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さぼてん  作者: 火村虎太郎
第一部
44/68

東京貧困物語

「ガチャーン!!」

「舐めてんのか!このやろう!」キム


「つつ・・すいません・・ぐっ・・」鳥谷


キムにヤキ入れられてる鳥谷


テーブルの上に置かれた、僅かな金。


「今の爆撃系の、しのぎ、上納が月に13万だとっ!?

 年金じゃねーんだぞ!こらっ!」激しく切れるキム


(ブルっ・・ブルっ・・ブルっ・・)震える若者達

この13万も、各々が、ひねりだしたが、これだけ・・

もう、財布の中には、小銭しか入ってない若者達


鳥谷も、自分が、かつかつ食べていけるレベル。

キムの出所に、僅かな出所祝い金しか用意できなかった・・

しかも、サラ金で、借りてきた金・・・


今の爆撃系のチームの頭が、集められた模様


銀座パンダ爆撃 阿久津

八代目六本木爆撃 山下

二代目池袋爆撃 武藤

横須賀爆撃 中村

16代目大久保愚連隊 木下


みんな、これといったシノギもなく、常に貧乏。


次々に挨拶していくが・・


「銀座パンダ爆撃の・」阿久津

「ちょっと待て・・・・・」キム

「はいっ?」阿久津

「パンダってのは・・なんだ?こらっ?」キム

「いっ・・」さすがの阿久津も、ビビリまくり。


鳥谷が、助け舟をだすが・・

「すいません。・・こいつ山本に、やられまして、無理やり改名させられて、

 でも、ここ、10年の中じゃ、とびきりの逸材です」鳥谷


「・・・こんな、くそがか?」キム

「・・・ちっ」阿久津 (やってやろうか?俺がくそだと?)

「・・・・」キム

(ばっ・・ばか、阿久津・・)六爆


「ギャっ!!」

一瞬で、吹っ飛ばされる阿久津

意識も失う。


(パンチの音が、ぎゃっ!?なんていう・・ハンパねえ・・)池爆 武藤


(バカが・・・敵うわけねえ・・あの上下コンビより、はるか上だぞキムさん

 だいたい、華の49年組のトップ走ってた人だぞ・・)鳥谷

(敵うとかの、レベルじゃねえ・・生きてるか?阿久津よ?)六爆

なんとか、意識は、戻った阿久津

(山本さんより、上じゃねえか、つつ・・・勝てるかっ・・)阿久津


「滝部の兄貴の金は?」キム

「・・・まったく・・わかりません」鳥谷

「はあ~?大体お前、何系だ?鳥谷!」キム

「何系?・・・・とは・・」鳥谷


「ふ~・・・・・・・話にならねえ・・歳が離れすぎて・・・

 じゃあ、お前だれに断り・・了承受けて。八代目継いだんだ?

 それから、派閥の頭になったんだ?」キム


「山根さんです。」鳥谷

「三代目か・・」キム


(山根さん・・・三代目東京爆撃隊総長・・・六本木の裏番長・・)阿久津


「じゃあ・・田代系か?お前?」キム

「いえっ・・・お会いしたことも・・自分六本木戦争時、

 まだ小学生ですから。」鳥谷


「・・・・三代目は?今ドコに?」キム

「自分に爆撃継ぐの許してもらって・・もう、7年位行方不明です」鳥谷 


「キムさん、派閥ってのは?」六爆山下

「ん?・・ああ、爆撃の中でも、派閥があるんだよ。

 爆撃が、でかすぎるからな・・・俺の時代の時は、

 石川派・・ゴスロリに、小島。

 萩原派・・馬場に、根本

 田代派・・山根に、金山

 そして、滝部派の俺だ。」キム


「田村派は?自分、田村の流れですが・・」六爆山下

「田村~誰だ?それ?」キム

「二代目渋爆に居た、初代六本木爆撃総長の・・」鳥谷

「ああ・・あの、くそか・・あんなの、派閥じゃあねえよ。当時でも、

 爆撃の中じゃ、クソ中のくそだよ。末端の兵隊だ。」キム


(すげえ・・田村さんが、クソ・・・)六爆


「ふ~・・滝部の兄貴の金だけでも、7億は、あったはずだぞ!」キム

(なっ・・・7億!?)一同驚く


「当時、上納、シノギが、爆撃系の総額が、月にざっと8000万だ

 石川さんも、萩原さんも、これには、手~付けずに

 自分の金持ったまま行方不明・・」キム


「たぶん・・田代さんが、管理を・・」鳥谷


「・・・だろうな・・元々、滝部の兄貴は、田代系だったしな最初」キム

(ややこしいな・・田代派から、独立か・・滝部さんが・・・

 いやっ・・たしか岩永さんが、田代さんと、デキだして・・

 滝部を捨てた?田代さんが?)阿久津


「田代さんの、死と、キムさんの逮捕の時期って・・・」鳥谷

「・・滝部と、城島の兄貴が、田代と、楠木に殺されて、

 俺が、仕返ししたものの、楠木しか取れず、

 逆に山本に、目~えぐられて・・パクられて・・

 警察の捜査が、きつくなり、石川、萩原が、行方不明

 そのあと、中野さんが、田代さん取って・・終結・・が、時系列か」キム


(すげえな、第二次六本木戦争も・・・)阿久津


「やはり、田代さんが、処分・・・シノギ関係を・・」鳥谷

「お前、三代目に、どこまで聞いてんだ?シノギは何が残ってた?」キム

「何も、残ってないです・・・自分等で、ステッカー売るくらいです。

 正式な縄張りも、自力で守った浅草だけです・・

 水商売、風俗、すべてのみかじめは、極道に、持っていかれます・・

 浅草、銀座、六本木、大久保 横須賀にしてもそうです。

 銀座と、浅草の警備料として、東義会から、月10万あるだけです。」鳥谷

「・・・東義会か・・・・・・」キム




「自分、爆撃の看板下ろしても、よろしいでしょうか?」池爆 武藤


今まで、黙っていた男が、不意に口を開く


(ぐっ!マジか?武藤?殺されるぞ・・)六爆

(死んだ・・・ざまあみろ武藤め)阿久津


「・・・・下ろせや。勇気が有るんなら・・」キム


(こえ~・・・ハンパねえ・・・)鳥谷

(ぜって~無理っ。俺なんて、もう、

 銀座キムにーさん大好き爆撃に変えちゃう)阿久津


「では・・・失礼します・・」去っていく武藤

(マジか・・・しらねえぞ・・)鳥谷

だが、考えさす暇なく、

入れ替わりで、やってきた男


「よおっ・・」

「あっ」キムがすぐ、立ちあがり


(うおっ!東京のドン・・中野さんっ)びびる若手達


「出所おめでとう・・・ほれっ(ドン!!)」中野

「ありがとうございます。よそのチームの俺みたいな若輩者に。」キム

(うおっ・・1000万か・・あの束)阿久津

「いやいや・・気にすんなや・・・もう、爆撃の生き残りは、

 おめえだけに、なっちまったな・・・」中野

「なるほど・・・山根さんは、中野さんが・・」キム

「ああ・・殺したよ。何か、田代の仕返しだって、狙ってきやがったから

 悪かったか?」中野

「わはははは・・いえっ派閥も違うし、嫌いでしたから。」キム

(マジか・・・)阿久津


「ふっ・・・・・取るんなら、力貸してやるぞキム・・

 俺も、藤原(ナンバー2)取られてんだプレジェイに・・・」中野

「ありがたいお言葉ですが・・・中野さんに力借りたと、なったら、

 死んで、滝部の兄貴にヤキ入れられますんで」キム

「ああ・・・まだ、生きててよかったよ・・漢が・・」中野

「ありがとうございます・・」キム

(かっけー・・おとこ・・・)阿久津にも、微妙な心境の変化が・・


「また、寄るわ・・」中野

「今度は、こちらの方から、ご挨拶させていただきますので」キム


去って行く中野


座り込むキム 無言のまま・・目を閉じる


「・・キムさん・・・どうしましたか?・・」鳥谷


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 ・・・俺の、16年は、何だったんだろうな・・・・

 やっと、出てきても、この、汚ねぇボロ小屋(事務所)・・金もねえ・・・

 組織も、まともに、残っちゃいねえ・・・

 月のシノギが、13万・・・・・・・」キム僅かに流れたかの様な涙


(クッ・・キムさん・・・・そりゃそうだ・・・爆撃の為・・

 兄貴分の為・・・16年も刑務所まで入って・・

 この、浅草の場末にある、安いテナントの汚い小さい爆撃の事務所・・

 男に・・もっと、上に、上げてやりたい・・・このすげえ人を)阿久津


「キムさん」大久保愚連隊総長 木下

「・・なんだ・・(トンっ)」キム、飲みかけの発泡酒を飲み干す

「まだ、終わってないです。六本木戦争は・・・」木下


「・・当たり前だ・・・なんで、こんなに、俺も、お前等も、

 爆撃が、貧乏しなきゃいけねーんだ・・・」キム


(キムさん・・・俺達の事まで・・)阿久津


「奪い返しましょう・・・プレジェイ系に流れたのは、もう明白・・」木下


「ああ・・だが、策が必要だ・・俺も、岩永のすごさは、わかってる

 すでに、動きだしてる・・・お前等は、片っ端から、若いのシメてけ、

 ステゴロなんて、くだらねえ事するんじゃねえ・・・」キム


「はいっ!」阿久津、六爆 横須賀 大久保の四人


全員、キムの魔力に引き込まれる。力。闘争力。せつなさ。

当然。今この東京で、岩永、中野と、ともに三本の指に入るような男

それほどの男が、16年も刑務所に入って、

何も賞賛される事なく。金も無く、もがく。


金が無く、発泡酒を出した自分達が、本当に情けない・・。

中野さんも、僅かに笑ったはず・・・テーブルの上の安い酒に安いツマミ

もっと・・この人を・・


「池袋の武藤は、自分達が・・・」阿久津

「東京中に爆撃の恐さ見せてやれ」鳥谷


「ああ・・もういちど、この東京で狂い咲くぞ爆撃が!

 行けやっ!お前等!東京無双極悪非道の爆撃だ~!!!」キム


「うおおおおおおお!!」全員



また・・・悲しみの雨と、血の雨に濡れだす東京

貧困は、暴力を生む。




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