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さぼてん  作者: 火村虎太郎
第一部
1/68

悲しみの海

「悲しかったから・・・・・」



海から突き抜ける風、小奇麗な着こなし。

一際目立つ、オーラ?・・・違和感?・・・

やさしく包み込むような匂い。だが毒も有りトゲもありそうな・・

この海の横で。ただ、一人乾ききっている。


ヤクザにも見えなくもなく、華やかな有名人にも見える。

この街じゃ有名な?普通じゃない人物だとは、うすうす気づく通り過ぎる人達。

感じる。異彩と偉才。金の匂い・・・。

ついつい見てしまう。引き込まれてしまう。


ただ、何を求める待っているわけでもなくただずむ。

訪れるたび見かけるこの男。

いつもコーヒーチェーンのコーヒーを片手にただ時間を潰す。


たまに鳴る携帯の着信音にビジネス会話。

不定期に現れる。昼も夜もなく。

この辺りに住んでいるはず・・・


もうここ数ヶ月で何回見かけた事か・・・

いやっ・・・私が気になってここに来てる。

だが、たまに来るこの回数でこの見かける頻度


最初はヤクザかなと感じたこの男。そんな感じの違和感。

ニート?・・にしては子洒落た格好・・・

実業家?・・それほど年って訳でも・・・35~6?


いつも一人。


また今日を逃すと・・・間が開くな・・・

前とその前は時間帯のずれか見かけなかったし・・・



「こんにちは、よくお見かけしますね。ここ・・・この辺りが、

 お好きなんですか?」(言った!話かけた!よしっ。)女


「んっ?」(あっ、俺か。)女に気づいて、そちらを見る




「悲しかったから・・・・・」



また、海を眺めながらコーヒーを口に含む男



(もうっ。ほっとけね~!!!)完全に引き込まれた女




少し間があったが、男が座るベンチの横に腰かける女。


「んっ?ああ・・どうぞ・・・」少し席を詰める男

「はいっ。スタバおいしいですよね」男のコーヒーを見ながら


「うん。・・・あっ!、おごろうか?」気を使う男

「あっ!はっ・・って・・・・」時計を見る女


(時間か・・・仕事かな?)女の方を見ながら


「あのっ迷惑じゃなかったら、今度・・・

 というより・・・あのっ・・・メール!・・・いいですか?」恥ずかしそうな女


なんだ?これ?昼間に逆ナン?でも、知りたいから来てるんじゃ?私。


「いいよっ。名刺あげる。(名刺を探す手)・・・あれっ?

 ああ・・。はいっ!これ。」名刺を出す男


「はいっ。ありがとうございます。あとで、すぐ、メールしますね。

 (時計を見る)・・・せっかく、お話、したかったのにすみません。もう・・」女

「ううん・・・いつでも。」少し笑う男


「はいっ。あとでメールします。」ベンチから立ち上がり、笑顔の女

「うん。・・・じゃあね・・」やさしい笑顔の男



帰りながらも、たまに振り返る。

まだ、あの人は、あの場所にいる。


遠くから見ると誰もがその男を見ているのに気づく。

何か芸能人がいるような。しゃべりかけられたいような・・

何か仲良くなりたいような・・・

不思議に皆、引き込まれる。


駅に着き、電車に乗る女。


(うわ~・・見えそうで・・・見えない?)電車の窓、遠くに先ほどの場所を見る。


(ふふっ・・・話かけたぞ!名刺、名刺・・・)名刺を取り出す女


(やくざかな?・・・どうしよ・・・何々組っ・・とか、書いてたら・・・)

名刺の裏を見る女・・・


(さて・・・ほれっ。)名刺を見る女


「・・・・・・グレー・・だな・・・」何か、納得の女。




企画 コンサルティング


ジャックストリート 代表 岩永 慶太


tel・・・・・・・・・・・mail・・・・・・・・・



(ふふ・・絶対、半グレだ(チンピラ)・・・でも・・・極悪って感じじゃ?

 空港ついて、から、メールしよっと・・・)少しニヤつく女



まだ、あの場所にいる、男。


(何回か見かけたな・・・たしか・・・一人でたたずんでたな、何か考えて、メモ?

 失敗したかな?おごろうか?って、逃げる口実で、メール聞いたのかな?

 てか・・・お前も俺と同じ・・浮いてたぞ・・・この海辺で・・・

 似た者同士「だよ・・・同じ、・・乾いてるから・・・)岩永


「さて・・・かえっか・・・久々女の子と、しゃべったな・・」立ち上がる岩永


「・・・うわぁ~・・・気になる・・・・」岩永歩きながら


(歳は?・・・27~8?間違いなく俺より下。だけど格好は若いな・・

 だけどオシャレに気を使ってるの、わかるな・・・

 職業なんだろ?フリーターって感じか・・・)岩永


部屋に帰り服を脱ぎくつろぐ。

窓を開け・・・

「ピピピ・・・」メールの着信音


(来た?てか、何期待してんだよ俺・・・はいはい・・・

 迷惑メールでしょ・・・どうせって・・・題名が、先ほどの?・・・)


「来たっ。早い。絶対そうだ。」メールを見る岩永



題名 先ほどの者です。


本文 

京本はるかと、申します。

急にすいません。話しかけて。せっかく、お茶まで、誘ってもらったのに・・・

今度東京・・・神奈川か・・に寄った時、時間があれば、ご一緒したいです。

また、ちょいちょい、メールしていいですか?


「・・・・・・・・・うん・・・・」なぜか、せつなそうな岩永


(・・・・打つか・・すぐ打ったらなんか・・・まっ、いっか・・・

 えっと・・・全然メールしてください。昼でも夜でも。

 夜型なんで朝まで起きてますんで。てか、こっちの人じゃないんだ?

 ・・・で、いっか・・・)返信する岩永 


だが、しばらく返信が無い。



「もう何年・・・抱いてないんだろ・・・

 もう・・・・終わったはず・・・

 いやっ・・終わらしたんだ・・・

 でも・・・・何年振りだろ?この感じ・・・

 気になる・・・抱きたい・・・・金以外を・・・」札束に埋もれる岩永


乾いているから・・・

悲しかったから・・・

もう殺したくないから・・・


動けない。もう10年以上。悲しみに縛られたまま。


だが、わずかにこじ開ける。京本はるか29歳。

何も知らない女。

ロックスターな女。


才能と経験、悲しみを生きるために詰め込んだ、

都会のサボテン達。


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