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決着と後始末

Side佐倉


「そんで、これはどうゆう状況?」


「分かってないのに攻撃したんですか!?」


リディアが俺に突っ込みを入れるがあの状況じゃあそれしか方法がなかったんだからしかたないだろ。


いまにもあの粉々になったロボットみたいなやつにやられかけてたし


「佐倉………。間に合ったのか。」


「まあな。手紙を村役場みたいなところに渡してこれからリディアの家族に会おうって時に緊急依頼がきてそのままとんぼ返りだよ。で?そこらに散らばってるスクラップとそのいかにもアブナイ感じのおっさんは」


そこまで言ったとき背後から剣を構えたゴーレムが数体突っ込んできたが俺は素早く振り向いて先ほど使用した銃、「ダネルMGLグレネードランチャー」を発砲する。


空気が抜けるような銃声が鳴り40mm対人榴弾が着弾しゴーレムが粉々に砕け散る。




ダネルMGL

南アフリカのアームスコー社が開発した六連発グレネードランチャー。リボルバーのようなシリンダー型弾倉やダブルアクション機構を備えているので連発が可能で、米軍などの多くの軍が採用しており南アフリカ国内でも警察用に使用されている。乗り物に変形する機械生命体に対して効果は抜群らしい。


「いきなり背後から襲うとはとんでもない奴だ。」


「事情も知らずにあれを吹っ飛ばす方もとんでもないと思うんですけど………。」


俺はシリンダー型弾倉をスライドさせて薬莢を捨てて一発ずつリロードする。これは別に油断しているわけではなく構造の問題でこうするしかないのだ。


ジーキンスにとってはこの上ないチャンスなのだがそれはできない。


なぜかというと











「私だって、冒険者の一人です!」


さっきの混乱に乗じてリディアが背後に回って首筋に短剣を当てて拘束しているからだ。もちろん万が一を考えてケイさんが自身のレイピアの間合いにまで近づいている。


が、まだジーキンスは諦められないらしく





「まだだ!!まだ私は負けてなどいない!!」


そう叫びながら杖を地面に突き刺そうとするが俺は即座に発砲した。


「馬鹿!!なぜ攻撃した!?」


ケイさんが俺に対して思いっきり怒鳴った。


それもそうだ。目的はジーキンスの殺害ではないし、ここで殺したら色々と聞くことが聞けなくなってしまうからだ。山名たちも唖然としている。


もちろん俺だってそれくらいはわかるので


「ゴファッッ!!!」


弾丸が着弾するが「爆発せずに」ジーキンスが体をくの字に曲げて地面に倒れそのまま白目をむいて気絶した。


俺が撃ったのは通常の榴弾ではなく非殺傷弾であるゴム弾。ダネルMGLは暴徒鎮圧にも使えるのでゴム弾や催涙弾などを先ほどのリロードの時に装填しておいたのだ。


念のため榴弾も装填したけれど


「し、死んではいないようだな………。」


「ったく、ほんとに殺したのかと思ったじゃねえか。」


「ともかく、一番の問題は片付いた。まだ屋敷が残っているからこいつを縛った後に中に入ろう。」


そういって芥川がロープを出してジーキンスを簀巻きにして適当な木に括り付けておいてリディアに見張りを頼んで俺たちは山名が開けた穴から中に入った。














「さすが腐っても豪邸だな。広すぎてどこに何があるんだかさっぱりわからん。」


豪邸の中で何かないか探しているんだがこんなありさまだ。俺はかつて所有していた貴族の寝室であったであろう部屋を色々と物色しているんだが特に変なものはない。


ただ部屋はあまりほこりっぽくなく家具なども全体的に整っている。


ジーキンスは意外と綺麗好きなのかもしれない。


「野口。そっちはなんかあったか?」


俺は一緒に部屋を物色している野口に聞く。


しかし返事がないので振り返るとなにやら壁に向かって突っ立っている。不審になって声をかけようとすると野口は我に返ったように顔を上げた。


「おい、どうしたん」







ズガァァァァァン!!!!!!






顔を上げた野口がいきなり目の前の壁を「ぶん殴った。」


「どうした!?なにがあった!?」


「ゲフォッ!ゴホッ……………!野口!てめぇいきなりなにすんだ!?」


俺は舞い上がった煙に咳き込み他の部屋の探索をしていたケイさんたちも慌てて集まってきた。当の野口はケロッとしている。


「いや、この扉の向こうから変なにおいがしたんでもしかしたらと思って壁をぶち抜いたんですよ。そしたら見事に地下へと続く隠し通路っぽいものが。」


「もうちょっと穏便にできないのかおまえは…………。」


「まったくだ。一声かけてくれればC4プラスチック爆薬で吹っ飛ばすのに。」


「そっちのほうが危険な気がするんですが……………。」


いやいやフィオナさん。C4は信管と雷管さえ付けなければ火に放り込んでも問題ない安全な爆薬ですから。


そんなやりとりをしながら俺たちは地下に潜っていく。


階段自体の距離はそこまででもなかったから深さもたかが知れている。降りた先にあったドアを開たとたんにさまざまな薬品が混ざり合い、腐臭とまではいかないがあまり嗅ぎたくないにおいがブワァッと溢れ出し俺たちは一斉に顔をしかめた。


部屋の中はいかにも研究室といった感じだった。


様々な分厚い本やビーカーやフラスコのようなものが机に乱雑に置かれ、床一面にはあれの設計図?と俺には理解しがたい数式や図式が書かれた紙が散らばっている。


他にも何に使うのかよくわからないものや絵本に出てくるような魔女が集めそうな薬草や小動物の干物も見つかったがここでは割愛する。


「おい、ちょっと来てくれ。」


奥にある部屋から山名の声が聞こえて俺たちはそっちに向かった。


「こいつぁすげぇな。」


「どうやらヤマナの勘は当たったようだな。」









そう、部屋一面にあのゴーレムがまるで大量生産される機械のように大量にならんでいた。


中には手や足がなかったりと未完成のものがあったがそれでもかなりの数だ。


「それで、こいつらはどうします?」


「さっきの部屋に散らばっていた紙や本とここにいる何体かは研究用兼証拠として押収する。残りはすべて廃棄だ。」


「了解です。山名、お前は証拠を頼む。」


そういって俺は部屋の壁などにC4プラスチック爆薬を仕掛け、山名は22世紀の青狸愛用のポケットに証拠品を放り込んでいく。


「フィオナさん、あのジーキンスって人の出自って貴族や商人。少なくとも金持ちってよばれるようなところですか?」


ふと、芥川がフィオナさんに尋ねた。


「ええ、確かに彼は貴族の出身よ。でも確か下級貴族の次男だったはず………。」


「おかしいですよね。」


「おかしい?…………あっ!」


「彼がエルなんとか学院でもらってた給料の額は解りませんけどこれらは僕たちが倒したのを含めても100体は軽く超えてる。それに失敗作やプロトタイプも合わせると製造するのにかなりの金額が必要なはずです。つまり」


「随分ときな臭くなってきたな。」








どうやらこの事件の解決はまだ先になりそうだ。










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