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五郎とたまの、のんびり四季ごよみ  作者: 浅見つむぎ


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10/10

『青葉のトンネルと、ひみつの獣道』

五郎:初夏のひだまりと、まどろみの特等席


麦茶で喉を潤したあとは、心地よい気だるさが体に残った。


夕飯の支度を始めるにはまだ少し早い。


縁側には、西に傾きかけた初夏の柔らかな日差しが、ちょうど良い具合に差し込んでいる。


畳の上に寝転がり、腕を枕にして目を閉じた。


庭の木々からは、名前の分からない小鳥たちのさえずりが遠く近く聞こえてくる。


雨上がりのしっとりとした空気を含んだ風が、開け放した障子を抜けて、私の体をそっと撫でていく。


「ふにゃあ」


小さな鳴き声がしたかと思うと、私の脇腹のあたりに、ぽてっとした温かい重みが加わった。


たまが、私の体をベッド代わりに決めたらしい。


器用に足元をふみふみと整えたあと、くるりと丸くなって収まった。


猫の体温というのは、どうしてこうも人を眠気に誘うのだろうか。


たまの規則正しい小さな寝息をBGMに、私もそのまま深い微睡まどろみの中へと落ちていった。


たま:初夏のひだまりと、まどろみの特等席

冷たいお水をいっぱい飲んだら、今度はお腹がポカポカして、すっごく眠くなってきちゃった。


五郎を見たら、お部屋の畳の上にごろーんと横になって、もうおめめを閉じている。


縁側には、お日様の光がオレンジ色になって優しく差し込んでいた。


ここは、いま一番あったかくて気持ちがいい場所。


たまはトコトコと五郎に近づいて、その大きなお腹の横のところに、ぴょんと乗っかってみた。


五郎の体は、お山をたくさん歩いたから、いつもより少し熱くてたくましい。


ここをたまの「お布団」に決定。


おててで交互に五郎の体をふみふみして、一番落ち着く形になったら、くるんと丸くなる。


お外からは、鳥さんたちが楽しそうにおしゃべりする声が聞こえるけれど、もうおめめが開かないの。


五郎のお腹が、息をするたびに優しく上下に動く。


たまはゴロゴロと小さく喉を鳴らしながら、五郎と一緒に、とっても幸せなお昼寝を始めた。



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