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幼馴染Vtuber、暴走するってよ  作者: 日陰浴
シンライ崩壊編

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いざいざお披露目オリジナルソング

新章、信頼崩壊編、始まりました!

      <配信が始まりました>


「ご機嫌いかが皆々様!延暦寺 小町です!」

「どうも。うたてブートキャンプも終わって一安心している、本能寺 我炎です」


『こんちゃー』

『ブートキャンプ終わったんか』

『↑本能寺がツイートしてたぞ』

『サムネ見た感じ、今日はいつもの配信と少し違うのか?』

『地味に不安感を煽るよな、白黒サムネ』

『↑わかる。事故でもあったのか心配になる』


 そう、今回は普段の雑談配信とは少々異なる。

 だから、普段はしないようなサムネイルにした。

 真っ黒の背景に白字で『重大発表』とだけ貼り付けたものである。

 昨今、細かい意匠を凝らしたものや、ド派手に仕上げたサムネイルをしている動画をちらほら見るようになったが、そんな中で白黒のものがあると目を引くのだ。

 だがしかし、このようなサムネイルはコメント欄を見る限り、視聴者に不安感を抱かせるようだし、あまり多用したくはないかな。

 それに、そうやって不安を煽って呼び込む手段を使うようになってしまったら、配信者、いや人としていけない気がするし。


「安心なされ!焼き討ち組を不安にすることはあんまりないから!」

「これに関しては延暦寺に同意する」


『お、おう••••』

『急にどうしたお前ら••••気持ち悪いぞ』

『↑素直に照れることの出来ない、捻くれた焼き討ち組の図』

『割と毎回不安にさせられてるゾ』

『↑それな』

『↑不安というかヒヤヒヤというか』

『その内ギャングとやり合ったりとかしねぇだろうな?』

『↑ギャングじゃないけど、マフィアとやり合ったことのあるVtuberは知ってる』

『↑AIKOKU組じゃねーか!?』

『↑語弊のある言い方やめろォ!?』

『マフィア•••イタリアのシチリア島を起源とする組織犯罪集団。マフィアの語源はアラビア語で虚栄や自慢を意味するmahyahだとする説や、Morte alla Francia Italia anela(「すべてのフランス人に死を、これはイタリアの叫び」の意)の頭文字を取ったという説がある。』

『↑知識人ニキ、今日もキレキレっすね』


「本当!?AIKOKUの人達、戦争したことあるの!?」

「おい待て延暦寺、マフィアとの戦いは戦争じゃない。ワクワクするな。抑えろ」

  そして戦争にワクワクを求めるな。あれは悲しみと若い文化の後退しか生まん。


『だから語弊ィ!?』

『確かバルバヤットさんが元軍人だった希ガス』

『↑あれ元民間軍事会社出身じゃなかった?』

『↑その両方や。軍人→民間軍事会社→Vtuberやな』

 

 何その物騒なラインナップ••••。

 ていうかVtuberだけ異質過ぎない••••????

 軽く引いている俺を他所に、コメントは凄い勢いで流れる。


『バルバヤットさんはマフィアとやりやってはなかったはずだぜ?』

『↑それは軍人時代。民間軍事会社時代はマフィアの鎮圧をしてたらしい。』

『そういえば「マフィアといっても日本のヤクザみたいなもんだよ」って本人が言ってたな』

『↑それほぼ警察じゃ••••?』

『警察じゃ勝てなくて、軍を出す程の規模じゃなかったんじゃない?』

『駄目だ。平和な日本に住んでいる俺たちじゃ何が何だか皆目見当もつかねぇ』


 おっといかんいかん。引いている場合じゃなかった。

 このままだと、今回の配信の趣旨から大きく逸脱してしまう。

 俺は両手をぱぱん、と打ち鳴らし、話題の中断を促す。


「この話はここまでにしよう。趣旨から脱線してきた。ほら延暦寺、本題に戻るぞ」

「ええ〜!もっと読んでいたい!」

「きっと有志の方が纏めてくれてるから、な?」


『本能寺にそこはかとなく父性を感じる』

『パパァ••••』

『↑まーた脱線してるよこいつら』

『学習しやがれ焼き討ち組』

『もうお前ら線路降りろ』

『↑いつから焼き討ち組(俺ら)が線路にいると錯覚していた••••?』

『脱線の一言だけでここまで広げられるお前らすげぇよ』

『お前らふざけるのは程々にな。本能寺に延暦寺をけしかけられても知らんぞ?』

『↑やめた』

『↑延暦寺の刑だけは御免だ』

『延暦寺は嫌だ延暦寺は嫌だ延暦寺は嫌だ延暦寺は嫌だ』

『初見です。••••すげぇなこの配信者。リスナーに恐れられてるぞ。••••魔王かな?』

『↑魔王は草』

『↑おい。この初見、初っ端に魔王とか、なかなかに猛者だぞ。囲め囲め!』

『さて••••確かに本題は気になる。』

『↑うわぁ急に落ち着くな!?』


「もう君らが配信したら?」

「延暦寺に同意。俺らの視聴者が愉快すぎる件」

「ほんそれ。コメント欄だけで漫才をやり出すって相当よ?」

「才能の塊」


『お前らに似てきたんじゃない?』

『↑何それめっちゃヤダ』

『これぐらいやれねぇとお前らについていけねぇだろうがよ』

『↑まぁ普通の視聴者ならドン引きして逃げるわな』

『俺達が本能寺と延暦寺に近づいていったのか、それとも元から俺達がやばかったからここの配信に居着いたのか、はてさてどっちかな?』

『この間、推しに褒められて喜んでるコメントが見当たらないのなんかのバグだろ』

『↑そーいう君もやぞ』

『俺達はこいつらのツッコミ役で、最後の理性だからな』

『↑怒られろw』


「まーた話がずれてしまった。時間を殺しちゃったよ」

「殺しちゃったかぁ••••なら、コンクリ詰めにして海に流さないとだね」

「ヤクザか。あと何でそんなに猟奇的なんだお前は。時間を擬人化するなよ」

「時間を擬人化かぁ••••そういえば、『時間を潰す』って表現あるよね。あれって擬人化なのかな?それなら時間をミンチ肉にしてることになるよね?」

「ミンチ恐ろしい。けど、そう考えてみると、中々に不思議な表現だな••••って、いや待て俺は今何の配信をしていた?」


『この猟奇的さにも慣れてきたなぁ••••(白目)』

『思い出されましたか』

『お気づきになりましたか』

『ここまでにしよう。とか言ってたのに••••』


 うっ、流石に弁明の余地がない。

「スミマセン。••••じゃあ仕切り直します。ご存知の通り、今回の配信を始めたのは、かなり大事な発表があったからだ」

「耳の穴引きちぎってよく聞け〜!」

「はい。それは言うなら『耳の穴かっぽじって』だな。はてさて、頭のおかしな延暦寺は放置するとして、早速発表していこうか」


『ここまで長かったなぁ••••』

『まぁいいべ。で、結局どんな内容なんよ?』


 コメントを伺い、俺は横の美納葉を見やり、声を掛ける。

「せっかくだし、延暦寺、ドラムロール頼むわ」

「おっけ〜!••••デッデッデデデデ!(カーン)デデデデ!」

 美納葉は指で丸を作ると、「イクゾー」と幻聴が聞こえそうなドラムロールを始める。

 いやこれはこれで盛り上がるんだけど、今は違うでしょ。

「それは違うだろ」

「アッハイ。••••••••ドゥルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルッ!」

 そうそう。やっとまともなのが出てきた。

 俺は美納葉と息を合わせて、いい感じのタイミングで口を開く。


「パシーン!」

「たった今より!オリジナルソングを発表します!そして、同時視聴します!」

 美納葉のシンバル音と若干重なってしまったが、まぁいいさ。多分聞こえているだろうし。

 俺はコメントを見るべく、パソコンを覗き込んだ。


『おお〜!』

『おめでとさん!』

『うたてブートキャンプで作ったのか?』

影縫 ミナト『おめでとう!』

『てか今から!?急すぎない?』

青下 不透『よっ!おめでとう!お疲れ様!』

うたて カエル『おめでとう』


 見知った名前を始め、好意的なコメントがずらり並んだ。

 うんうん、と美納葉が頷いている。ご満悦らしい。


「急と言われましても。驚かせるつもりで発表した訳ですしおすし。••••あ、あとブートキャンプで作ったというよりも、ブートキャンプの後にうたてさんが作ってくれたんだよね」

「その曲を今回の配信中に投稿するので、同時視聴しよう!って配信だね」


うたて カエル『本来なら自分達で作って欲しかったけど、時間もなかったし、私が作った。』

青下 不透『↑こう言ってるけど、絶対自分が作りたかっただけだぜ』


 この人達。コメントでも親密さを出してくるなぁ••••本人達はそのつもりなさそうだけど。

「コメントにあるように、今回のブートキャンプ、自分で曲を作らせるつもりだったらしいけど、色々ある中で曲作りの暇がなかったので、うたてさんが作ってくれたんだ」

「あの後『次は君達が作った曲を聴かせて』って言われたね」


『ほへ〜。そんなやり取りが』

『いかんな。狂気度が少ないとコメントがまともになる』

『↑いいことじゃねーか』


「さて、こんな雑談して引っ張る意味もないし、さっさと曲を聴きに行こうか」

 そう言うと俺は、マウスカーソルを移動させ、件の曲を公開する準備に入る。

 実のところ、曲自体はもう投稿してある。非公開で誰にも見られないようにしているだけである。

 俺が動くと同時に美納葉は動画のURLを配信に貼り付けると、ミュートの準備をしだした。

 俺達の音が他の視聴者にとって邪魔になる場合もあるしな。

 大方支度も終わったようで、俺達は視聴者に声を投げた。


「「それじゃあ。行こう!」」

        ◆◇◆◇◆


 ••••。


「どうだった?」

 美納葉は視聴者に向かって問い掛ける。


『何というか••••まともだった』

『こいつらのことだから底抜けに明るいネタ曲を歌うのかと••••』

『↑うたて カエル作なのを忘れずに』

『音楽に詳しくないからそこまで言えないけど、凄い曲ってのは分かった』

『明るい曲調なんだけど、人としての苦悩というか、人の在り方というか。それが徐々に分かっていって、最後に理解する。そんな感じの曲だった』

『J-POPなんだけど、エレクトロニック・ダンス・ミュージックの要素も入ってる?』

うたて カエル『↑正解。二人ならもうちょっと難しくてもいけそうだったし、ボカロ曲の感じにちょっとだけ寄せてみた』

『いい曲だった!』


 反応は上々。まぁうたてさんの作った曲だから当たり前だ。

 次は俺達でこれと同等。いや越えられるような曲を作ってみたいな。

 美納葉はというと、「だよね!いい曲だよね!」と自慢気に話していた。

 

 かくしてその配信は、これといった事件も起こらぬまま、無事に幕を下ろしたのであった。

         ◆◇◆◇◆

 配信、その後片付けも終わり、俺達はパソコンで曲の状況を確認していた。

「いやぁ••••今の所評価いい感じだよ!」

「これといったアンチコメもないし、ほんと何事もなくてよかったな•••••って、ん?」

 ぶぶぶぶぶっ。

 不意に、机に置いておいた俺のスマートフォンが揺れ動いた。

 何事ぞ、と思いつつロック画面を開くと、そこには「トワイライトプロダクション ライバーズ事務所」という文字が浮かんでいた。

 連絡事項かなと思いメッセージアプリを見るが、どうも違う。今一度通知欄をよく見ると、まさかの通話アプリからであった。

「どしたの?」

「いやなんかトワイライトから電話が」

 俺達はトワイライトに「好き勝手していい」というお達しが出ているので、基本的に連絡はおろか電話なんてこないのだが。一体なんだろう。夏休みだからイベントでもするのだろうか?

 俺は疑念を持ちながらも、事務所に折り返しで電話をする。


 すると————————、

最後まで読んでいただき、感謝です!

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