表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
沖谷幸生にしあわせを  作者: 椋木美都
第2章『沖谷幸生は母親を辿る』

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

21/49

プロローグ『病によって想起される病』

2章以降は前作『100万を置いた猫』の続編となっております。ご注意ください。

インフルエンザでぶっ倒れてから治るまで――篠木はほぼずっと私の傍にいた。悪く言えば怖い。うざったい。どっかいって迷惑。だったけれど、体調が良くなるにつれ心の余裕が生まれてからは『病人には近寄らないタイプかと思ってたけど意外と面倒見いいんだな』と思うようになった。


これは私に限ったことではなく、昔から人一倍丈夫な篠木は家族や友人のお見舞い役をよくしていたんだそう。なんだ単なる慣れか。


「――心配かけてごめん。もう大丈夫だから」


「……全然そうは見えねぇけど」


「え?もしかしてまだ熱ある?出る前に熱計ったんだけどな……」


とぼけて平熱アピールをする裏で考えるのは別のこと。


――ねぇ篠木。私、子供の頃から1人で寂しいなんて思ったことないんだ。だって起きている時はずっと傍にお母さんがいたから。それが当たり前で。病院に連れていくのも予防接種も看病も――全部全部、お母さんが……。


その経験がどれだけ貴重なのか。今になってようやく分かった。体調崩している間はずっと『手のかかる子』を見る目をしていても……あの人はちゃんと母親だった。


1月の時(第299話)の方が症状軽かったからか?前より顔色悪い……本当に治ったんだろーな」


「……それは」


――だからもっと1人になりたかったのに……。


心が波立つ。篠木の動物並みに鋭い勘が、私の心の病みを見透かしているようで――更に気持ちが悪くなった。


「……篠木がずっと傍で私の弱いとこ見てたから。どんな顔すればいいか分かんないだけだよ……」


歪む表情をマフラーで隠し、私は逃げるようにバイト先へ逃げた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ