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さぼてん  作者: 火村虎太郎
第一部
23/68

行き過ぎた・・・

横浜

岩永の部屋


「バチンっ!!」


「っ痛いっ!」はるか


「何やってんだ!お前は~」岩永


「なんでっ・・うっ・・うう、殴らなくても・・いいじゃない・・」泣くはるか


岩永は、何か怒りが治まらぬ様、一人、海を眺める


「だいたい。女の人の手紙、取ってあるのが、いけないのよ~

 何よ!慶太お金使っていいからね。 なんて手紙捨てるわよ!」はるか


「なんで、勝手に、引き出し開けて見るんだよ!バカ!」岩永

「バカ?じゃあ見つかる場所に置かなきゃいいじゃない!」はるか


「あれは、田代さん(東京の女帝)が、死ぬ前に、俺に残してくれたお金と、共に

 一緒に、あった大事な手紙・・・遺書なんだよ!」岩永


「ごっ・・・・ごめんなさい!(もぞもぞ)」

ゴミを入れた汚い袋を開け、探し出すはるか


「ぎゅっ・・」背中から、はるかを抱きしめる岩永


「ごめん・・・もう・・いいから・・」岩永

「うっ・・うぐっ・・・うっ・・・うっ」泣くはるか


しばらく、岩永の胸の中で、落ち着いてきたはるか


「なんて言うか・・・気持ちが・・・強すぎて、最近・・・」はるか

「うん。・・・・」岩永


「自分が、慶太さんに釣り合ってないんじゃないか、なんて気持ちも強くて・・

 なんか、すごい、意地が悪くなって・・・」はるか

「そんなことないよ。」岩永


「日に日に、慶太さんの、すごさも分かってきて・・なんか、一緒にいるのに、

 遠くなっていってる気がして・・うっ・・うぐっ」また泣くはるか

「・・側にいるから・・ずっと・・」岩永


「うわあぁぁぁぁん」はるか


さみしさは、やはり、父親を殺してしまって、変な風に見られてる自分が

いるんじゃないかとの、思い。

岩永だけ、さみしさが抜けて言ってるような思い。

自分だけ、取り残されているんじゃないか?との思い。

成長していない自分。

日に日に分かる岩永のでかさ。


「・・そろそろバイト出てくるね。」はるか

「行かなくていいよ・・・」岩永


「ううん。もう、大丈夫。ありがと、気を使ってもらって。

 バイト終わったら、来てもいい?」はるか

「うん・・。待ってる。」岩永


出て行くはるか


「あっ・・やばい。携帯・・慶太さんの部屋だ!」忘れ物を取りに戻るはるか


慶太の部屋の前


「・・・・・っ・・・ぐすっ・・・・っ・・・」わずかにドアの向こうから聞こえる


(慶太さん・・・ごめん・・・本当に大事な手紙だったんだ・・・)入れないはるか


ずっと、ドアの向こうで泣いている岩永が、居る。

あの、東京の覇者の、いい歳の男がついに・・・

「うわぁぁぁぁんぁぁん」大号泣の岩永


ドアの前、声を押し殺し泣くはるか。

バレない様にゆっくりと、離れて行く。


横浜のカフェ

「遅いから、携帯鳴らしたら、オーナー出たよ。忘れてんでしょ?携帯」支配人

「・・あっ!そういや、ないや、携帯・・ごめんなさい遅れて」はるか


「ううん。遅れてはないよ。普段早いから、気になっちゃって、

 なんかトラブルかなと。オーナーが、今持って来てくれてるよ!」支配人

「えっ!?ありゃ~・・・(どうしよ・・・)」はるか


「お~い。はるかぁ~、携帯、忘れてるよ~♪」超元気にやってきた岩永

「・・・うっ・・うっ・・・うわあぁぁあぁぁんぁ」はるか


「どうしたのよ?はるか?」支配人

「ありゃりゃ・・・困ったな・・・」岩永


涙が、止まらないはるか。


バイト終わりの夜


「んっ・・んっ・・・・どうしたのよ・・今日?・・いきなり・・」岩永

「・・んっ・・んっ・・・・・・・」はるか


ただ、溶けていく。今なら、このまま一緒に・・死んで行きたい・・・。

深く、寒い、冬の中で。


「んっ・・・あ・・・・あっ・・・」岩永

「・・・かわいぃ・・・」そう言って岩永の上に乗るはるか


「あっ・・・・あ・・」はるかを抱きしめる岩永

はるかの背中に僅かに食い込む爪


この日、初めて慶太さんが、すべてを脱いだような気がした。

そして私も。


あくる日の朝、正確には、もう、昼


なんだか、昨日の夜、普通より、行き過ぎたような、

汚いような、セックスをしたもので、なんだか、お互い恥ずかしい。


「じゃあ、そろそろ行ってくるね。」家帰ってからの事務所のはるか

「・・うん。」岩永


軽いキスのつもりが、自然と、深く入って行く舌。


「・・・・・」岩永

「・・・・・」はるか


ゆっくり離れて行く二人。わずかに、糸を引く、唇と唇。


「慶太さん、どうしてもって、言ってたから、言ってみれば今日。」

なんか、恥ずかしいんで、すぐ、思い出した様に会話する、はるか


映画プロデューサーが、どうしても、食事に行きたいと、お礼を兼ねて


「チョイ知り合いって、・・・どれくらい?」はるか

岩永のさみしさが、わかるから、仲の良い知り合いで、あって欲しい。


「当時直接話した事はないよ。六爆の田村君の近くに、常に居たような・・

 ああ・・はるか、もう、わかるでしょ、詳しいから・・

 六爆の二代目だよ。蛇撃だと、楠木の相棒の・・・」岩永

「おお!六爆。そうなんだあのプロデューサー。」はるか


(唯一の知り合いが、それでも、当時、直接話しした事ない人か・・・

 本当に・・・仲が、いいのは、みんな死んだんだね・・慶太さん・・)はるか


「私も、今日、スタジオで、遅くなるかもしれないから、行ってあげて、慶太さん

 もう、連絡しとくよ!」はるか

「ちょっ・・ちょっと~」岩永


勝手に連絡するはるか。


(まっ、いっか・・・たまには・・・映画プロデューサーだし、

 子分にしてくれとか、常に家に来だしたりとか、ないだろ・・)

つきまとわれるのが、嫌な岩永。そりぁそうだキリがない。


「はいっ。はい。わかりました。そう伝えておきます。はいっ。おつかれでーす」

電話を切るはるか

「慶太さん、六本木のロアビルってわかる?」はるか

「ふふ・・・当然。たまり場の近くで、よく遊んだよ」岩永


「借り切ったから、人目気にせず来てくださいって。」はるか

「ばかっ・・・あのヤロウ・・・断れねえじゃねえか・・もう」岩永


「だね。はるかさんも、音取り、終わったら、来てくださいって。

 終わったら行くからね私も。楽しみ~六ジャクの遊び場かぁ~」はるか


(ふっ・・・本当プレジェイファンだな、はるか・・

 てか、東京アウトローマニアだな・・・)岩永


だが、やはり、噂が、噂を呼び出す。

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