイシスターも、六十八話の真理ちゃんが産まれた回では、私の胸の中でしおらしく泣いていたじゃない」
「なっ!?あ、あれはたまたまです!!勘違いしないでくださいッ!!」
「日本一有名なツンデレの台詞。流石マイシスター、隙がないわね」
「あんま真衣ちゃんをからかうなよ沙魔美」
「ウェーイ、飲んどるか~、せんぱーい」
「クッサ!酒クセーなピッセ!?お前もう出来上がってんのか!?」
「カッカッカ、今日は無礼講なんやからカタいことは言いなや。それにこの小説の実質的な主人公はウチなんやから、もっと敬ってもらわんとな」
「はっ!?何言ってんのお前!?一応主人公は俺なんですけど!?」
「せやかて、なろう小説の主人公は、みんなチートレベルマックスキャラなんやろ?せやったら、ウチこそが主人公に相応しいやろがい。ウチやったら、どんなモンスターもワンパンやで」
「いや、それは異世界系の主人公だから!一応これのジャンルはラブコメだし、モンスターとか出てこねーから!」
「伝説の魔獣アブソリュートヘルフレイムドラゴンとかは、一話から出てきとるやろが?」
「いや……あいつはペット枠っていうか……」
「おっ!アッシの話題でやすか!いやー、人気者は辛いでやすねー」
「現実から眼を逸らすな。お前この小説の登場キャラの名前、一人ずつ言っていったら、確実に最後の方まで残るタイプだぞ」
「言っていいことと悪いことがありやすよ堕理雄さん!少なくとも、伝説の神獣アーティスティックモイスチャーオジサンよりは早いはずでやす!」
「それはどうかな……」
「どうも、私が伝説の神獣アーティスティックモイスチャーオジサンです」
「クッッッソ懐かしい遣り取りッ!!実家に帰ってきた気分だぜ!」
「いやー、私のことを実家だなんて、何だかちょっと照れますね」
「いや、そんな意味で言ったんじゃない」
「ウェーイ菓乃子~、ジブンも飲まんか~い」
「え、私?う、うん、じゃあ……」
「オイピッセ!?何菓乃子に酒飲ませてんだよ!?」
「アァ~ン?」
「ヒェッ……遅かった……」
「いつもろくな目に遭ってねぇんだから、酒ぐらい好きに飲ませろや堕理雄ゴルァ!!引きちぎるぞ!!」
「何をですか!?」
「まあまあまあ社長さん、おめでたい席なんですから、カリカリせずパーッといきましょうよ、パーッと」
「未来延ちゃん……!」
「さささ、このワインはうちの店自慢の、シチリア産の赤ワインですよ。おひとつぐぐっといっちゃってくださいな、社長さん」
「おー、お嬢ちゃんはいつも気が利いて偉いね~。この後オジサンと、アフター行かない?」
「アッハハー、考えておきまーす」
「ホントに?絶対だよ?オジサン本気にしちゃうからね?ング、ング、ング……プハァ。んまい!この一杯のために生きてるな~。あー、でもオジサンちょっとだけ眠くなってきちゃったな~。5分だけあっちのソファで横になるわ」
「ハイハイどーぞ良い夢をー」
「オイピッセ、お前ソファでオレの膝枕になれ」
「え!?ウ、ウチが菓乃子の!?……しゃーないなぁ、今回だけやで(恍惚)」
「……ありがとう未来延ちゃん。未来延ちゃんのお陰で助かったよ」
「いえいえ、お礼は福井産の越前ガニでいいですよ」
「それ、下手したら一杯数万円するやつだよね?」
「この世の悪を吸い寄せる!」
「正義の磁力で吸い寄せる!」
「「私達放課後電磁波クラブ!見!参!」」
「放課後電磁波クラブがお送りする」
「ショートコント」
「「『リベンジポルノ』」」
「ストーップ!!!だから君達のネタは笑えないんだって多魔美&マヲちゃん!それに何で今日は室内なのにスリングショット着てるの!?オイタが過ぎますよ!」
「アハハ、パパに怒られちゃったー」
「ちゃったー」
「全然反省してないな……」
「ハッハー!一番玉塚勇希、宴会芸で、ストリップショーやりまーす」
「やるなッ!!あんたも出来上がってんのか!?この場に大人は一人もいないのか!?」
「じゃあイケメンオーラで、ドラ〇エ12を具現化させまーす」
「まだ公式発表もされてないものを具現化させないでください!!あんたの具現化何でもアリ過ぎだよ!!」
「うぶ……うぶ……うぶぶぶぶぶぶぶ」
「玉塚さん!?」
「マズい!!師匠!洗面器を用意してくださいッ!!」
「え!?娘野君、玉塚さんは今、もしかして……」
「はい、ビームを吐き出す直前の巨神兵状況です」
「誰か洗面器をッ!!」
「ハイ!ここにあります!」
「おお、咲羅君、用意がいいね」
「さ、座長、この洗面器を使ってください。一緒にあっちに行きましょう」
「うぶぶぶぶぶぶぶ……」
「――フウ、ギリギリ間に合ったか」
「ありがとう娘野君。もしかして玉塚さんはお酒飲むといつもあんな感じなの?」
「そうみたいですね。俺も一回しか見たことはないんですけど」
「酒癖悪い人多いな……。それにしても、娘野君もすっかり準レギュラーって感じだね」
「まあ、そうですね。でも、これだけ美女に囲まれてるのに、全然美女とはラッスケイベントが起こらないのは、納得いかないんですけどね」
「君は人生楽しそうだね」
「楽しくないですよ!未だに童貞のままだし!唯一起きたラッスケイベントの相手は、男の咲羅君だったし!」
「何何?私の話?」
「あっ、咲羅君、座長の様子はどう?」
「うん、暫くは洗面器と相互フォロワーになると思うけど、多分大丈夫だと思うよ」
「あ、そう……」
「ねえねえ、それよりも次のデートはどこに行く?私ベタに、水族館とか行ってみたいなー」
「デート!?いや、この間ネズミーランドに行ったのは、デートじゃないから!!」
「へえ、二人でネズミーランド行ったんだ?もしかして海に行った時の賞品のペアチケットで?仲良いんだね」
「ハイ!あと琴男君の好感度メーターにポイントが3つくらい溜まれば、攻略できると思います」
「え」
「できないよ!?俺は攻略対象キャラじゃないからッ!!」
「うふ、いつまでその強がりが続くかな?」
「えぇ……」
「何何何!?今ここで、Bの波動を感じたわッ!!おねえさんにも詳しく話を聞かせてちょうだい!!」
「「えっ」」
「KY腐魔女がキタ!前から思ってたんだけど、男の娘ってBに分類していいもんなのか?」
「その議論はここでできる程軽いものじゃないから、素人が安易に俎上に載せないでちょうだい(威圧)」
「ご、ごめん……俺が悪かった。でも、さっき久しぶりに一話を読み返してみたんだけど、お前も一話から比べるとほぼ別人だよな。一話の時はまだ今よりはしおらしかったし、腐魔女ってことも発覚してなかったしな」
「アラ、パーソナリティなんて日々更新されていくのが普通じゃない?サ〇エさん時空の作品ならともかく、私達も一話から比べたら一年以上年を取ってるんだから、そりゃ良くも悪くも『成長』するわよ」
「成長……か。確かにそうかもしれないな。俺達もいつかは社会に出て大人になるんだし。……正直今はまだ、実感は湧かないけど」
「ま、学生の内はそうかもね」
「ニャーン」
「あっ!シュナイダー!記念パーティだからお前も来てくれたんだな!はふ~、お前はいつ見てもキャワイイな~」
「私も堕理雄が猫の前だとこんな風になるなんて、一話の頃は思ってなかったけどね……。そうだわ!実は今日は、特別ゲストを呼んでるのよ」
「特別ゲスト?」
「ええ、誰だと思う?今までこの小説に出たことがある人物よ」
「ていってもなぁ。この小説、モブキャラも合わせたら、無駄に登場人物多いからなぁ。ヒントはないのか?」
「ヒントはここまでの文章を読んでいれば、自ずと答えは出るはずよ」
「え?文章?――ああ、そういえば今回は、地の文が一切書かれてないな」
お久しぶりっす!新人地の文っす!
「ひっっっっっさしぶり過ぎるだろお前!?誰もお前が特別ゲストだとは思ってなかったぞ!?だから地の文が書かれてなかったのか!むしろお前、三十八話で一度出たきりの、使い捨てキャラじゃなかったのかよ」
そんな言い方は酷いっすよ!
実はみなさんのことは、地の文としてずっと地の底から見守ってたんすから!地の文だけにね!
「下半期一番ツマンネー駄洒落を聞いた!せっかくの百話記念が台無しだ!!」
こんな小説ではありますが、これからも目当ての小説を読みに来たついでとかでいいんで、読んでいただければ光栄っす!
「またお前が締めるのかよ!」