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冒険者として

「サクラ マサヨシ、ヤマナ カオル、ノグチ サネユキ、アクタガワ ツラユキ 種族は人間、年齢は全員17歳。間違いがないならここにサインを………代筆はいるか?」


「いいえ、文字は書けるので大丈夫です。」


対戦が終わり、芥川が帰還してすぐに俺たちはギルドマスターに呼ばれて冒険者への登録を行っている。

イメージ的には水晶玉に手をかざすとか、魔力が込められた紙に血を垂らすといった行為を想像していたのだがまるで市役所のように事務的な対応でとんとん拍子に進んでいくのでちょっとだけ内心がっかりしている。


ちなみに、なぜかは判らないが俺たちはこの世界の文字を読むことができるし、文字を書こうとすると手が勝手に動くような感じがしてこの世界の文字が書ける。


「……よし、これで登録は終わりだ。そういえば、自己紹介がまだだったな。」


そういうとギルドマスターはゆっくりと椅子から立ち上がって俺たちの前で立ち止まり、傍にいたあの時の受付の女性……フィオナさんも俺たちの登録書を持ちギルドマスターの隣に立つ。


「改めて自己紹介だ。私が冒険者ギルドヒルヒフ村支部長……つまりギルドマスターのケイ、フォルクだ。よろしく頼む。ちなみにランクはSだ。」


ギルドマスター改めケイ、フォルクさんが俺たちに手を差し出し握手をする。見た感じは華奢で「白魚のような手」がふさわしいが実際握ってみると手の皮が厚く、いくつか肉刺まめができている。何年も剣を握らないとこういう手にはならないだろう。


「こちらこそよろしくお願いします、フォルクさん」


「そう改まんなくてもいい。ケイで十分だ。」


「わかりました、ケイさん。」


ケイさんは口元に軽く笑みを浮かべて俺を見て思わず顔を赤らめる。


ケイさんの容姿は、身長は約170cm。髪の毛は茶色で目は黒。顔立ちはアジア系に近く常に凛とした佇まいでいて、おそらく20代だろうに一種の威厳を感じさせる。

モデルや女優として雑誌に載ってても全然不思議じゃないくらいの美人だ。


「え~と、私から自己紹介するのは初めてですよね。では改めて。ここ、冒険者ギルドヒルヒフ村支部のサブマスター……つまりギルドマスターの秘書兼受付リーダーのフィオナ、コードウェルです。フィオナで構いませんよ。あと、ランクはAプラスです!」


と、胸を張りフィオナさんの自己主張の激しい豊かな胸が大きく揺れる。

男としては眼福だが目のやり場に困るので早々と握手をすませる。


フィオナさんの容姿は、身長は160cm半ばぐらい。髪の毛は金髪で目は青、顔立ちは欧米系でケイさんと違っておっとりとした雰囲気が感じられる。年齢はたぶん20代前半。

ドレスとか着たら名家のご令嬢といっても差し支えないだろう。もちろん彼女も美人の部類に入る。


「で、自己紹介も済んだし後は君達のAマイナスへの昇格とギガント・マンティスの金額なんだが。」


「というと、何か問題でも?」


「ああ、Aマイナスへの昇格なら私が書類を書いて本部に送るだけなんだが、金額のほうは渡すのに少し時間がかかりそうだ。」


「つまり、そんな大金すぐには用意できないからしばらく待ってくれって言うことですか?」


「察しの通り、そういうことだ。金額に目処が付き次第またここに呼ぶからそれまではふつうの冒険者として依頼を受けるなり、酒場で昼間っから酒飲んでも構わない。宿はもう取ってるんだろ?」


「ええ、一応。」


言い忘れていたが、俺たちは対戦の間と終わった後は村の安い宿屋で寝泊りしていた。

代金は初日の俺の依頼の報酬金からだしたが、Bプラスの報酬金なのでまだまだ十分金はある。


そうして、しばらく会話をした後にギルドを出て宿屋に向かった。













「あっ、おかえりなさい。」


宿屋に着き、店主に軽く挨拶して部屋に入るとなぜかリディアがいた。


「なんでリディアがここに?」


芥川が俺たちの考えを代表して尋ねる。


「いや~、一人部屋だとどうしても退屈で。」


「だからといって何も俺たちの部屋に来ることはないだろ。」


「そうだぞリディア、下手に来ると襲われるぞ…………山名に。」


「なんで俺!?」


山名の抗議はひとまず無視する。宿屋の部屋割りは、俺たちが大きい4人部屋でリディアが一人部屋だ。

5人部屋というのもあったがどう考えても男4人に女1人を一緒にすると色々と不味い。

まあこの中にリディアを襲う奴は、それこそリディアが全裸で体を密着させて来ない限りいないだろう。


「暇なら村でも見て回るか?この時間ならまだだいたいの店は空いてるだろ。」


「さんせ~い!」


リディアが元気よく手を上げ、山名たちも賛同する。


「それじゃあ、行こうか。」




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