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真実

Side佐倉


「3、2、1、爆破!!」


屋敷から十分に距離をとり合図と同時にC4の起爆スイッチを押し込み、地下室に重点的に仕掛けたので爆音とともに地響きが鳴り屋敷が陥没するようにして崩れた。


「10個足らずで屋敷を崩すとは………………、土木系の組合員が聞いたら大金を積んで手に入れようとするだろうな。」


土木建築に軍用爆薬とか危険すぎるだろ。と心のなかでツッコミを入れつつ俺たちはケイさんを先頭にして山名たちが乗ってきた馬車の方へ足を進めた。


ちなみにリディアは先にジーキンスを担いで先行してもらっている。念のため簀巻きにしたまま呪文対策に猿轡をさせたのでたぶん大丈夫だと思う。


しばらく歩いているとケイさんとフィオナさんが突然止まった。


生き残りによる奇襲かと思ったがレイピアを鞘におさめたままなのでたぶん違う。


「なあ、いくつか聞いてもいいか?」


「構いませんけど………、何をです?」


つぶやくようにして聞くと俺たちの方に向き直り真剣な表情でじっと目を見てくる。


美女にじっと見つめられるのはかなり緊張するが、ふざけていいような雰囲気ではなさそうだ。


「少し気になって君たちの素性を調べさせてもらった。戸籍、納税記録、家族、友人関係、出身地にいたるまで草の根をかき分けて調べたつもりだった。しかし何一つわからなかった。読み書きや簡単な計算ができるようだからそれなりの身分かとも思って過去20年の間に没落した貴族や豪商も調べたがこっちも成果はなし。名前の発音やニュアンスで見るなら遥か東にそびえる{ミカド山脈}に住む少数民族、{ヒノモト族}に近い。が、彼らは他の国家より冶金、鍛冶、精密加工技術が頭一つ分抜きん出ている故に過去に何度も権力者達から人攫い紛いのことをされてここ300年近く山脈に引きこもっているらしいから君たちが{ヒノモト族}である可能性は極めて低い。教えてくれ






君たちはいったい何者なんだ?」







俺たちは黙った。いや、何も言えなかった。


俺たちは赤ん坊からこの世界に転生してきたわけでもないから当然戸籍などは存在しない。


そもそも一生隠し通せるとは思っていない。いつかはボロがでて怪しまれるとわかっていた。


だから、俺たちは真実を話した。


俺たちが異世界人であること。神様のミスでこの世界に来たこと。その神様からチート能力をもらったこと。国家、地理、歴史、文化、政治、国際情勢など向うの世界で知っていることを洗いざらい話した。


二人は黙って、表情を変えずに聞いてくれた。


そして話が終わり、二人は顔を見合わせた後再び俺たちの方をむいた。













その直後、ケイさんが居合切りのようにレイピアで切りかかりフィオナさんが俺たちの背後から2mくらいのゴーレムを出して攻撃してきた。









一瞬の出来事だった。


二人からは尋常じゃないくらいの殺気が出ている。


間違いなく殺す気で来てる。





しかし俺たちだって短いが実戦経験がある。ほとんど勘に近いがギリギリ躱すことに成功した。


俺は腰のホルスターのベレッタを即座に抜いて躊躇いもなく発砲、躱されて宙を切ったレイピアに命中して弾き飛ばし


山名がケイさんの額に二本の筒が飛び出た鉄製の箱、海を疾走する軍艦少女が使用する射撃武装を突き付け


野口が初めて戦った相手、ギガント・マンティスの特徴である鎌の切れ味を使用して手刀のようにしてゴーレムを一刀両断し


芥川が服に万が一のために描いておいた手裏剣の絵からそれを取り出し、フィオナさんに向かって投げつけ首から数cmずれた木の幹に突き刺さり首の薄皮を切ったのか軽く血が垂れた


どれくらいの時間、こうしていただろうか。


たった数秒なのか、10分近くかはわからない。


「……………負けたよ。」


「完敗、ですね。」


二人がそう呟き、背後の木に寄りかかり俺たちも武器を下した。


「あなたたちの話を聞いて、私は頭にきたんです。私たちが必死に努力して時には汚いことまでやって身に着けた力なのになんも努力もしないで、ただ神様が間違って殺しただけでそんな力を得て。今までの私は何だったんだろうで思っちゃいました。もし避けられなかったら本気で痛めつけて思いっきり罵倒するつもりでした。でも、今のではっきりとわかりました。それは与えられた力ではなくて、自分が必死に身に着けた力に等しいものだ。っていうことを。だから、私たちは改めてあなたたちを受け入れます






ようこそ、異世界人さん。」


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