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幼馴染Vtuber、暴走するってよ  作者: 日陰浴
デビュー編
5/131

幼馴染Vtuberの学校生活と謝罪会見

今回、エラーでルビが挿入出来なかったので補足です。『" "』この記号は『ダブルクォーテーション』と読みます。

 私立羽瀬山高校。

 ここは俺と美納葉が通っている高校だ。

 かなり自由度の高い校則とマイペースな教師陣が人気なのだが••••。

「ねぇねぇ千隼!"紐なしバンジー"って楽しいのかな!?やってみて感想をおしえてよ!200字以内で!」

「俺に投身自殺をしろと?」

「ちゃんとマットを引くよ?」

 俺はこの学校に進学したことを早くも後悔している。

 理由は言わずもがな、自由過ぎてこの幼馴染(バカ)を制御出来ていないからだ。

 因みにウチの学校のマットは小さくて薄いやつしかない。

「数十メートルの高さの衝撃はマットでは受け止められないと思うんだ」

「やればできる!諦めんなよ!」

「あの太陽神松岡でも"諦めろ"って真顔で言うと思う」

「諦めんなよ!!!!!」

「押し切りやがった」

 俺としては、こんな奴が居るからもう少し校則を厳しくしてもいいと思う。

 その後、無理矢理屋上に連行され落とされかけたけど俺は元気です。


 昼休み。図書室。

「今日はバンジージャンプ?災難だったねー」

「訂正すると投身自殺ね」

「あー紐なしかー」

 俺は委員会の仕事で図書室のカウンターをしていた。

 一緒に話しているのは同じ図書委員会所属、そして中学の頃からの友達である下凪 夕(しもなぎ ゆう)だ。

 毎日数回は奇行を起こす美納葉についての愚痴を言うことのできる唯一の相手だ。

「それにしても••••図書室は静かでいいなぁ」

「そうだね」

「美納葉が出禁だからな」

「あはは••••」

 苦笑を漏らす夕。けど本当に静かな場所は助かるんだ!司書さんありがとう!

「そういえばさ!」

「どうした?夕から言い出すなんて珍しいな?」

 基本的にこの少女は聞き手に回っているのだが、今日は何故か目をキラキラさせながら話しかけてきた。

「昨日ね面白そうな新人Vtuberを発見したんだ!」

「へぇ〜そういえばVtuberのファンだっけ?」

「うーむ、まぁそんなとこ!それよりさ、そのVtuberは少し珍しいコンビでさ!なんか関係が何処となく千隼くんと美納葉ちゃんに似てるの!」

 な、なんか雲行きが怪しくなってきたんだけど••••。

「延暦寺と本能寺っていうんだ!」

「アーソーナノカー」

「なんかカタコトだね?」

「ソンナコトナイヨー」

 まずい!バレたら終わる!しかも人が沢山••••そこそこ居る図書室!少しでも気付かれたら今後安定した生活を••••生活••••を?

 安 定 し て な く ね ?

 ••••いやいやそんな事はどうでもいい(感覚麻痺)。今はこの状況をなんとかするのが先決だ!

「そ、そう言えば!」

「どした?」

 俺は話を無理矢理逸らす。

「じ、実はそいつの配信俺観てたわ!美納葉に見せられた!確か神凪 ハマって奴が観てたよな!?すっごいいい人っぽくて気になったから教えてくれないか!?」

「ぅ、わかった!教えてやろう!神凪 ハマについて!というか観てたの?」

「お、おー!」

 自分でも苦しい言い訳だと思ったのだが、なんとか夕を誤魔化すことができた様で、俺は神凪 ハマについて話を聞くことになった。

 数分後、設定、キャラ、見た目、その他諸々語られ俺の頭はパンク寸前です。というかコイツ詳しいな!?流石Vtuberファンと言った所か。

 その後も色々と世間話を続けていると、

「たのもー!」

「来やがったな美納葉ァ!?」

 ドガン!と大きな音がし、扉が蹴破られた。

「くそっ!出禁の癖に性懲りも無く現れやがって!お前は一体何なんだ!」

「私は私だよ?我が道を行く!それこそ私!それがなくなったら私じゃない!」

「名言風に言ってるがやってる事はただのヤバい奴だからな!?」

「それも私」

「ウルセェ!誰がお前が蹴破る扉を直してると思ってる!俺が扉を直せる技術を持ってなかったら終わってたぞお前!?」

 俺は鞄から工具箱を取り出して扉を修理し始める。この光景は何度も繰り返されているので図書室内で驚く生徒はほぼいない。

「普通の男子高校生は扉の凹みを新品同様に直して取り付け直す事は出来ないんだよなぁ••••」

 俺だってなりたくて出来る様になったんじゃない。こいつが毎回毎回扉を破壊して登場するから死ぬ気で覚えたんだ。

 ひしゃげたローラーを真っ直ぐにし、油を通して滑りを良くして、凹みをトンカチで元に戻す。最後にはめ込めば完了。

「相変わらず凄い出来と速さだなぁ••••業者かな?」

「まぁ慣れてるし••••でもこんな作業面倒いし正直やりたくない••••あと業者じゃない」

「もう一回蹴ろ!」

「やめろ!」

「有名な登山家も言ってるだろ?"そこに扉があるからだ"って!」

「その登山家の脳内が遭難してやがる」

「山の休憩場所に扉あるじゃん!」

「それ蹴破ってたらとんだ犯罪者だよ」

 業務(図書委員+扉修理)を済ませると俺達は学校を出て帰り道を進む。

「そういえば今日の配信なんd」

「馬鹿やめろ⁉︎」

「配信?」

 最後の最後で一番面倒なことをしやがったコイツ⁉︎

 俺は口車をフル回転し夕を誤魔化すのだった。

        ◆◇◆◇◆

   <配信が始まりました>

「ご機嫌いかが皆々様!延暦寺 小町です!」

「どうも、屋上から落とされかけた本能寺 我炎です」


『いきなりやばいこと言い出したぞこの男』

『投身自殺かな?』

『こんにちはそして我炎氏ね』

『わぁ辛辣』

『屋 上 か ら 落 と さ れ る』

『?????』


「いやー今日はこの相方が"紐なしバンジーでも面白そう!やって!"ってノリでやらされかけたんですよ」

「ちぇ〜!やれば良かったのに!」

「お前訴えるぞ?投身他殺だよ?」

 

『いちゃつくなや』

『投身他殺は草』

『苦労してんなぁ』

『燃える身で投身自殺とか何処の大空襲だよ』

『牛撫でなきゃ』

『↑知ってるやつそんなおらんやろw』

神凪 ハマ『どっかで聞いたことあったような』

『ハマちゃんまさか知り合い!?』

『ファ!?』

『let's fire time』

『燃えろ』

『本当なら(男)消し去る』

神凪 ハマ『いや、多分違うと思う!』

『なーんだ』

『良かった••••』


「コメ欄でなんかボヤが起きてるけど大丈夫か?」

「何言ってんだよ!火炎に身を包んでるのにさ!」

「誰のせいだと思ってやがる」


『成程••••我の身を火炎に包むから"我炎"か』

『草』

『これは草越えて草津』

『お湯かけなきゃ』

『これは植林場ですわ』

神凪 ハマ『将来有望だね!』

『wwwwwwwwww』

『お墨付きやで良かったなw』


「お前、延暦寺まさか!?名前の由来••••そこまで考えて••••」

「ふふふ••••その通り••••私h」

「そんな訳ねぇわ。こいつにそこまで考える知能はねぇ」

「あるもん!」

「ト○ロ見たメ○か」

「トト○いたもん!○イ怖くないもん!」

「おうおう、乗るな乗るな。そして似せるな」

「出ないと目玉をほじくるぞ!」

「ぐっろ••••さて話を戻しまして、」

「何の話だっけ?」

「うっそだろお前!配信の名前見ろ」

「何々••••?『本当に昨日は申し訳ありませんでした。謝罪とファンネームとファンアート決めます』"?」

「はいと言うことで謝罪会見を行います」


『知ってるか?これデビュー二日目なんだぜ?』

『信じられるか?これ、新人だぜ?』

『上の二つのコメほぼ同じこと言っとるw』

『謝罪会見wwwww』

『初めて見たわそんな奴wwwww』

神凪 ハマ『( ゜д゜)』

『ハマちゃんw』


「男がやるって需要ないですよね。俺もそう思います。でも俺はこれを辞めるつもりはありません。本当に申し訳ありません」

「よく言った相棒!そこまでしてVtuberをしたかったんだな!」

「ウルセェ黙ってろ。••••正直Vtuberはやりたくありません!」

「あれ?どっち?矛盾?」

「だけどっ!コイツを!この馬鹿を止めるには!」

 ドンっ、勢い余り机を叩く。

「やるしかないんだぁ!」


『なんやこれ』

『いや本人が本気というのは分かるんだけど、だからこそ草を禁じ得ない』

『ドンっ』

『草』

『何だこの茶番』

『台パン』

神凪 ハマ『((((;゜Д゜)))))))』

『頭のおかしな延暦寺も困惑してやがるw』


「はい。ということでね、これにて謝罪会見を終了します。そしてファンネームとファンアートを決めます!アイデア下さい」

「コメントポイポイして〜!」

「その擬音だと捨てるくね?」

 ファンネームとは"あり得ないとは思うが"自分達のファンになった人達を呼ぶ名前である。神凪 ハマなら"式神"といった風に多種多様な種類が存在する(らしい)。

 ファンアートとは"あり得ないとは思うが"自分達のファンが描いてくれる自分達のイラストの事だ。神凪 ハマなら"神世絵"のようにこれまた多くの種類がある。

 因みに神凪 ハマついて詳しいのは夕のお陰である。

「まずはファンネームお願い!」

『ファンネームは『" "』で囲って下さい』


『"焼き討ちーズ"』

『"本能寺の変"』

『"人間五十年"』

『"焼き討ち組"』

『"信長の願望"』

『"僧兵"』

『"♰業火の炎♰"』

『"隠れキリシタン"』

『"燃えよお寺は美しい"』

『まともなファンネームがない••••だと!?』

『どれも炎系統で草』

『お客様、どうです?そんじょそこらのVtuberとは火力が違いますよ』

『コンロかよ』

『よう踊りよる』

『↑キリシタンへの拷問、火炙りの反応じゃねーか』


「なんか、炎上とは違う意味で燃えてる」

「とりあえず"焼き討ち組"で」

「まだ比較的マシなのを選んでくれてありがとう。でも"僧兵"の方がよくね?」

「じゃあファンアートいくよー」

「わぁ理不尽••••あ、今度も『" "』で囲って下さい」


『"鳥獣戯画"』

『"寺アート"』

『"おてらパレット"』

『"浮世絵"』

『"寺子屋"』

『"炎の絵"』

『"雪舟のおてら"』


「何故こうも歴史に強い人がリスナーに多いのだろうか?困惑するんだが?」

「普通じゃない?」

「くそ、こいつ馬鹿なのにテストの点だけはいいんだ」

「君は何点だ〜?」

「煽るな煽るな••••これでも成績は中位でキープしてるし」

 話が盗んだバイクで走り出してるので無理矢理引きずって元に戻す。

「さっきお前がファンネームを決めたから今度は俺が決めるわ••••"おてらパレット"で」

「無難でつまんない〜!」

「無難上等!お前はもっと普通になりやがれ!」

「ふっ••••諦めな?誰にも私は止められねぇ!!!!!」

「知ってる」

 

『馬鹿なのにテストの点が良いとは(哲学)』

『知ってて草』

『理解速度超速w』

『冷静www』


「はい、ということでね。話もまとまったのでこの辺でさよならしたいと思います。まーた、らーいしゅーう!」

「ヤダ!まだ終わらなねぇ!俺たちの戦いはまだまだこれからだ!」

「打ち切りやん。やったぜ。引退しまーす」

「ケッさせるかよ!?」

「おい待てやめろその腰元の黒い銃はなんだ!?」

「くらえー!」

 画面外から黒い拳銃を取り出す美納葉。実はこれはゴム銃なのだが、美納葉が魔改造を施したせいで頭がおかしな火力となっている。

 パシュッ。

「あ!?壁がァァァァ!?なんてことしてくれるんだお前!?」

「私に逆らった祟りだよ」

「崇徳天皇もびっくりな理由だよ!?ああ枠終わりますね!ではまt「明日はゲーム配信するよ!」

「あれゲーム買ったっけ?」

「明日君が買うんだよ?」

「いやァァァァァァァ!!!!!」

   <配信は終了しました>

最後まで読んでいただき、感謝です!

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エッ!?男子校高校生!?じゃあ…登場人物全部♂!?w
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