あとで・・・
夕食も終え、岩永の住むホテルに帰ってきた二人
シャワーを浴び、少し、くつろぐ二人
「・・ねえ・・慶太さん・・・」はるか
「ん?何?」岩永
「本当に、もう、知り合いも、友達もいないの?」はるか
「いないね・・・・見てほれっ」携帯を渡す岩永
電話帳を見るはるか
「店支配人・・バー支配人・・ホテル・・はるか・・・不動産・・・
・・・ええ!!五つしか、入ってねえ!」衝撃のはるか
「だね・・・・」岩永
(山本さんが無い・・・山本さんの事は・・聞いていいんだろうか?
仲悪かったら嫌だしな・・・知らないんじゃなくて、
入れてないかも、しんないし・・・う~ん保留!)はるか
「どうする?バーでも行く?それとも、散歩でも行く?」岩永
あの海は、すぐ近く
「・・・あとで・・・」はるか
「ん?・・・あとで?・・・・」岩永
「・・・・・・・あとで・・・」近づいてくる はるか
窓に映る。夜景と、離れて行く唇と唇。
やっと、人並みの・・・感情。
「・・・ふふ・・・・すごい・・ひさしぶり・・・」岩永
「・・・・私・・も・・・・」はるか
溜め込んだ悲しみが、少し抜けて行く様な・・・
どこまでも・・・深く・・・ずっと・・・・
暗闇の、窓に映る夜景と、大人の愛情表現
シャワーを浴びてきた岩永
ベットに横たわり、余韻に浸る はるか
「てかっ!やくざか!刺青ぃ~!!」竜の刺青を見てはるか
「いえっ。チンピラです。てか。ほぼ、ニート。」岩永
「この金持ちニートが~!」はるか
「わはははは」はしゃぐ二人。
不思議なカップル。
ムードあったり、なかったり・・
「てか・・・すごい・・・傷・・・」傷を触る はるか
「あっ・・うん・・・」岩永傷だらけの体
「すごかったんだね・・・六本木戦争って・・・」はるか
「お前もう、俺より、詳しいんじゃね?・・・」岩永
「ふふ・・うん。逢えないから、ネットで、色々調べるくらいしか・・」はるか
「電話すればいいじゃん・・・」岩永
「貧乏人は、電話代の事も、気になるんだよ~コノヤロ~」はるか
「わははは。かけるよ。今度から多めに。」岩永
「私のも・・見た?」はるか
「見たよ。親殺したんでしょ。」岩永
「さらっと、言ったぁ~」はるか
「えっ?うん。」岩永キョトン顔
(でっけーな・・・ふふふ・・・さすが)はるか
岩永の斬られた傷。撃たれた傷。
あの時代、東京で、輝いていた事実。
忘れることの出来ない物語。
(もう少し。生きてたいな・・・)岩永
忘れることが、出来ないなら、せめて、空白の17年を埋めるほどの
感情で生きたい。
誰も俺の事知らなくてもいい。
今からが、新しい物語。
なんか、やっと、出所した気分の岩永
広島
「うおっ!けーさん(岩永)が、広島で、関西風のお好み焼き店やってた~?
あっ!思い出した怒られてるの見た・・・彼女さんに・・・
たしかプレジェイ売った金で・・・あるのかな?まだ?」
相変わらず、ネット検索の山本
まだ、踏ん切りが、つかない。終われない。
ゆえに、まだ現役の山本。
少しでも、目につくように・・・
あの人が、長い刑務所生活から出てきても、わかる様に
結局店は、早々と閉店の事実を知る。
また、途切れる。
「もう・・・終わりたいよ・・・けーさん・・・」山本
まだプレジェイの火は消えてない。




