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さぼてん  作者: 火村虎太郎
第一部
48/68

愛なんて要らないなんて言えないって。

「なあああああああああにぃいぃぃぃ!!!!!」キム


キム、鳥谷の顔を見る

「こくっ・・」っと、うなずく鳥谷


しばらく考えるキム


(・・・どういう事だ?・・・田代さんは、たしかに、恋多き人だった・・

 だが・・いやっ!ある。可能性は。

 たしか、岩永が、田代と、できてから六戦までの期間は、わずか・・

 その前に、妊娠?それとも浮気?

 いやっ・・べったり、だった・・・岩永と・・

 しかも、岩永の為に・・生かす為に、あの手、この手・・・

 あるなら・・岩永と、出会う前に妊娠・・・

 待てっ!大体、滝部の兄貴を、撃ち殺したのは、田代さんだった・・・

 そして、楠木が、城島を・・・・どういう事だ?)キム


「間違いないのか?」キム

「・・・ええ。そう言われて育ちました」田代

「・・・ちょっと、待て・・・誰が、育てた?」キム


(これが、また、ややこしくするんだ、キムさん・・・)鳥谷


「プレジェイの山本あきなです。」田代


また、鳥谷の方を見るキム


「こくっ」っと、うなずく鳥谷


(もう、何が何やら・・・なぜ、山本が、滝部さんの子を育てる?

 たしかに、最後、田代と、山本は、仲良かった・・・

 だが、それは、岩永ありきでだ・・・

 なぜ生んだ?田代が?なぜ、山本が育てた?・・・

 たしかに、一時期田代が、見当たらない時期が、あった・・)キム


「キムさんとりあえず、事務所の方に・・」移動しだす三人


浅草の事務所


「田代、今、大変な時期でな・・・」鳥谷が、細かく説明する。


「俺も、参戦します・・」田代


「・・・ちょっと待て・・・お前山本が、育ての親だろ?

 なぜ、爆撃だ?それに、躊躇も無しか?山本が、敵になるのも?」キム


「・・・はいっ・・・滝部の子ですから。」田代


「すまん。本当に失礼な事言うぞ・・・本当にか?」キム

「ええ。DNA鑑定までしてます。」田代

「何か?・・・・」鳥谷は、本当の事実を知らない


「・・いやっ・・当時を、知ってるんでな・・・俺は・・・

 もう、言おう・・当時田代さん、岩永と、付き合ってたはずだぞ?

 たしかに、滝部さんとも、関係は、あった・・だが・・しかし・・」キム

「ええ・・山本さんに聞きましたすべて・・」田代


「そうか・・・変な事言ってすまん。そうか滝部の兄貴の・・」キム


また考えるキム


(いや、違うっ!岩永の子だ・・・二重三重にも、裏をかく田代のやり方・・

 岩永が、生きてたのも、そうだ。葬式までしやがって・・

 この子も、そうだ。俺や、元滝部派に利用させない為に作り上げた嘘・・

 DNA?なんとでも、出来る、あの田代なら・・・

 だが、本当に滝部の兄貴の子なら・・・)キム


「・・・・」田代

「・・・・?」鳥谷


(気づきやがった・・さすが・・・キム・・

 そうっ。俺は、岩永の子・・・母さんが、滝部派に

 俺を利用されないように・・殺されないように、

 作った、描いた絵・・・・さて、どうでる?)田代


「鳥谷・・・お前、もしかして、俺を・・騙してやがるのか?」キム

「・・・いえっ・・・意味が・・わかりませんが・・・」鳥谷


(ふふふ・・疑心暗鬼・・もう、戻れねえキムは・・)田代


「・・山本を呼べっ・・もちろん戦闘は、無し。

 こっちから、一人で、行ってもいい・・」キム

「・・・はいっ・・電話してみます」鳥谷


(掛った・・・山本さんが、何十年と、張った罠に・・・)田代


渋谷の事務所に連絡して事情を説明する。


電話で、事情を聞くあきな

今から、お互い付き人無しで、待ち合わせる

昼間の人目に付く場所。

お互い手の出せない状況で。

 

(ふふ・・・)山本


青山のオシャレなカフェ

道路沿いに面した、外にあるテーブルで待つキム


(来た?・・・・山本か?)キム


「・・キムか?」あきな

「・・・ああ・・」キム


山本も席に着き。注文を頼む。


「・・・・・・・そうか・・・・」キム

「どうした?」あきな

「・・・もう、時が、流れたんだな・・・失礼な事言うが・・

 まだ、子供だった・・あの頃・・15くらいか?」キム

「だな。まだ中学生かな、初期の頃は・・」あきな


「もう、おばさんじゃねえか・・正直、気づかなかった・・・」キム

「ああ・・・まだ、止まってんだろ?あの時で・・」あきな


「ああ・・お前みたら、なんか、バカらしく思えてきた・・・

 お前・・もう降りたのか?殺し合いの螺旋から・・」キム

「・・まだ、終わってない・・・

 お前が生きてる限り・・六本木戦争は・・」あきな


「ああ。まだ終わってない。・・・良かったよ。まだ戦える相手が居て

 ・・本題だ、ありゃ~滝部の子って、言ってるが・・

 ・・・・・岩永の子だろ?」キム

「・・正解。さすが、キム、気づいたか・・・」あきな


「そうか、やっぱり、俺・・滝部派は、田代さんに、負けたのか・・」キム

「田代さんの愛にな・・」あきな


しばらく沈黙の二人


「田代は、そちらに返す。あんな爆弾いらねえ・・人質にもならねえ

 だが、戦争は、続ける。生きていく為に。

 これは、もう、六本木戦争とは、別でだ・・・」キム

「ほうっ・・じゃあ、また殺し合いか?結局?」あきな

「当たり前だ・・・死ぬ気じゃねえと、生きていけねえ・・」キム


(始まった・・・宣戦布告・・だが・・・ふふ・・)あきな


また沈黙の二人・・だが、キムの目線は、あきなの後ろに・・・


「・・・・なあ・・・岩永だろ?・・・さっき来た、後ろに座ってる客・・。

 いくら、隠しても、オーラは、隠せねえぞ・・・」キム


(ふふ・・さすが・・気づいたか)あきな


あきなの後ろのテーブルで、一人コーヒーを飲む帽子をかぶった男


「・・・ズズズー」無言でコーヒーを飲み続ける岩永


「お前の負けだキム・・」あきな

「ああ・・・今気づいた・・・客も、従業員も、全部お前の兵隊か・・」キム


一斉にキムの方を向く客・・プレジェイ系兵隊

目の前に止まっている車の列すべてからも、窓が開きキムを睨む


実はプレジェイ系の経営するカフェ。

紛れ込む。上下コンビに、山中。マッドの田方や武藤や兵隊達



「いつから、そんなに、真っ直ぐな男になったんだ?

 昔なら、一人で、来る訳がなかった・・・」あきな

「・・・・・素直に、逢いたかったんだ・・お前に」キム


「ふっ、懐かしさか・・居るぜ・・ほらっ上下も・・」あきな


上下コンビを発見するキム


斬られて無くなった、腕、手をさする上下コンビ


「・・いやっ・・・まあ・・(くそっもう、言えねえ・・・

 お前が、好きだったんだよ・・俺は・・)」キム


「ズズズー・・」無言でコーヒーを飲む岩永


「もう少しだけ・・生かさせてくれねえか・・・・」キム

「無理だ・・・」あきな


待っていたかの様に、動き出す兵隊達・・


「もう、出ねえ。表に・・。俺は。もう・・だけど、あいつらに・・・」キム


「ガっ!!」


上下コンビや、山中、田方、武藤に捕まえられるキム


「ちょっと・・待ってくれ・・頼む岩永~・・岩永ぁ~・・」あのキムが涙を流す


「ズズズー・・」無言でコーヒーを飲む岩永


「せ・・せめて、戦わさせてくれ・・・まだ何にもしてねえ・・

 俺は、もう出ない。出ないから・・せめて見届けさせてくれ・・

 若手のあいつらだけ・・・お願いだ・・頼む・・」キム


無様に・・・あのキムが・・・涙を流しながら・・・


奥に連れて行かれるキム



「パンッ・・・・」

僅かに漏れた音・・・


なんとも、あっけない幕切れ・・・

開戦と同時に終結する。

第三次六本木戦争と、言うべきか・・

プレジェイ爆撃代理戦争と、言うべきか・・


戻って来た、あきな

「けーさん・・六本木戦争終わりました。殺してしまいましたが・・」あきな

「うん。まあ、早急に結果出したし。よかったよ。うちに死人が出なくて。

 何か褒美あげようね。何がいい?」岩永やさしく笑う



「・・・」あきなが、岩永の耳もとで、つぶやく。



「!!・・どうした?・・急にそんな事言うなんて・・」岩永少し驚く


「さっき、キムが、死に際、恥も無く、私が好きだったって・・・

 なんか、なんて、言うか・・・」あきな

「自分も、素直になろうと?」岩永


「ええ。けーさんを、一番愛してるのは私です。」あきな

「・・・うん・・・分かるよ・・・お前の一途な愛は・・・」岩永


「だから・・・別れて・・・」あきなが、先ほど、つぶやいた言葉。別れて。



日常に戻っていくカフェ。


動かない二人。静寂を待っているかの様・・


少しの沈黙から、岩永が・・




「・・・誰と?」 


わずかにやさしく笑う岩永








「田代さんと・・・・」あきな




にや~っと、笑う岩永。


東京最大の嘘・・・

岩永の最大の嘘・・

東京三大裏都市伝説




そして、もう一つの

愛も暴走し始める。




都内某所で、のんびり、コーヒーを飲む二人


「本当に生きてるの?田代さん?」かおり

「多分な・・あの乱戦の中、俺が撃った・・・撃ったが、

 生死の確証は、無かった・・・あとから出てきた死体も微妙・・・」

「子供も、本物なの?知らないの?実のお母さん生きてるの?」かおり

「本物だ・・・だが知らないはず。岩永と、会った事さえ、ないかも

 すべて、山本なら、知ってるはずだ・・」


「でも、山本さんも、接触してる雰囲気は無いし・・・」かおり

「ポンコツの彼女が、知ってる事は、ないか?」

「絶対無い。まじ、ポンコツだもん。」かおり


「本当、すごい教育されたな・・・銀座の女帝あさみか・・

 田代探るから、代わりに、山本殺してくれなんて・・」


六本木戦争から、ずっと、田代の生死・・居場所を探っている中野

それに、気づいたかおりが、持ちかける。交換条件を・・


「うん。女帝になる為に・・・・」かおり

「まあ、そこまでしねえと、女帝には、なれねえ・・」

「だって、すごいんだもん山本さん。何もかも・・」かおり

「ああ・・死ぬときは、この依頼は墓まで持っていけよ。クソヤロウ。

 もう、揉めたくねえんだよ。岩永と。

 下手したら、東京最後の戦争に、火が付いちまう・・・」

「ほんっと、ひどいね・・東京のドンに、なるような人は・・・」かおり

「ふふふ・・・もう、十分なんだよ・・これ以上の地位も金も、いらねえ

 ただし、田代は、別。」中野


(何が、あったんだろ?田代さんと・・・

 異様な執着、田代さんの死に・・)かおり


(昔の佐藤に、やる事が、そっくりだな、この女・・

 来たよ・・昔佐藤が・・・田代殺してくれってな・・

 これが、結局、六本木戦争の始まりだよ・・・

 だが、お前は、いずれ、俺をも、殺しに来るな・・

 あの世代・・・銀座のあさみが育てた・・

 岩永が、選んだ・・次の女帝か・・・)中野


「でも、どうしてだ?」中野

「うん・・見たんで・・山本さんと、キスしてたの・・」かおり

「!!デキてんのか?あの二人!?」中野びっくりする

「デキては無いけど・・愛し合ってる・・私よりも・・」かおり

「あれっ?お前、嫉妬とか、しねえ女だろ?」中野

「無いっ」かおり


「ぶははははははは・・・恐い恐い・・女の嫉妬は・・・・」中野

「さすが・・東京のドン。お見通しですか・・・」かおり

「いいぞっ。山本取ってやる。田代の居場所が、わかったらな。

 俺の最大の敵は田代・・これは、昔か変わらない」中野

「はいっ。お互いの利点の為に・・」かおり


(今、キムと、会ってる?山本が?

 ありゃりゃ・・残念キム・・死んだな・・山本を甘く見すぎだ・・

 生き残りはこれで、あと、四人・・俺、岩永、田代、山本・・・

 だが、岩永が山本と、デキると・・・困るな・・・

 確かに、殺してもいいな山本・・・

 この二人が、完全に組まれると、俺の今の地位は、吹き飛ぶ・・

 と、言うより、東京が渋谷に傾いて、新宿の俺は干からびちまう・・

 それだけ、人を寄せ付ける・・岩永と山本が一緒になったら・・)中野


(いらない・・・私より愛されてる人なんて・・・

 田代、山本・・・・負けたくない・・女帝達に・・

 両方死ねば・・・私しかいない・・)かおり



躍動が、止まらないかおり

かおりの手の中で、東京が、踊る・・・

愛なんて、いらないなんて、言えない・・

誰よりも、愛して欲しい・・・

初めての嫉妬が、突き抜ける・・



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