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沖谷幸生にしあわせを  作者: 椋木美都
第2章『沖谷幸生は母親を辿る』

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番外編『安全な方が、後で後悔するより良い』

前回の続き。

はるま「さっちん今週ヒマ?誕プレ欲しいのあるから買って!」


幸生「いいけど……まだはるまの誕生日まで1ヶ月か―ってとこだけどいいの?」


はるま「だって数量限定だし。ウチの誕生日まで待ってたら春限定の新作買えんくなる!」


幸生「春限定なのに4月17日には売り切れるのか……それは前倒ししないと」


というワケで3月17日。私達は百貨店で誕プレを買った後、駅前にある大型ショッピングモール『サイコーモール』に行った。


はるま「さっちん何か買いたいのあるん?」


幸生「喪服」


はるま「もふ……!?」


幸生「20歳になったしね。礼服はちゃんと持っとかないと……いつ何が起こってもいいように」


はるま「リクルートスーツじゃ駄目なん?」


幸生「絶対駄目!急じゃない限り避けて。大人しく黒のワンピース着なよ」


はるま「ママが着とるアレね。あーあ前までは制服があったのに」


幸生「準フォーマル服だからね。脱いでからアレの有難みが分かるようになったよ……靴もローファーでよかったしバッグもいらないし」


はるま「え。ひょっとしてお葬式ってダ……大変?」


幸生「ギリギリで呑み込んだな……あぁこれこれ。やっぱりピンキリだなー」


はるま「2万……2万9000円……5万!?」


幸生「ま、まぁ礼服だから安くても1万はするよね(震え声)」


はるま「めっちゃ強がっとるが。えーウチも今度ママに買ってもらお」


幸生「それがいいよ(私も、もしお母さんが生きてたら、多分一緒に買いに行くことになっただろうな……『土曜10時にサコモでアンタの喪服買いに行くから来なさい』とか言って)」


はるま「買うならさっちんパパに買ってもらいやーよかったのに。成愛ちゃんも喪服いるよな?家族で行ったら……」


幸生「あーー。頭に無かったな……まぁ今日買うつもりでお金持ってきたし。一式揃えるよ」


はるま「(さっちんってパパと成愛ちゃんと仲悪くないのに1人でこういうのしがちよな……昔から)……昔から?」


幸生「え?」


はるま「んーん。(思春期か)今日ママ休みじゃけぇ夕ご飯ウチで食べよー」


幸生「え。じゃあ1階で手土産買う」


サイコーモール1階。食料品売り場にて。


幸生「煎餅どこだ?(そんなものはるまのお母さんの為以外で買ったことないからな……あ、これは煎餅を馬鹿にしてるワケじゃなくて個人的な意見ね)」


はるま「あのイケメン店員さんに聞こ」


幸生「えっどこ……もしかしてあのレジ打ちしてる人?一番声かけちゃいけない人じゃん。はるまは店員に声かけるくらいだったら何周してでも自分で探すタイプのクセに……」


はるま「この前それで見つけられんくておつかい失敗した」


幸生「オイ来月21歳」


はるま「……あ、あった」


幸生「本当だありがと、う……」


はるま「さっちん?」


幸生「(ペットフード商品コーナーを見て)はるまの家って、人間より猫の数のが多いよね」


はるま「うん。最近また増えた。この前ママが会社に住み着いた野良猫保護しとって――」


幸生「(あー理性が『止めろ。今までの私が100しないことをするな。確実に訝しがられるぞ』って訴えてる……)」


幸生はこっそりと少し高めの猫用おやつを掴んだ。煎餅と合わせて購入し、はるま母に手渡すが――そこではるまにも見つかってしまう。


幸生「ほらアレ……買うとポイントが付くクーポンあったから」


はるま「えー?さっちん猫に興味無いが!」


幸生「ぅ……ま、まぁ、猫って可愛いから」


はるま「えっ……!?」


幸生「そ、そんな驚く?私ってそんな……いや。そんなだったか」


はるま「うん」


愕然としたはるまから目を逸らし、幸生は寄ってくる猫(名前覚えられない)の背中をそっと撫でた。


「にゃー」

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