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さぼてん  作者: 火村虎太郎
第一部
31/68

もっと愛したいから・・・

店の前のタクシーに乗り込む二人


「すぐ出してください!」かおり、運転手に

(ほうっ・・・)岩永


少しでも、人目に触れぬように気を使う


「お食事と、軽くお酒をご一緒したいですが、

 お時間・・どれくらい取れますか?岩永さん?」かおり

「ふふ・・今日は、特別気分良いから何時でもいいよ・・・

 まっ(今、0時か・・)でも、2時3時だな。眠くなるから」岩永


「はいっ。では、2時まで、コーディネートさせてください

 お魚は、大丈夫ですよね?」かおり

「ああ。好きだよ」岩永


「はいっでは・・・運転手さん、どこどこに・・・」かおり

 さらに、予約の電話を入れる

(ほうっ・・・若いのに、なかなか・・)岩永


「それと、たまたまですが、数日前、岩永さんが、六本木で、

 声をかけていただいた、銀座パンダ爆撃の阿久津の彼女をしております」かおり

「ほう・・・悪かったかな?誘って?」岩永


「いえっ・・少々、お待ちを・・・(電話するかおり)

 もしもし、きんちゃん?」かおり


「おお~なに~」電話から漏れる声


「突然ですが、別れます。ごめんなさい」かおり


「えっ?どうして?何か悪いことした?俺?」阿久津


「ううん・・・ごめん。私の、勝手なことで・・」かおり


「・・・・そう・・・・わかった・・・・・・・・」阿久津


「・・・また、どこかで・・・」かおり電話を切る


タクシーの中


「そこまで、するかね?たかだか、ご飯食べに行くのに?」岩永

「ええ・・そこまで、しなければ、岩永さんに、失礼になります。」かおり


「たかだか、ご飯で?」岩永

「ええ。たかだかご飯でっです。誘ってもらえるのは、すでに奇跡に近いですから」


「まあな・・・俺、表に、ほとんど出ねぇしな・・」岩永

「はいっ。存知上げてます。」かおり


「ふふ・・・固いよっ」笑顔で岩永が

「ふふ。はいっ。」岩永の腕に絡まる かおり


個室の料亭にやって来た二人。

さすが、銀座ナンバーワンかおりのチョイス


お酒を注ぎながら


「こちらは、ご存知ですか?岩永さん?」かおり

「・・・ああ・・・本当に、昔ね・・・」岩永


「お伺いしても、いいですか?色々?岩永さん。」かおり

「固いって・・慶太でいいよ。しゃべりも気にしないでいいよ」岩永


「ふふ・・はいっ。慶太さんの夢って、なんですか?」かおり

「無いね」岩永


(やっぱり・・・)かおり少し笑う

(ほうっ)岩永


「欲しい物は?」かおり

「無いね」岩永

「したいことも、無い?」かおり

「だね。」岩永


「じゃあもし、・・・お仲間が・・・生きておられたら?」かおり


(ほうっ。)岩永


「無理やりでも、お前を抱いてるな」岩永


「にひひっ・・隣行っていいですか?」かおり


「おいでっ。」岩永


食事を進める二人


「うまいな。これっ」岩永

「鯛?・・・和風なカルパッチョ?」かおり


「あっこれ嫌い・・食べて」岩永 かおりの口に運ぶ

「おいしいのに・・・(もぐっ)」食べさせてもらう かおり


「コンコン・・・」個室のドアが、ノックされる


「・・・私が」かおり

「うん。」岩永


「(スッ・・)何か?」かおり

「岩永様と、お見受けして、ご挨拶されたいと言う方が・・・」料亭の従業員


「・・銀座が、一流たる、所以は、何処にあるのでございましょうか?」かおり

「もっ・・申し訳ありません・・・」料亭従業員


(うん。なかなか・・・)岩永


「すいません慶太さん」かおり

「いやっ・・・入り口で、見られたかな?変装してるのに・・」岩永


「オーラですよ。見ますよ。やっぱり。誰だろう?って」かおり

「また作業服着て出るかな・・」岩永


「ふふふ。あるんですか?出られたこと。」かおり

「うん・・・でも、若い酔っ払いの集団に喧嘩売られて・・・」岩永


「負けたでしょ?」かおり

(ほうっ・・)岩永


「正確には、かつかつ勝った。

 ・・せつないよね・・もう、体が動かないよね。35にもなると」岩永


「いえっ。自然の摂理だと思います。いくら綺麗な女でも、

 70にもなれば、誰も抱いてくれませんし。」かおり

「うん。最強のバッターも、歳取れば、少年の球も、打ち返せないしね」岩永


「もしかして、人は、そのために・・・歳を取った時の為に

 積み上げるのですか?お金や、格を?」かおり

「だね。若いうちに、作り上げる。積み上げる。攻めて攻めて。

 そして、最強の鎧をつくるんだよ。金・・名声・・・格・・・」岩永


「いつからか、守りに変わる・・・」かおり

「ああ・・実際、ヤクザの親分なんて、喧嘩なんて、ガチで、やったら

 マジメな高校生にさえ勝てないよ。」岩永

「よく、わかります。」かおり


「でも、ここまで、話しても、よく、理解できないんだよ若い子は・・

 目の前の嘘、偽り、欲望に踊らされるの・・

 それに、何聞いても、くだらない夢や、目先の金ばかり・・・

 ろくな、若い子いないな今、男も女も」岩永


「もし、私に、一つだけ聞くなら・・・」かおり


「・・俺の女になったら、何を、してくれる?・・・」岩永軽く笑う


(来たっ・・・最大のお受験・・・ここは、素直に、思うまま・・)かおり



「慶太さんが死にたいときは、私が、殺してあげます!。」かおり



岩永 ただ、やさしく微笑む


回想~~~~~~~~~~~~

十数年前の東京


六本木

「俺みたいなガキじゃ、いや?」岩永

「じゃあ、付き合ったら、何してくれるの?私に?」佐藤

「ん?死にたい時は、殺してあげる♪」岩永

「ふっ・・ふふ。ふふふ・・」佐藤

「なぁに?笑って」岩永

「私も、まったく同じ。おいでっ♪もっと高い景色見せてあげる。」佐藤


新宿

「もう、田代おねーさんって、金、名声、すべて欲しいまま手に入れて

 なんで、今更、俺みたいなガキが欲しいの?」岩永

「ん?かわいいじゃん。」田代

「えっ?それだけ?」岩永

「ううん。どうせなら、同じ華・・東京一の華に埋もれて眠りたい。

 そして、もし、その華が枯れるくらいなら私が、摘み取ってあげる・・」田代

「ふふ・・・」岩永

「どうしたの?笑って?」田代

「ふふ・・難しいよ、言い回しが、いっつも♪」岩永

「ふふ・・。おいでっ。殺してあげるから」田代

「うんっ。今日は、違う意味でね♪」岩永


回想終了~~~~~~~~~~~~~

料亭


「ちなみに、なんで?」 岩永 あの時と同じ返しを・・・




「もっと愛したいから」かおり

(もっと愛したいから)佐藤

(もっと愛したいから)田代



(・・・今なら、よくわかる・・・

 突き抜けた山本と、出所から四年くすぶった俺の差

 自分に置き換えれば・・この東京と言う戦場で・・どうせ死ぬのなら、

 愛された人に、殺されたい

 きょーちゃん(佐藤)・・田代おねーさん・・・

 華が枯れるなら、せめて同じ華に・・・

 でも、俺は、目の前で、殺せなかった。中途半端に愛していたから

 だから、悲しい・・ずっと・・・・今も

 もっと、愛せなかったから・・・ずっと引きずってる・・)岩永



貫いた愛・・・

どうせ死ぬのなら・・・

私が殺してあげる・・

深く愛した愛

最後の鼓動を聞いてあげる・・・



渋谷の焼肉屋で食事中の山本と、はるか


「でも・・(もぐもぐっ)ちなみに(もぐっ)なんで?(もぐ)」はるか 

「ん?・・(もぐもぐっ)もっと(もぐ)ぐぬぬたいから(もぐ)」山本


「へへへ~聞こえない。お口いっぱいだよ、あきなさん」はるか

「ハラミ追加しよっか~?(もぐっ)すいませ~ん(もぐっ)」山本


「ハラミと、イチゴアイスクリーム。」山本

「すごいよね・・・アイスが、ご飯代わりって・・」はるか



また、これも、女帝。

今までのとは、ちょっと違ったタイプだが・・



「一回、焼いてみるか・・・アイス・・・」山本

「絶対駄目っ!」はるか

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